おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中! 【連載版】
」のレビュー

おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中! 【連載版】

晴田巡/荒瀬ヤヒロ

自立した女性の選択の結果が楽しみ

ネタバレ
2024年7月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 絵は綺麗で好感が持てます。
主人公の葛藤や精神的自立の経緯、自分の感情と向き合った結果、今後辿り着く答えに興味が湧く展開です。

キャロライン王女とケイオスの行動は一見、主人公に悪意があるようにも見える、が実際には単純にそういうところに意識がまったくない人たち。
生徒会?も同様で、現代世界では悪意を感じるわざとらしい鈍さで共感はまったくできないのですが、この世界線ではこの感性が普通なんでしょうね。

主人公は周りの他人を変えようとせず、もっと私に気を遣えだとかキレ散らかしたり、王女と婚約者への嫉妬や恨みだとか逆襲などもなく、自分の感情と丁寧に向き合い、自分自身を大切に考えておひとり様として生きる選択をします。
その後は自然体で生活や行事を満喫する姿が見ていて清々しいです。

自分を押し殺して他人に振り回される人生を捨て、自立した女性が、これからどんな困難を乗り越えどんな素晴らしい人生を歩むのか…
精神的自立を成し遂げたおひとり様の今後の展開が楽しみです。

しかし、主人公は天然ゆえに(本当は悪意があるんじゃないか?と思うほど)婚約者の好意を徹底的に誤解しつづけます。
婚約者はこれほどまでに深く主人公を傷つけたのだな…という見方もできますが、本人は楽しそうです。
そして大切な人なのに、長年その大切さに相応しい扱いをしなかったケイオスは一生片想いのままで生涯を終えてほしい…そんな黒い感情がほんのりと湧く作品です。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!