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今月(4月1日~4月30日)

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シーモア島
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  • ササクレ・レクイエム 【電子限定特典付き】

    鹿乃しうこ

    シリーズ内で一番応援してるCP
    ネタバレ
    2025年1月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 日向の兄との関係が複雑すぎて、まず日向のしてしまったことをどう受け止めるかで読者を選ぶ作品かもしれません。ただ、読んだ側の意見としては、日向が自分がやったことを自覚して悔やみ続けていることと、日向から見たことが全てではない(奏のその後も描かれます)点をもって日向を応援したいなと思いました。
    本作は前述のとおり罪に苛まれながらサッカーに逃げている日向が部活の先輩である絢斗からしょっちゅう絡まれているところから始まります。実は絢斗は無自覚に日向に惹かれていてつい絡んでいってしまうのですが、やり方が幼稚過ぎて後輩イビリそのものなので、ここでも読者を選ぶかもしれませんが、今回のCPは2人ともが無自覚な幼さ(日向は過去の自分ですが)をどう乗り越えて成長していけるかがポイントだったように思います。
    絢斗にイビられてる側の日向も実は絢斗に性的に惹かれてしまう自分がいて、だからこそ万年補欠の絢斗のイビリを甘んじて受けていたところもあり、兄への性加害者である自分がまた誰かをそんな風に見てしまうことや自分を好きなのか違うのかよく分からない絢斗の言動を恨めしく思って益々自暴自棄になる日向の姿は読んでいて苦しかったです。
    でも絢斗がそんな日向を少しずつ包みこんでいく様子は、あぁ、絢斗の良さは前向きでアホなとこと、人に対して曇りのない目を持ち続ける純粋さだなぁと思って結構泣きました。そんな絢斗とキスをした日向が(兄とキスをしたことはなかったから)まだ俺にもあげられるものがあったと言ったシーンの苦しさと愛しさと切なさは半端なかったです。
    日向のやってしまったことはもう覆らないけど、誰かを好きになる気持ちを絢斗にベタ惚れになっていくことで学ぶ日向と、日向の過去を受け止めつつ毎度その成長ぶりやカッコよさにいちいち悶えてる絢斗のCPは甘さだけじゃなく苦しさを分け合える関係なので応援したいと心から思えました。後半で兄弟がそれぞれ自分にとって大切な人を見つけられたことが分かるのが救いでもあり、読後、タイトルの"レクイエム"を噛み締めました。
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  • 能美先輩の弁明

    大麦こあら

    魂の片割れ、最高
    2024年11月29日
    大麦こあら先生はいつも恋が恋愛になって成就するまでを描くのが本当に巧みで…今回も最高の2人に出会えて大満足です。
    能美先輩はわりと貞操観念緩いクズなので、そのへんがまず少し読者を選ぶかもですが、そんな先輩と絶対に関わりたくなさそうな瑛人がいかに恋に堕ちるのか。一筋縄ではいかなかったけれど、今回も丁寧に少しずつ進んでいって、互いがちゃんと相手を手繰り寄せた終わりが本当に良かったです。続編が決定しており、無事恋が成就した2人を見ていても手綱は瑛人が握ってる感じなので、この先の恋人同士の2人がとても楽しみです。
    個人的には、能美先輩はとても優秀なのになぜあんなにも自己肯定感が低いのか(親から哲学を理解されてないということは描かれてるが、哲学科進学自体は許されてるので)をもう少し掘り下げて欲しかったので、能美先輩と瑛人のバックボーンがもう少し見えてくるような続編になることを期待してます。あとは2人のラブラブが見たいです。それまでは何度も何度も読み返して、魂の片割れに想いを馳せたいと思います。
  • 蜜果【単行本版】

    akabeko

    互いに唯一の人に出会えたと思う
    ネタバレ
    2024年11月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ はっきり言って出会い方は最悪だと思います。でもそのとんでもない出会いから、いつの間にか店長がレオの人としての可愛さに沼っていく様子が非常に良いです。店長はスカした顔してるんですが(話す内容もスカしてます)、内心ではレオの言動にめちゃくちゃ一喜一憂してて、ホストであるレオの手管には騙されまいと予防線張りまくってる割に毎回ピュアで天然で嘘がないレオの素直さに返り討ちにあうという、その構図がとても可愛いんです。濡れ場がだいぶ激しいですが、でも2人のそういった気持ちが表情や言動やモノローグできちんと伝わってきて、それだけじゃない、ちゃんと人として相性が良いんだなとわかります。いわゆる破れ鍋に綴じ蓋というやつかなと。
    ただ身体の関係を持って落ちていくだけじゃなく、ちゃんと心理描写も描いてほしい、ちゃんと愛し愛されてる恋愛が読みたい、という方におすすめです。
  • 恋知らずの神様に捧ぐ

