「エイプリル・マジック」に再会して嬉しい





2024年7月18日
同時収録「エイプリル・マジック」のみ千津美と藤臣君のシリーズ外。まさかこんな風に再読出来るとは思いもよらず、喜んでいる。本誌ララ1980年4月号で読んだときの掘り出し物感は当時とても強かった。育生の待つ出会いのことを知る女史の語り部風の配置が絶妙。このおつかいに出す感じから、もう既にあの作品に再び巡り会えていることを、軽い興奮を持って迎えていた。そして、間違いないと育生が確証を積み上げる緊張感が堪らない。今読んでも際立つうまさ面白さをたたえていると思う。
尚、千津美と藤臣君のシリーズは、次の2(銀色絵本)もある。それ程の人気シリーズを、デビュー作(秋風ゆれて)で打って出ているひかわきょうこ先生の実力には舌を巻くしかない。しかも掲載誌は実力者揃いのララ!
秋風ゆれて(1979年2月大増刊)
春のひとかけら(同年5月号)
トライアングル・トラブル(同年10月号)
春を待つこころ(1980年2月号)
パラソル・エッセイ(同年6月号)
スイートカラーの風の中(1981年6・7月号)
主人公千津美はドジな子設定だが、その描写があまりにも演出し過ぎていて私には共感部分は多くない。掲載当時の少女漫画の路線ではあるものの、元々迂闊な印象や軽率な振る舞いを思わせるそういうキャラの主人公は、私は余り歓迎できない。
しかも何となくそれがまかり通って、よくもまあ他の親友達と同じ進路に行けたり、バイトもやれているなと、現実感薄い。
しかし、「スイートカラーの風の中」辺りでも見せる、ストーリーの複線化がごちゃつかないで読み手のこちらを引っ張り込めるような、各キャラを立たせている構成さすが。
出世作のこのシリーズなかりせば、後続の他の魅力的な作品群も自由に豊かに描ききれなかったかも、と思うと、こうした典型少女漫画で先生が足元固めを果たされていたことを、今さらながら大した新人さんだったんだろうと驚嘆する。
ひかわきょうこ先生はこのあと、異世界物、西部劇、時代物、オカルト物と、あらゆる領域に手を伸ばされてどれも魅力の作品群を成し、ご活躍ぶりはとどまるところを知らない。ストーリー進行もうまいし、語りも巧み、絵の構図の工夫もときどき目先が変わっていいし、男の子をどう描けば女子受けするかもよくわかってらっしゃる。
絵柄云々は私には問題ない。その時代時代には合っていたものなら構わないし、また、流行の絵柄ではなく我が道というのでも構わない。全286頁
尚、千津美と藤臣君のシリーズは、次の2(銀色絵本)もある。それ程の人気シリーズを、デビュー作(秋風ゆれて)で打って出ているひかわきょうこ先生の実力には舌を巻くしかない。しかも掲載誌は実力者揃いのララ!
秋風ゆれて(1979年2月大増刊)
春のひとかけら(同年5月号)
トライアングル・トラブル(同年10月号)
春を待つこころ(1980年2月号)
パラソル・エッセイ(同年6月号)
スイートカラーの風の中(1981年6・7月号)
主人公千津美はドジな子設定だが、その描写があまりにも演出し過ぎていて私には共感部分は多くない。掲載当時の少女漫画の路線ではあるものの、元々迂闊な印象や軽率な振る舞いを思わせるそういうキャラの主人公は、私は余り歓迎できない。
しかも何となくそれがまかり通って、よくもまあ他の親友達と同じ進路に行けたり、バイトもやれているなと、現実感薄い。
しかし、「スイートカラーの風の中」辺りでも見せる、ストーリーの複線化がごちゃつかないで読み手のこちらを引っ張り込めるような、各キャラを立たせている構成さすが。
出世作のこのシリーズなかりせば、後続の他の魅力的な作品群も自由に豊かに描ききれなかったかも、と思うと、こうした典型少女漫画で先生が足元固めを果たされていたことを、今さらながら大した新人さんだったんだろうと驚嘆する。
ひかわきょうこ先生はこのあと、異世界物、西部劇、時代物、オカルト物と、あらゆる領域に手を伸ばされてどれも魅力の作品群を成し、ご活躍ぶりはとどまるところを知らない。ストーリー進行もうまいし、語りも巧み、絵の構図の工夫もときどき目先が変わっていいし、男の子をどう描けば女子受けするかもよくわかってらっしゃる。
絵柄云々は私には問題ない。その時代時代には合っていたものなら構わないし、また、流行の絵柄ではなく我が道というのでも構わない。全286頁

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romance2 さん
(女性/60代~) 総レビュー数:1852件
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アヲアラシ さん
(女性/-) 総レビュー数:100件