獣はかくして囚われる
」のレビュー

獣はかくして囚われる

沙野風結子/小山田あみ

核心に近づくにつれ脇の存在感が強くなる

ネタバレ
2024年6月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 別の作家さんの作品でも、マカオとか地下組織・マフィアの類の話はいくつか読んでいるので、その辺のやり口を細かく描写されると、貶められた人達の心身の状態や状況・冷酷さをリアルに想像せずにいられなくて、心がビリビリしました。
自分から飛び込んで行ったとは言え…勝算がゼロではなかったはずの鹿倉が絶体絶命のピンチに陥った時は、映画さながらの緊張感でズキズキ痛む胸を抑えながら読みましたし、助けられた時は手に汗握る展開に「おぉー!!」と思いながら「えぇ!?」と興奮しました。
ここまでも主役の二人はずっとカッコいいし、それぞれに存在感を強く放っているけれど、今回は脇役の桐山とカワウソ君が独特のオーラを放っていたと思います。カワウソ君は、真っ直ぐで先輩思い・色々弁えていてデキル後輩筆頭の将来有望株。桐山は…相変わらずの変態だけど、立ち位置が明るみになるにしたがって「根っからの悪ではない」ような気がしました。カラーとしてはゼロに似てると思います。限りなく黒に近いグレーのような。冷静に分析してみると、この桐山のポジションって、かなり美味しいというか面白い気がします。次巻でも脇の二人が更に存在感を出してきそうで楽しみです。
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