    滝端

    スーツの柄とシワまで堪能できます
    ネタバレ
    2024年11月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さん買いでしたが過去作と1位を争う程に好きでした。
    相変わらず絵はとても綺麗できっちり細かいところまで描き込まれています。細かいスーツの柄がシワに沿ってちゃんとうねってるのなんて初めて見たので、もうほんとにビックリしました。作画コストが、かかりまくっている!!と大興奮…。内容としては、学生時代に浮津(攻め)に助けられた佐後(受け)が浮津を神のように崇拝しているところから始まり…サイボーグのような浮津が佐後の自分への恋心を通して恋を知っていく、というような流れです、が、傍から見ると浮津がほんとに神のように誰のものでもない感があって、裏返すと誰にも執着がないように感じるサイボーグなんです。収入も見た目も所作も言動も隙がない、結婚相手としてこんなに理想的な男いないかも?ってほどイケメンで完璧なのに、人への執着心がなくて。そんな彼が佐後に好かれたかったと思った時の表情や切なさがとても良かった。モテれば誰でも良いわけじゃない、ちゃんと好きな人の好きな人でありたい、という単純で切実な浮津の恋の芽生えが最高でした。浮津の過去の女性遍歴はちらっと出ていますが、誠実な攻めが好きな人は安心して見守れる作品なのでぜひ読んでほしいです!
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  • 「好き」と言って。

    ma2

    自分向きではなかったかも…
    ネタバレ
    2024年11月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 優介の「俺は俺の世界で認められなければ」という言葉がすごく切なくて、でも人生のテーマでもあり、刺さりました。剛と離れた後に仕事では大成できたようなので、目標が達成できていて、それがまず本当に良かったなぁと思えたのですが、この台詞にはやはり恋愛面も含まれていたと思うのです…。
    それを考えると、本当に相手が剛で良いのか?というモヤモヤとした気持ちが残りました。
    個人的に、"遊び人なわけでも貞操観ゆるめな訳でもなくむしろ真面目寄りなのに、これまで散々女にモテて高校生ですでに女を何人も知ってる攻め"というのが人として一番苦手で。そんな攻めがなぜ男友達でしかない優介を抱き枕にするほどくっついたり懐いていたのか疑問ですし、そこに無自覚な恋心があったと言われるとむしろキツいし、なんだか優介のことを友達としても好きなのかすら伝わってこなくて…剛がボヤッとした印象。
    短編なのでページ数的にも仕方のないことかもしれませんが、要は攻めである剛のキャラが自分向きではなかったかなと思います。
  • S・O・S?~ソルト オア シュガー?~

    未散ソノオ

    続編を何卒!!
    2024年11月29日
    未散先生の作品だからと信用して買ってみたら大正解でした。先生の作品の中で1、2を争う程に私の感性にビビっときたので、購入後何度も何度も読み返して癒されてます。
    お仕事BLなのですが、主人公の押尾さんが素直で可愛い人で、ライバル会社の人との距離感とか、会社内でのあれやこれ(特に人の感情面)がリアルで、押尾さんの苦悩にすごく共感できました。
    また、佐藤さんのミステリアスな雰囲気とスパダリ感で魅了しつつも勢いや流れだけでこない所も良かったです。ちゃんと本気で口説いてるんだけれど、だからこそ、押尾さんを蔑ろにしないように自制心を保とうとするし、気持ちを押しつけそうになったら引き方も紳士的で絶妙なんです。そしてなんでも出来ちゃうのに押尾さんの言葉1つで照れてる顔が可愛いというギャップ!!見てるだけで癒されるカップルです。
    続編の同人誌が電子で出ているのでその後の2人を見たい人におすすめです。自分としては、それ含めてもっとガッツリ商業で続編が読みたいです。
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  • 10DANCE

    井上佐藤

    7巻まで読了。こんなことって…
    ネタバレ
    2024年11月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 実写化の話題で気になり試しに2巻まで買い、ダンスの表現や色気、ダンスを通して惹かれていく2人の心理描写が素敵過ぎたのですぐに7巻まで一気読みしました。そして7巻で膝から崩れ落ちました。あれ程男性相手の恋愛、性愛に二の足を踏んだ鈴木が失恋の逃避とは言えあっさり他の男と身体の関係を持つなんて…それも何度も。深夜の秘密特訓で踊り明かし、互いにダンスも人としても惹かれ合ったあの日々はなんだったんだろう?と呆然。これは私のセクシャリティの問題なのか…貞操観が違いすぎるのか…あまりにもショックでトラウマ作品になりました。この事実を恐らくいつかは杉木が知ると思うと胸が潰れそう。杉木も女性との関係はあるようですが(あと富豪男性たちとのカード遊びにマックスが杉木を賭けて負け結局男性相手に身体を売らされたのかハッキリしない謎のコマもありましたが…)2人にとっては互いが男であることが足枷ではなかったのか?鈴木がまた女性と遊ぶようになったのであれば女性だけを恋愛対象にしてきた以前の自分に戻ろうと、失恋を忘れようと必死なんだという筋が通ったように思うが、逃避先が男(しかもヘテロで新しい師匠)なのが衝撃です。確かに身体の関係は杉木側が無理だった訳ですが(鈴木の確かめ方は酷かった)だからといってそんな簡単に他の男にも欲情できてしまうの?と。彼は結局素晴らしいダンスを踊る男なら誰でも性愛対象になり得たのでは?と思えて、7巻での杉木を探す鈴木の姿にも、新しい師匠とすぐセ◯レになったくせに一途ぶらないで欲しいなって思ったし…最初の巻の頃のようなドキドキ感は消え失せ冷めた目で読みました。恋愛の汚さによって本筋のダンサーとしての輝きが見えなくなったような感覚があります。
    もはや鈴木は恋愛でもダンスでも杉木を痛めつける存在にしかならないのでは?2人の恋がいつか実っても果たして良かったと思えるのか?この先のダンス対決を心から楽しんで見届けられるか?と考えたら、あまりにダンス以外のノイズが大きすぎて自分には無理そうです。なにより、自分の中で鈴木のダンスとキャラクター性に魅力を感じなくなってしまいました…。一応巻末で作者さんもこの件には触れてらっしゃるのですが、作品として必要なピースであり、ただ単に自分が読者層に入っていなかった作品なようなので、私はここで断念します。レビューを先にもっと確認すべきだったと今は後悔しています。
  • ノっぴきならぬ

