薔薇
」のレビュー

薔薇

夜光花/奈良千春

夜光花先生とのファーストコンタクト作品

ネタバレ
2024年7月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作品には攻めが2人いる、というのは結構有名かと。それもあり、何となく購入を見送っていたのですが、長らくBLの沼にいて、だんだんとこんなに有名な先生の作品、読まないでいるのもったいないんじゃない!?と思い始めて手を出した次第です。若い頃ならまず読まなかった設定なので、自分の中の許容範囲や、キャパの狭い方は購入を慎重になさった方が良いかと…。最後まで、どっちか2人を選ぶということはないよ!!!4巻目くらいかな、その事に気づいたのは。あーこれはそういう物語ではないんだな、と。薔薇シリーズオフィシャルサイトでも、先生自身ラウルは当て馬でも良かったんだけど、書いていくうちに変わっていったとおっしゃっています。最後まで読めば、このエンドに納得しますし、ラウルがいてよかったな…(ジーン…)みたいなシーンもたくさんあるんですけど、何分、レヴィンびいきなもんで、特に最初の頃はラウルみたいな遊び人というか、その場のノリで生きてるみたいな男タイプじゃないので、2人のエチとか興味なくて、こんなことしてる間にレヴィンはどうしてるんだろ…とか思ってしまって、話に集中できませんでした。本当に深刻なシーンで薔薇騎士団なんかブッ壊しちまえばいいんだよ!とか言ってくれたあたりから、この男の陽な部分に啓が救われていたんだな、本当にラウルみたいな明るい男がそばにいてくれて良かったなって、やっと思えるようになりました。なんというか、啓はずるい男だなという思いが拭えません。最後まで2人のうち、どちらかを選びませんでした。選べなかったとも言える。時にはラウルみたいに本当に陽気な男から、思い詰めるほど真剣にこれからどうするの?と問い詰められても、答えを出せませんでした。そこが好きになれなかった。オフィシャルサイトのショートストーリーや最終巻のラストとか読んで思うのは、やっぱり啓の運命もレヴィンだよ、と答えてあげられなかったのは悲しいな、と。1人の男が気も遠くなるほどの時を超えて、啓が生まれる前から見守ってきたというのに、薔薇騎士と守護者は惹かれ合うという特性からポッと出の恋多き男に半分その座を持ってかれるというのはやっぱりなんか違うかな…と。レヴィンはなかなか自分から誘えなくてラウルから譲ってもらったり、啓の方から誘ったりと見てて焦ったいしね。でも、ラウルとレヴィンの関係性は好きだった。この2人がくっついちゃえば?笑
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