太陽の痕跡【タテヨミ】
」のレビュー

太陽の痕跡【タテヨミ】

RIDI/Merin/Dohaeneul

生死観を問われる作品

ネタバレ
2024年7月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読んでいて気になる!という部分は現在配信している話数でおおよそ知ることができるので、読んでいてモヤモヤ!はおそらくありません。ご安心ください!


世界観やダンジョンについて、細々とした説明はないもののG◯NTZやマ◯あたりが好きな方はとっつきやすいです。急に出現するようになったダンジョンに振り回される人々の中、クローズアップされる主人公の凄惨な過去、自らが犯した過ち(と言ってしまうのは彼自身も被害者なので憚られますが)とどう向き合うのかが丁寧に描かれています。

内容が内容なので、主人公と友人達の「事故」については、人によっては厳しい方もいるかもしれません。ただ、自分ごとに置き換えても作中で問われる生死観というのは深く考えるべきことなのだと思います。
(途中から現実での友人たちのことはさらっと流されてる感もありますが、主人公の中にはどんな形であれずっと彼らが居続けることには変わらないんだと思っています。)


BL要素としては直接的な濡れ場はありません。ただ、余裕綽々で常に先回りしているような狡猾な攻めと、それに利用されて搾取されているように見えてそれだけじゃない受けという関係性がたいへんよかったです。お互い好意は確かにあるのに、それでも利用し合っていて、意外なことにその事実に深く抉られるのは攻めの方である点も熱いです。


完結ではないので、あとは彼らのハピエンを見届けるのみ!と腕組みしながら見守る体勢ですが、まだすったもんだあるのでしょうか。
幸せな未来を望んだからこそ死を選ぼうとした主人公が、どうか想像以上の幸福を手に入れられますように。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!