    こふで

    寅次の健気さにひたすら涙。
    ネタバレ
    2024年11月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 絵がとにかく美しいです。色気とはこういうことか、と。内容については、1巻→2人の再会のお話。主に攻めの寅次目線で物語が進むのですが、強面の見かけによらず寅次がとても一途で健気な男だということが分かって、本当に八重辰が好きで探し続けたんだなぁと感じました。八重辰に奥さんがいた過去も子供のことも邪険にするわけでもなく、勿論その事実に苦しい気持ちはあれど受け止めて、誰を責めるでもなく何度も身を引こうと、けじめをつけようともがく姿に泣きました。忠太の存在が寅次にとっても応援している読者にとってもとても心強かったです。最後の最後まで泣かされて、こんなに真摯で健気な攻めにはそうそう出会えないと思いました。2巻→所謂当て馬?のような存在が登場。2人の気持ちが揺らぐというより、引っかき回す当て馬の存在が発端となって1巻では描かれなかった寅次の7年も描かれ、とりあえずで横に置いていた問題が1つ、2つ解決したような感じです。寅次の7年は胸が締め付けられるような回想で、その過去を知った上での最後の2人にまた泣かされました。少し不穏な予告でしたが3巻も決まっているようなので2巻分を読み返しつつ気長に待ちたいと思います。奥さんとの過去や子供も登場しますが、忘れられない本命だけを一途に求め続けるようなカップルが好きな方にも安心しておすすめできる作品です。
  • 俺以外にはときめかないで【シーモア限定描き下ろし漫画&電子限定描き下ろし漫画付き】

    水曜日

    理由がわからない…
    ネタバレ
    2024年11月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作の攻めは二重人格とまでは言えないような、好きな子の前で頑張ってカッコつけてるだけのただのヘタレなので可愛いなぁとキュンキュンしたのですが、一点だけ腑に落ちなかったのが、受けがバイト先に行った時に無視されたあの件は一体何だったのでしょうか?ということですね。前回友達と来ていることに嫉妬してたのに、また友達といることに嫉妬したのかな…?とモヤモヤしつつ無理矢理納得して読んだのですが、コマ的にも友達とツーショットであることが攻め視点で強調されてる訳でもなく……。目が合った上で無視されて、第三者の友達視点でも明らかに無視されたのが分かる程度のあからさまな態度だったし、受けはショックで実は付き合ってないのかも!?くらいに追い詰められてたのだから、もう少しなぜ避けられたのかの理由をちゃんと話してほしかったですね。無視されてから気持ち確かめ合うまでの流れがちょっと受け視点と攻め視点で乖離し過ぎていて、それなのにちゃんと両思いだったからそれまでの悩み全部ざっくりokみたいな、ちょっとフワッと解決してるのが気になりました。"好き"って言われたらそれまでのすれ違いも不安も全部気にならなくなって仲直りできちゃう関係性は逆に心配になってしまいます…。それが尾を引いてしまい、最後までずーっとモヤモヤしてラブラブなその後にも入り込めず残念でした。もう一つの作品の方はノンケで恋愛関係緩めの攻めは苦手タイプでしたが、攻めの心情の変化がきちんと描かれていたし、受けの不安も2人の心の距離も、攻めのちょっとおバカだけど一直線な所も可愛くて、納得して最後まで読み切り、良かったなぁと思えたので、わたしは表題作よりこちらのCPの方が好きでした。
  • 親愛なるわが魔王へ【単行本版(シーモア限定描き下ろし&特典付き)】

    五月女えむ

    アニメ化希望!!隙のないファンタジー
    ネタバレ
    2024年8月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 子供の頃北欧のファンタジー小説が好きだったのですが、大人になってからファンタジー自体にそんなに惹かれることってなくなっていて…でもこの作品はあの頃のドキドキ感が甦る感覚がありました(注:本作が北欧のファンタジーな訳ではないです)BLでもファンタジー系はいくつか読みましたが、やはり1冊で完結するもの程広げすぎても困るためか設定が足りてないなぁって感じてしまったり、ツッコミどころが多いと感じたり…。そんな中で、本作はネタを無理矢理作った感もなく、作品世界が丁寧に考え作り込まれているので久しぶりに良作に出会えたなと思えました!!!主人公の魔王がどうやって生まれたどういう存在なのか、もう少し魔物界について深掘りするなど足りないと感じる部分は確かにありますが、1巻で完結するには不足ないレベルでした。最初から最後まで設定や登場人物同士のやりとり、言動に違和感や隙がなくて、主従モノの年下攻めはわりと王道のCPではありますが、見たことのない世界観と設定ばかりなので常に先の展開も読めなくて面白さが最後まで尽きず、本当に感動しました。ネタバレしますが、トパズの過去の記憶の回想から人間の姿に戻るまでの流れが特に好きです。よくある作品ならコウギョク様のキスで奇跡が起きて、思い出が脳裏を巡った直後にすぐ元に戻りそうですが、そして、実際そう錯覚させられるのですが、実はちょっとした走馬灯のようなもので、最初のキスから数年経っていたというのがとても良かった。これはぜひアニメ化してほしいです!!
  • 先生の白い噓

