このレビューはネタバレを含みます▼
アメリカ開拓時代の西部ロマン。小さな町の保安官フランは、荒野の只中で馬を亡くしてしまいます。暑く乾いた日中は日陰も水も無く、夜には一気に気温が下がり、コヨーテの気配を間近に感じながら、フランは道に迷ったことに気づき死を覚悟します。意識も朦朧とする中、フランはいつのまにか現れたネイティブの青年に口移しでは水を飲ませてもらい一命を取り留めるのでした。夜は冷えるのでお互いに温め合うしかないと青年トトはフランの側に横たわりますが、その手にはナイフを握りしめています。翌朝トトは町まで連れて行ってくれて、そのまま姿を消してしまいます。その夜フランはコヨーテを抱いて眠る夢の中でコヨーテがいつのまにかトトに変わっていて、目覚めたフランは愕然とします。フランはお礼の品を携えてトトを探しに出かけるのでした。二人は全く言葉が通じないのですが、一緒に狩をしたり酒を飲んだりしながら居心地の良い関係を作り上げてゆきます。作者さまらしいサラサラした手触りの男臭くかっこいいお話は、BLですが感覚的にはブロマンスに近いかもしれません。機会があればトトがなぜ一人で行動していたかを知りたく思いました。巻末のミニキャラ劇場も愛らしくて楽しかったです。