先生の白い噓
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先生の白い噓

鳥飼茜

何が言いたいのか難しい…

ネタバレ
2024年7月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 映画化で話題になっていて、問題提起があるような内容の話だと感じたので無料分の2巻まで読みましたが…主人公の言動や設定にモヤモヤして心に響きづらかったです…。早藤が加害者で100%悪いことは前提として、美鈴は最初に写真撮られて脅された訳じゃなく関係が続いていた中での写真って流れですよね?ということは、レイ◯された相手と関係を続けるに至る心理状況て何?って所が凄く重要になると思うのです。で、それが早藤の台詞から察するに「快楽に溺れてると思い込むことで性被害を受けた自分から逃避しようとしてる」ということなのかなと思いますが、美鈴自身がそもそも女としてコンプレックスがあったり(学校でも生徒達をそういった目線でグループ分けしてる)、女として優位な親友を妬んでいるけど認めたくない程にはプライドがあったり、早藤を男として意識してた所が描かれていたり…これらの情報から、親友の婚約者を寝取っている優越感みたいなものを美鈴から多少感じてしまうのですよね…要は、性被害者になる以前の女同士の妬み嫉みや欲求不満の事実、本人の考え方の傾向性格といった問題要素が多すぎて、性被害の苦しみや問題の本質が見えづらいような気がするというか…。それでも被害者であることには変わりないし、彼女の被害後の言動こそ提起して描きたいのかもしれませんが分かりづらいです…。そして一番モヤモヤした所は、新妻くんの話を聞いて、男だからこう、みたいな恨み辛みをぶつける流れです。彼が男だというだけで行為をするか否か選べる側と決めつけてしまう所は、敢えての構成でしょうが、あまりにも言われた側の新妻くんが落ち着き過ぎだし美鈴は新妻くんから暴力だと聞かされたのにスルーしてて大人としても教師としてもドン引きでした。冒頭からキャラとしても教師らしい所がなくて違和感でしたが…なぜ教師になったのか。更に、そうやって自分より弱い立場の存在に怒りをぶつける加害性を見せておいて、そんな美鈴に彼が好意を持つ構図が早藤と美鈴に重なる所があり、気付きの為の敢えてかと思いきや…他のレビューで新妻くんと恋愛関係になった挙げ句クビになり、後に養護教諭になる…との情報を知り、未成年に手を出して自分も加害者側になってるのは美化され、また教職に就く倫理観の無さに愕然として…どうにも女にばかり寄り添った内容に思えてきてこの先も読んでみようとは思えませんでした。
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