    鳥飼茜

    何が言いたいのか難しい…
    ネタバレ
    2024年7月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 映画化で話題になっていて、問題提起があるような内容の話だと感じたので無料分の2巻まで読みましたが…主人公の言動や設定にモヤモヤして心に響きづらかったです…。早藤が加害者で100%悪いことは前提として、美鈴は最初に写真撮られて脅された訳じゃなく関係が続いていた中での写真って流れですよね?ということは、レイ◯された相手と関係を続けるに至る心理状況て何?って所が凄く重要になると思うのです。で、それが早藤の台詞から察するに「快楽に溺れてると思い込むことで性被害を受けた自分から逃避しようとしてる」ということなのかなと思いますが、美鈴自身がそもそも女としてコンプレックスがあったり(学校でも生徒達をそういった目線でグループ分けしてる)、女として優位な親友を妬んでいるけど認めたくない程にはプライドがあったり、早藤を男として意識してた所が描かれていたり…これらの情報から、親友の婚約者を寝取っている優越感みたいなものを美鈴から多少感じてしまうのですよね…要は、性被害者になる以前の女同士の妬み嫉みや欲求不満の事実、本人の考え方の傾向性格といった問題要素が多すぎて、性被害の苦しみや問題の本質が見えづらいような気がするというか…。それでも被害者であることには変わりないし、彼女の被害後の言動こそ提起して描きたいのかもしれませんが分かりづらいです…。そして一番モヤモヤした所は、新妻くんの話を聞いて、男だからこう、みたいな恨み辛みをぶつける流れです。彼が男だというだけで行為をするか否か選べる側と決めつけてしまう所は、敢えての構成でしょうが、あまりにも言われた側の新妻くんが落ち着き過ぎだし美鈴は新妻くんから暴力だと聞かされたのにスルーしてて大人としても教師としてもドン引きでした。冒頭からキャラとしても教師らしい所がなくて違和感でしたが…なぜ教師になったのか。更に、そうやって自分より弱い立場の存在に怒りをぶつける加害性を見せておいて、そんな美鈴に彼が好意を持つ構図が早藤と美鈴に重なる所があり、気付きの為の敢えてかと思いきや…他のレビューで新妻くんと恋愛関係になった挙げ句クビになり、後に養護教諭になる…との情報を知り、未成年に手を出して自分も加害者側になってるのは美化され、また教職に就く倫理観の無さに愕然として…どうにも女にばかり寄り添った内容に思えてきてこの先も読んでみようとは思えませんでした。
  • 自惚れミイラとり【特装版★描き下ろしカラーマンガ&電子限定特典付き】

    中川カネ子

    当て馬が嫌い…
    ネタバレ
    2024年1月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 単話で買ってしまうくらいに本当に好きで、当て馬出た後の残り2話を敢えて買わず待望の単行本だったのです。が、通しで見ると、当て馬が出てきてからなんだかそっちと勇生がメインのようになってしまって、「あぁ、そうだった…当て馬ってのは出てくるとメインのどちらかの存在感なくなって、言動とかやりとりでも蔑ろにされたりするから当て馬嫌いなんだった…」って自分の好き嫌いを諸に思い出しちゃうような感覚があり、好きだった作品のはすが読後はそうでもないような気持ちになってて複雑でした。展開としても、勇生がはる先輩に何の説明もせず突き放すようなことばかりしていて、普通に雨宮くんヤバいことばっかり言ってる奴だから狙われてる本人に何も言わないっていう選択肢が理解出来なくて…。自分が先輩を取られたくないという感情以前に、何かされないよう本人に注意しておいてあげないと本人が身を守れないよね…はる先輩が忠告を信じないとかならまだしも…言ってあげないでどうやって守るんだよ、って思いました。こういう言葉足らず展開は鉄板かもしれませんが、好みじゃないのでイラッとしてしまいました。はる先輩については、当て馬登場でスパダリ感がなくなっていることに対する感想もありますが、私は逆に、何も言わない勇生の違和感に気付いて、話ししようって言ってくれて寄り添ってくれてたことに凄くスパダリだなって感じました。問題解決後に2人で話しをした際も、自分が見当違いな心配してて悪かったみたいに言ってて…第三者目線でははる先輩悪くないのにそうやって自分のこと振り返って謝れる所が凄いと思いました。寄り添いを突っぱねたのは勇生だったのに、はる先輩ほんと懐でかくなってる。ということで、2巻はずっと状況が分からずに蚊帳の外状態でいたはる先輩がとにかく不憫だったので、1巻までなら⭐5、2巻のしつこい当て馬と勇生には⭐1、はる先輩の優しさに⭐5って感じでした。
  • 乙女思考の鶉井くん

