婚約破棄の悪意は娼館からお返しします
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婚約破棄の悪意は娼館からお返しします

うもう/皐月めい

後悔。。

ネタバレ
2024年7月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 4巻のピンチをどう解決するのか知りたくて迷いつつ購入した5巻ですが、個人的にはガッカリでした。

主人公のシャロンは、賢く聡い風の設定だけれど、私はもうそうとは思えません。
彼女の甘さによって自分自身の首を絞めるどころか、4巻では国王と父親が死んでもおかしくない状況を作ってしまった。

他のお方のレビューにもありましたが、真っ当な判断を下さなかった時点で、逆恨みなどによりこのような事態が起こり得るのは当然予測できる範疇でしょうに。聡い人でなくても普通に懸念するよね?どうなってるの?シャロンやこの国は。

その後、実行犯のクリスは一年の服役の後、また神殿扱いになるとか。
確かにクリスは気の毒だ。叶うなら本当の幸せを知って欲しいとも願う。

けれど、命令されて実行しただけだとしても、国のトップの命を脅かすという大罪を犯した時点で危険分子となった訳で、その者に対する判断がそれでいいの?
もし万一捕まったサミュエルが脱獄したら、恩義が拭えず指示にまた従ってしまう可能性だってあるのでは?しかもトップ2人があんな事になった神殿扱いにするとか、正気?

シャロンだけでなく国王の娘もクリスへの温情を望み、それに対して国王は、『良い女王になるかもしれん』などと満足げだし、シャロンも国王へ温情に感謝を述べるわで。。皆が皆思考が浅く視野も狭いし、危機意識の薄さなどにもゾッとした。

とくにシャロンは、自分の甘さから国王と父親の命の危機をまねいた事を悔いたばかりなのに、また今回も温いこと言っていて驚いた。
それに、同じ轍をまた踏みそうな愚かな国、国として成立すると思えない。

途中から常識が欠け、綺麗事を並べた物語にしか思えず、読んでいてキツかった。最初は面白かったので残念。
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