αは彼に抱かれたい
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αは彼に抱かれたい

せら

明るく優しい世界のオメガバース

ネタバレ
2024年7月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ オメガバといえば、虐げられるΩというのが前提な物語が多くて、名作もそれ故たまにしんどいなと思う時があるのですが、これは違います。Ωは、社会に溶け込むどころか、人口減少に歯止めをかける救世主的存在なので大事にされていて、だから明るい性格の人が多い。開けっぴろげすぎてちょっと引くくらい(汗)。作者さんがどういう意図でこの世界観にしたのかはわかりませんが、生まれ持った性質故に差別される理不尽がないというのは現実でも難しい、だからこそせめて物語の中ではそういうハードルを取っ払って、純粋にその人その人の個性で生きていける世界を描きたかったのかなと勝手に推測してます。
とはいいつつ、このお話の主人公ライカとエイジはα同士。選ばれし者にもやはりハードルはあるのですが、ここで大活躍するのがΩの理央。Ωとは関係なく家庭環境が良くないのか、でも卑屈にならず逞しくしたたかに生きる彼がそのハードルをぶち壊す助けになります。αをこういう風に助けるΩは初めて見ました。カッコよすぎる。ちょっととんがった彼にも悟先生という優しいつがい候補がそばにいるので、ぜひ素直になって穏やかな幸せを掴んでほしいものです。
理央にスペースを割いてしまいましたが、ライカもエイジも人間味溢れつつカッコよく素敵だし、ほのかもほなみもなよなよしてない可愛らしさ満載、Ω軍団も陰湿さがなく、つまり嫌な人が誰も出てこないので、ストレスフリーで読めますよ!
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