    山本小鉄子

    江永の健気さに泣く
    ネタバレ
    2024年1月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 鶉井くんは可愛いものが好きなことに対してコンプレックスのようなものがあるようですが、それよりも同じ一般人相手にファンレター書きまくってることの方がちょっと…って思ってしまいました…苦笑。「好き」とか「付き合えるわけない」とか、選ぶワードがすごく紛らわしいよ、鶉井くん…。江永と八巻くんのどっちが相手か分からないようにする為に会話も凄く混乱させるような物言いになっているため、本当にファンなだけなのか?、それとも江永のことは完全に諦めて付き合えるなら他の男子と付き合いたいと思ってるのか?…そこが分かりづらかったです。江永が誤解して「しんどい」と思いながらも好きな気持ちを投げ出さずに傍に居続けるのが健気で一途で切なかったので、江永へのラブレター(江永宛てはラブレターで良いんですよね??)をいつかちゃんと渡してあげてほしいなと思いました。キュンキュンや可愛さが他の読者さんには人気のようですが、私は江永があまりにもしんどい立ち位置なので、あまりキュンキュンとかは楽しめませんでした。次巻でラブラブしててほしいです。
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  • 愛だなんて言わないから

    日暮くれ

    愛されたい(愛されてる)側の人の話
    ネタバレ
    2024年1月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 本誌で3話あたりで見つけて、終わりの始まりを感じ取っている聖人が切なすぎて、絶対別れてほしくないから最後が気になって本誌で最終話を読んでガッカリし…試し読みやpixivで冒頭と前日談を読んでここのレビューを読み…やはり単行本は買わないことを決めました。藤次は聖人に全く気を許してない(セ◯レとかな)訳じゃないし、ちゃんと愛のある関係性を築いていたのに、あまりにも不誠実で無神経…。過去の人への執着が消えないのは結局、手に入るはずだったものを自分のミスで手に入れ損ねたからじゃないでしょうか?「好きな人傷付けたばっかり…」とか言いつつ、もう次(八千代は特別だから傷付けたくない)を見れてるんだから「好きな人を傷付けるような"自分"」にショックなだけで、別に聖人自身を失うことは受け入れられてるんですよね。まさに、相手から気遣われ愛されてることが当たり前になっている、自分の言動には甘い、愛されたい側の思考だなって思いました。過去の回想の入り方、空気感や絵など好きだなと思える新たな作家さんを見つけて嬉しかったのですが…本作については、あぁ、こうやって浮気は美化されていくんだなって感じました。まぁ、理屈じゃなくて運命が好きとか、すれ違いの切なさに酔いしれたい人とか、人に愛されたい側の人が読むと色んな愛の形を感じられる話なのかもしれません。私は愛を押し付けるだけの人も、人の愛に甘えるだけの人も嫌いなので、八千代の幸せを願ってるだけとか言いつつ執着心だらけで不誠実な藤次も、綺麗事ばかりで覚悟のない八千代もどっちも好きにはなれず、周りのお膳立てありきで生きてる2人の未来に何の興味もわきませんでした。それよりも、聖人の未来に、ちゃんと思いやりや気遣いに感謝を感じてくれる、互いを大事にし合える素敵な人が現れることを祈るばかりです。
  • 黒か白か

    さちも

    シゲ(攻め)が不憫過ぎる…
    ネタバレ
    2023年12月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ さちも先生の作品は全て揃えていて、こちらも芸能界を舞台に激重な愛で結ばれている2人が好きで読んでいたのですが…当て馬が出てきた頃から攻めのシゲが不憫で慎にイライラしてしまい、更には社長が絡んできてからの展開も冗長に感じるようになってしまいました。そしてついに最新11巻でこれまでシゲが隠してきたことを慎が知ってしまって…という、11巻かけて引っ張っていたシゲの献身的な隠し事を知った慎、さぁどうする?!…という待ってましたな展開のはずだったのに、秘密を知ったとて慎はシゲの為に何も捨てられないし、シゲから離れるというシゲにとって一番キツい選択をしていて…もうついに私の気持ちがポッキリ折れてしまいました…。シゲ本人が俳優業にも楽しみを見出だし始めてるんだからキッカケなんてもう良いじゃない…あとは2人でどうやって敵に立ち向かうか考えなよ…とイライラが募るし、2人は互いに激重な愛を向け合っていたはずなのに、案外慎の愛って軽かったのね…と、慎の自己憐憫に嫌気がさしてしまいました。とにかくシゲが報われなくて、仲間もほぼ全員慎のこと好きだから誰も慎に説教してくれなさそうなので完結まで買うのやめようかなと思案中です…。
  • かわいいきみ~美人な幼馴染と平凡な僕~

