名探偵 耕子は憂鬱
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名探偵 耕子は憂鬱

鈴木ジュリエッタ

「犬上家の一族」は「人騒がせ一族」!

2024年6月28日
推理小説横溝正史作品を思わずにはいられない人物名の数々が出てきて、ほか設定や進行もいろいろとパロっているところが可笑しい!。
主人公である探偵見習いの名前は金田耕子。本人(と犬上君もかな)だけは大真面目だけれどどこかずっこけてる謎解き物。
中には、雰囲気は怪しくて少し恐ろしげな様にしながら、カラッと「難事件」(!)は犯人解明に終わる幾つかのまとまったお話が数セット。そして、春秋館という環境、住人達は変キャラ。いや、いろいろな人が変キャラ。不思議と成り立ってる自由さ。
これで恋愛色も入れてきてる。

絵は昭和初期を感じさせるように見せているが、書面の発行日に昭和三十?の文字が!それは合わないかと思った。三年なら納得。
由良先生の終盤かき回しは唐突感もあった。どっちサイドかね、と。
八墓君も途中判らない…でも犬上君のほうも揺らいだし、マツ子も人物像が!?、そもそも耕子はピンチヒッターではなかったか? などなど疑問も湧きながらも、読み物としては面白く読み進められた。
古畑任三郎パロもあるし、お馴染み金田一探偵の口調を思わせるもったいつけも笑わせる。

楽しく読んだ。

「神様はじめました」番外編を読みに特装版を買わなかったら、本作を知ることはなかった。
抱き合わせ販売は、この場合私には大成功だった。
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