身代わりの花嫁は、不器用な辺境伯に溺愛される
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身代わりの花嫁は、不器用な辺境伯に溺愛される

一ノ瀬かおる/椎名さえら/一花夜

さらっと制裁を免れている人物がいる…

ネタバレ
2024年6月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最新3巻まで読了。
「姉or妹の片方だけ虐げられヒロインが、貴人殿方に溺愛される」的なテンプレ物語です。

ただこの作品は絵も綺麗で読みやすく、虐げられていた主人公もウルウルおめめで殿方に守られるだけの存在ではなく、ひたむきでトラウマを克服しようとしたり、領地のトラブルに前線に出て対応しようとしているところに魅力を感じます。

それと2巻で明らかになる主人公実家の歪んだ関係の真相。思ってた以上に闇が深すぎて、さんざんやらかしていた姉のマチルダにすら同情してしまいました。
真相を知った後、もちろん父親にはイラつきましたが、つまるところ保身の為に涼しい顔して誰も庇わずに過ごしていた母親こそサイコパスで諸悪の根元さを感じます。
しかもこの母親、被害者顔して真実を告白したら勝手にスッキリして「貴女の幸せを願ってます(キリッ」ってどの口がいってんの?父親はいわば托卵の被害者だよね…?そりゃ精神歪むよ。なんかフワッと母親が赦されてる雰囲気になってるけど、母親に制裁がないのが個人的に残念。再度実家の顛末を描きそうな感じの引きだったので、今後に期待。

辺境の領地経営は隣国との関係がモロに影響でたり、戦地になる事もあるだろうから主人公と辺境伯の二人三脚で色々乗り越えていく展開を楽しみにしています。
主人公の思想に時々出てくる怨霊マチルダの早期浄化を願って★5で。
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