このレビューはネタバレを含みます▼
陽斗のお人好しと嫌われたくないが発動して具合の悪そうな男を助けたら、その男は人気アイドルグループの一員である鳴だったという少女マンガみたいな始まりと心の声が聞こえるようになってしまうファンタジー要素が入った作品。
可愛いストーリー展開になるかと思いきや、鳴も陽斗も親しい人の裏切りに傷付き、陽斗は噂がひとり歩きして身を竦めるように生活しているのが切ない。
物語は芸能人と一般人が付き合うことの不安やドキドキを見せるもので特に目新しさはないけれど、陽斗が鳴の心の声だけ聞こえるという設定がちょっと面白い。
本作が初コミックの作者さんらしく絵柄が不安定だったり、陽斗の赤面の描き方を過剰に感じたり、ふいと作品世界から追い出されてしまうのが辛い。
陽斗が鳴の心の声を聞けるようになったきっかけと思われるコマがあったのに、そこからどうしてこうなったのか何も書かれていなくて不満が残る。
鳴の活動休止はどうなったのか、陽斗のあの問題は結局どうなったのか、解決も解決への道筋も示されないまま完結となっており、とりあえず、続編も書けるようにしておいた感が滲み出ていて残念。