毒好き令嬢は結婚にたどり着きたい【電子限定特典付き】
守雨/紫藤むらさき
このレビューはネタバレを含みます▼
最初の婚約者(伯爵家次男)は最低の大馬鹿者。婿に入る予定で自分の家の借金を支援してもらっている立場でありながら他の女に誘われてホイホイつられ、子供ができたと言われたら「君のことは心から愛している。もちろん君は安心して子供を産めばいい。君と子供のために陽当たりがよくて居心地もいい部屋を用意するよ。そこでこれからも愛し合って暮らそう」とかほざく神経は信じられない。ヒロインのエレン(侯爵家跡継ぎ)がそのままでも自分と結婚するだろうと思っているのがアホか!と。きっぱり捨ててざまぁです。結局伯爵家は破産し爵位を国に返上して平民に。浮気女(男爵家)も家から追放されておっさん商人の愛人に。
一方でヒーローは小規模貿易商の次男で平民。商売の危機にヒロインの家に助けてもらい、兄妹で護衛と侍女に。ヒーローは叶わないと知りつつ一途にエレンを愛していたけど、戦争で第2王子を命がけで助けた功績で男爵になり諸々経て婿入りへ。ヒーロー以外にも幼馴染の公爵やら伯爵家三男(亡母が他国の王族で後にその国の王になる)やらレベルの高い男たちにも惚れられてたエレンですが、ヒーローへの恋心を自覚した後は行動力半端ねーって感じです。
通常なら侯爵家と男爵の家格差では難しいけど、特級薬師という独特な稼業の家の取り回しとか社交とか平民にはとても無理だろうはずのことをこなしてしまうハイスペックさはさすがヒーロー。職人的な薬師(ほぼ内科医兼獣医)で社交の苦手なエレンに、「億劫なことの向こう側に成果があるのだから仕方ないよ」「俺と結婚したばかりにエレンが陰口を言われたりしたら嫌だからね。君のためなら俺はなんだって頑張るよ?」と。「くうう」となるエレンにめっちゃ賛同!ラブラブになっても周りの男たちがエレンに寄ってこないか心配するヒーローが最高です。
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