花葬りて、夜
」のレビュー

花葬りて、夜

市ヶ谷茅

年上美人の受けと攻め 2編

ネタバレ
2024年7月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 華道の若き家元•夜野田朔芳こと朔の葬儀から始まるお話は、明川了が住み込みの弟子として朔の下を訪れた一年前から描かれます。売れっ子華道家として忙しい朔には大手広告代理店勤務の恋人•弓越がおり、二人の情事を知った了は逢瀬の翌朝の朔の艶っぽさに胸が騒ぎます。朔もまた、了の活ける花の若々しい感性に触発され自分の作品に昇華してゆくのでした。両親とは絶縁状態で芸術という孤独な作業で自分と向き合い続ける朔の、華と憂いが表裏するキャラが独特で、朔がなぜ死に至ったのかに引き込まれてゆきます。タイトルからも明るいハピエンではありませんのでご注意下さい。巻末の『才能と劣情』は朔視点の短編です。幕間や番外編など設定がモリモリでした。『カフェ•ティミディテ』小さなカフェの素敵なマスターと郵便屋さんのお話。こちらはほっこりハッピーな短編です。
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