嵌められましたが、幸せになりました 傷物令嬢と陽だまりの魔導師 【連載版】
咲宮いろは/霜月零/一花夜
このレビューはネタバレを含みます▼
優しい辺境伯と交流を深める中でも「それで使用人たちはいつ謝るんだろう」というモヤモヤが常に頭の片隅にあって、とてもほんわかできる心境ではなかった。そんな感じでコミックス丸々1冊分以上モヤモヤモヤモヤし続けた挙句、あの馬鹿執事(本当に優秀なのか?と疑いたくなるくらい迂闊だし、令嬢としての常識を説く前に貴様が執事としてのマナーを弁えろと言いたいし、噂を鵜呑みにするし失礼極まりない)を筆頭に使用人全員が仮にも主の婚約者に対してあれだけの態度をとっておきながら、たった1コマ謝っただけで終了……ちょっと一周まわって笑ってしまうレベルの肩透かしを食らいました。本当はもっと使用人全員が心も言葉も尽くして謝り倒したけれどフィオ自身がもう気にしないでほしいと言ってくれたとか、認識を改めた後はニコニコ接しつつも内心常に罪悪感に苛まれているとか、納得できる某かの描写が欲しかった。苛めるパートと反省パートの長さがどう考えても配分ミス。嫌味でも何でもなく、これでほっこりできる人が羨ましい……私はそこまで寛大な読者になれない。ヒロインと辺境伯の人柄だけは好きです。
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