    りゆま加奈/世迷い

    報われてほしい…
    ネタバレ
    2023年12月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 単行本を購入し、続きが気になりすぎてこちらも11話まで買ってしまいました。主人公のナホを見てると、親のエゴ(うちの子が一番可愛いとか、賢いとか)だけで大事に包んで周りを遮断して育てるのは自己肯定感は育つけど、結局大きくなるにつれ本人を苦しめるんだなぁって気付かされて切なかったです。それはルッキズムとかとは別の問題で、自分を客観視して初めて見えるもの(他人からの自分の評価だけでなく、自分が人の気持ちを考えていないことだったり)や成長があるはずなのに、親がその機会を奪ってしまうのは罪だなと思いました。でも、本作の主人公のナホは、親や幼馴染みである攻めのカナからの言葉を鵜呑みにしつつも、実は結構周りの目や態度を感じ取っていたんですよね。だからこそ尚更読んでいて切なかった。それと、見た目は「普通」と裏で言われてるのを聞いてからのナホの自尊心の傷付きは"気付き"なので仕方ないとしても、それ以外の場面でカナが全然フォローしていないので、攻めのカナが今のところサイコパス味があってなんとも怖い…。カナの友人白砂(はくさ)にしても、やたらナホへの態度がキツくてモラハラ見てるみたいでしんどいし、葵とカナをくっ付けたいのかな?って思えるような言動ばかりなのでその真意が明らかにならない限りはまだモヤモヤしています。ナホは"気付き"を得てから自己肯定感が低くなってしまったけど、それでも、卑屈になっているというよりも結構頭の中で自己と他者を客観視できるようになっているのが凄く人として成長や強さを感じる所なんですが、一方でカナや白砂の威圧感がその客観視を悪い方へ追い詰めている感じで、本当に見ていて涙が出るんですけど………でも、ナホ本人は他人の感情への解像度の上がり具合が凄まじくて、「ルッキズムがしんどい」と仰ってるレビューをお見かけしましたが、それに対してもちゃんと答えや意見を自分の中で示してます。その答えがとても芯のある強さと真面目さと潔さなので、ナホのことを応援したいと改めて思わされました。そういう所がナホの魅力だなと思います。単行本が出たら2巻も買おうと思います。
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  • ちょっと待ってよ、花屋さん

    町屋はとこ

    歳上受がちょっと狡い…
    ネタバレ
    2023年11月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 攻めの神倉は子供っぽいですが実際子供だし、ちゃんと作中成長していくので見ていて応援できました。性格も素直で一直線な感じから最後には包容力も出てきて、頭も良いし仕事できる(カバー裏参照)からとにかくスパダリになりそうな予感!!でも一方で、じゃあ受けの半田はどうなのよ?って思うことが多々ありました。最初の頃、神倉が半田を好きになる過程までは良かったんですが、元カレ登場の後始末が私的にはスッキリせず…。半田は自分からグイグイいってたわりに卑屈で怖がりで、勇気出すのも素直になるのも相手の気持ち受け止めるのも全部神倉ばかりにやらせてるので、歳上として根性なし過ぎでは?おまけに、元カレとの別れ方が結構えげつないわりに実際は今でも仕事上で付き合いあるしわりと普通に接してるので、会うのがツラい…みたいなのもなしでサバサバしてる、が、学生時代の初恋相手の言葉は引きずってて、神倉のことは信じきれない…とか凄くあべこべ。元カレとのことを神倉が嫉妬してしまうことを批難ばかりで気を遣えないくせに、神倉から距離取られたら初恋思い出して泣くけど自分が攻めに気を遣えてないことは棚上げ。うーん…攻めは受けのどこが好きなのか後半は理解出来なくなったし、年下の神倉にばかり包容力を求めて自分が反省しない、気を遣えない素直になれない大人ってどうなの??って段々冷めてしまいました。カバー裏で元カレと神倉は仕事先で接点が出来て…みたいなのも、仲良し円満アピールみたいで私はちょっとモヤりました。それをやるなら半田がちゃんと神倉に元カレとのことをきちんとしてからでは?受けは色んなことを有耶無耶にしたまま成長せずに、年下というだけで攻めばかりが成長させられてるのが凄くモヤり、互いに成長が見られないのが好みじゃないので私には合わなかったようです。そのままの自分がスパダリに溺愛されるのが好きな方は神倉の今後にも期待を持てそうです。
  • いばらの食卓

    さはら鋏

    モヤモヤが止まらん…
    ネタバレ
    2023年9月4日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 2組のCPのお話。どのキャラも倫理観とデリカシーがないので共感できず…。前半の糸井×鹿嶋の冒頭試し読みで糸井のトラウマがどのように解消されるのか気になって購入したけど、結構あっさり克服されて恋人になった印象。また、鹿嶋と師匠の関係が、編集長の回想では鹿嶋の肩が震えていて無理矢理な関係だったと示唆してるように見えたので「師匠気持ち悪い」と思って読んでたのに、鹿嶋自身が師匠の愛をきちんと受け止められなかったことを悔やんでて糸井も「タイミングが合わなかっただけ、今はちゃんと愛せてる」とか言って慰めていたり、結局鹿嶋自身が子供なりに師匠を愛してたのかどうか(同意の関係だったのか)がよく分からずモヤモヤ…。後半の夏目×須藤は2人とも倫理観終わってるので、モノローグで自分の行為が犯罪じゃないと言い訳する須藤(盗撮しても「自分が見るだけだから」とか…)にモヤモヤしたり、夏目もちょいちょい自分がまともな人間みたいな目線でいるのでモヤモヤが凄かったです。一番まともそうな糸井もノンデリだったり、私は登場人物誰も好きになれなかったので…倫理観とかデリカシーとか気にしない人にはおすすめです。
    いいね
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  • キミの撫で方躾け方

    かさいちあき

    はなちゃん大丈夫か…?
    ネタバレ
    2023年7月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 4巻現在も小金井×にゃーちゃんCPは相変わらずの甘々っぷりでした。特に大きな山もなく、にゃーちゃんに沼ってしまったモテメン小金井くんからの執着愛を見て楽しむ巻という感じ。それより、今回の主役はついに小谷さんとはなちゃん。登場時から気になっていたこの2人がどうなるのかようやく読めるということで、実はシリーズ内で一番発売が楽しみだったのがこの4巻だったのですが。小谷さん、思った以上のノンデリ……!!その上はなちゃんもちょっとグジグジしていて、相手してる小金井くんの気持ちお察しします、ほんとお疲れ様って思いました…苦笑。でもはなちゃんがめんどくさくなるのも仕方ない…なぜなら、小谷さんがそれ以上にめんどくさくって、振り回してくるタイプだから!!小谷さん…そういう人かぁ……って感じです。正直、小谷さんの"好き"を私は信用できなくて、読み終わってからもモヤモヤが止まりませんでした。それは単に、自分のこと好きって言ってくれる存在が心地良いだけなのでは?とか、あんなに純情な子に好かれて気分が良くて自尊心が満たされるからでは?とか思ってしまいました。例えば2人がドSとドMとか、超愛されたがりと超愛したがりな2人なら良いのですが、そうでもなさそうなので、今後小谷さんの方に独占欲とか沸いてきたらモラっぽくなりそうだなぁ…なんてことまで考えてしまってはなちゃんが心配です。きっと作品的に幸せになっていく未来だと思うけど、いまいち読んでる外野の私が小谷さんを信用できなくて、はなちゃん大丈夫か?……が今の感想です。
  • 【単話売】恋をするつもりはなかった-double-

    鈴丸みんた

    悪癖治らず【4話読了追記】
    ネタバレ
    2023年6月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 3話読了して一番に思ったことは"やはり人って簡単には変われないのね"ってことで、不誠実な攻めが嫌いな人には今回の続編かなり厳しい展開です。ロウくんさ、ニコちゃんへの励ましのつもりで言ったのか知らんが「フリーなら全然アリ」は彼氏として全然無しだわ。これは傷心のニコちゃんに対しても思わせ振り過ぎる。布団買ってるのもやりすぎだし、人たらしというよりモテ男が人の心弄んでるだけだと思う。ロウくんてその悪癖治ってなかったのね…ショックです。しかもよりにもよって、佳乃を振り回してた時にロウくんが言った「付き合うのはナシ」発言と今回の思わせ振り発言が対になってるのが更にダメージが大きいというか…。あの時佳乃にとって「付き合うのはナシ」(要は"恋愛対象としてなし")という言葉はとても重く苦しんだ一言で、散々泣かされたというのに…なぜニコには平気でそれを言うのか…。もうドン引き過ぎて部屋に飾ってるロウくんと佳乃のツーショットアクスタ、一旦仕舞いました(苦笑)不安から牽制したがっている佳乃に対しての「意外」発言も結構グサッときたし、佳乃は指輪は外して、家の合鍵も返してもらいな?という気持ちになりました。【4話読了追記】そういう展開?!というか、ロウくんへの溜飲が全く下がらないんですが…。いや確かに佳乃はロウくんがニコに言った不誠実な言葉を知りません。だから読者とは怒りや失望の温度差があるかもしれない…でも、「意外」発言は軽く見られた感あるけどあれスルーで良いの?ロウって相手にわざとヤキモチ妬かせたり振り回して駆け引きしまくりで自分に落としてたのに、今回の自分の行動が恋人を不安にさせる、不快にするってなぜ気づかないんですかね?散々相手の気持ちを故意に振り回してきたくせに、自分が思わせ振りだと自覚ないなんて辻褄が合わないです。「嫌なことは言って」って…そもそも佳乃は牽制したがってたよね?佳乃のお叱りに頬染めてる場合か!そしてニコも結局ロウに甘えた上写真アップしてたり、罪悪感あるように見えない…言動の筋が通らない。あと佳乃…付き合う前は思い詰めるタイプだったのに怒りや悲しみの感情薄くないですか?これが成長?大人の対応?相手への理解と懐の深さ?…違うでしょ。許せば良いってもんじゃない。ロウは軽薄さの自覚と反省足りてないし、佳乃なら許してくれるという前例ができただけ。4話は共感も納得も出来ずに置いてきぼりって感じです。
  • こどものおもちゃ

    小花美穂

    主人公の生き様が好き
    ネタバレ
    2022年8月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 当時小学生でしたが、完全版を今でも持ってるくらいずっと変わらず好きな少女漫画です。とにかく主人公の紗南が清々しいくらいカッコよく、おちゃめでおバカな所も沢山あるけど自分の過ちはきちんと反省出来るし、めちゃくちゃ根性あって魅力的な良い子です。出生に関して問題を抱えてるけど、自分の人生をとにかく精一杯強く生き抜いていて、懐の深さ、豪快さ、愛情深さで周りも明るくしてくれる子です。前半の小学生編はそんな魅力を存分に見せてくれて、後半中学生編はやはり色恋絡むと面倒事だらけ…良い子だからこそ苦しみ抜きます。紗南に救われ更正し始めていた元悪ガキボス猿の羽山が、紗南と直澄くん交際のガセネタを信じてしまったのが中学生編は本当に辛かった…。何より、友達になった風花が即羽山に言い寄る流れはこの作品において一生引きずるトラウマとなりました。風花本人は羽山に同情して声かけてあげたみたいに考えてたのがもう無理で…後に紗南に「羽山の恋心に気づいてやらなかった」と偉そうに説教をしてるが(そもそも羽山は無許可キスばかりして告白から逃げ続けてた)自分が目を付けてた男がちょうど失恋して傷心してたからつけこんで自分の欲を叶えただけなのに…。記事がガセだと分かっても、羽山の状況や心情に寄り添うどころか「信用できない」と追い詰める始末…。羽山に言い寄る前の風花の失恋は噂で勘違いした両想い相手が彼女を作ってしまい身を引くという流れだったのに、今度は同じことを友達にさせるという怖さ。紗南に似た正義感の強いキャラとして描かれてるけど実際は全然似てなくて、思い込みの激しい偽善タイプ、他責思考で反省しないので私はどうしても好きになれない。更に、当の羽山が後に風花とのことを「好きじゃなきゃ付き合わない」「あいつには悪いことした」と気に掛けることばかり紗南に言っており、読者には羽山側に風花への恋情はないとわかるけど、紗南の中では"2人は普通に恋愛してた"事になる。紗南は羽山が自暴自棄で風花と付き合った流れも知らないので自分が風花から横取りしたという罪悪感を拭いきれず心を病む原因の1つに…この事だけは続編読んでも未だ羽山を許せない。中学生編は紗南と直澄くんが失恋を経て相手を思いやる心が成長する一方、風花の下心でできた優しさや他責思考と無神経さも、羽山の無神経モラ男ムーヴも一切反省なしでモヤるので自分が大人になったことを実感します。
  • 堕天使 【電子限定特典付き】

    歩田川和果

    台詞回しが癖になる!!
    ネタバレ
    2021年8月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作家さんの台詞回しがとにかく癖になる一冊。
    天使や悪魔などファンタジーな設定を持っていながら、十川が現世に溶け込んで相談所みたいになってるのが地味に面白い。また、設定に胡座をかくことはなく、本作の魅力の土台は間違いなく作家さんの持ち味である台詞回しやその問答の面白さにあるだろう。
    最初は煙に巻いたような物言いで主人公の圭を翻弄していた十川だが、一野の登場で物語が十川の過去や圭との関係性にグッと踏み込むことになり、ここからのやり取りが更に面白い。
    それまで翻弄されっぱなしの圭が後半に行くにつれ逆に十川を翻弄したり、より図太く逞しくなってゆく。
    ミステリアスな十川の秘密を知りたくて読んでいたはずなのに、読み終わる頃には十川や一野、自分自身も皆まとめて圭のことが好きになっちゃってる、悪魔も堕天使もマイペースに魅了してしまう人間の圭が愛しくなったそんな一冊。
  • 月影

    SHOOWA

    表題作はBLと思わない方が良い!!
    ネタバレ
    2021年8月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作「月影」とその続編「逃げ水」がそれぞれとても秀逸です。時代背景や社会環境が丹念に調べられており、時代や出自に翻弄されながらも強く生き抜いた清人の悲しく苦しい、それでいて愛し愛された儚い日々を、幸せを悉く奪われながらも愛によって救われながら足掻きもがいて生きた1人の男性の人生として、目をそらさずに描ききった名作だと思います。
    ただ、BL作品に分類されている以上は、読む方によっては最後のオチがNLになっているのがしんどい人もいるかもしれないなと思いました。
    清人が女性に惹かれる描写が全くないまま彼の同性愛遍歴を読んできたところに、結末間際で急に異性愛と子供ですから、異性愛者の人はなんにも考えずに感慨深いかもしれませんが、同性愛者の方や、清人を同性愛者として読んでいた人はショッキングかもしれません。
    恐らく清人はバイセクシャルとしての立ち位置で描かれたのかな?と推測しますが、最後の結婚は自分のためには生きられなくなった、誰かのために生きることでしか前を向けない、そんな彼を助け支えてきた女中に、恋情ではなく愛情で応える形での結婚だったのかなと思い、私はなんとか納得しました。
    結婚は事実のみで、子供に対して「新たな愛を知る」とあったので、教授の愛に支えられたのと同じようにまた愛に応える形だったのかなと、そして、その愛に応えた先で新たに「父性愛」を知ったということかなと。
    ただ、同性愛者であれば女性との性愛は簡単なことではないでしょうから、男性との恋愛遍歴の中で少しでも清人自身の恋愛対象に女性も含まれることを示唆するような描写があれば良かったのになと…
    例え恋愛対象でなくても、愛情さえあれば清人は元男娼なので過去の経験上、女性とも性愛行為が出来るんだとしても、
    そういう過去だからこそ、身近で穏やかな愛を受け入れ自ら求める愛をやめたのが、清人自身の幸せに妥協を感じて複雑な気持ちになり…そこに蟠りを覚えてしまいましたので星4にしました。
    死ぬ間際にふと思い出したのは、苦しくとも心から愛した男の記憶だったので…。
    どちらかと言うと、支えられる愛に応え結婚するにしても、性愛抜きの関係に留まり、自身の出自と重なるようですが、養子を育てることで子供の頃に貰っていたであろう愛を、今度は自分が新たな愛として知る…という流れなら蟠りはなく見届けられたかな、と思ってしまったりしました。