このレビューはネタバレを含みます▼
この作品では、大人のすれ違いの恋心を、巧みに男性目線からと女性目線からと両方を入れ替えながら描かれている。
この作品の主役は、前半は、市川一哉(イチ)と成田美紗緒。お互いなかなか素直になれないことや、イチに纏わりつく情緒不安定な彼女の田所や、イチの毒親(父親)などが関係してきて色々拗れまくるのだが、最終的には美紗緒の妊娠とともにハッピーエンドを迎える。美紗緒が幸せを勝ち取って嬉しい。
後半の主役は、絶世美女の文里薫。年上の出世頭の夫がいるが､､､夫から離婚を切り出され､､､。薫は学生時代から、非常にモテまくるのだが、ずっと男運が悪い。大学卒業後早々に今の夫と結婚してしまうのだが、就職先で運命の相手の上条(美紗緒が一時期好きだった男)と出逢う。
薫のような小悪魔的な女を嫌いな女性は多いかもしれないが、自分は好きだ。薫は裏表なくピュアで脳内が天然なのだ。それゆえ人を無自覚に傷つけてしまうことがあるが、薫もこれまでの人生で深く傷を負ってきているのだ。裏切られて愛した男の子供を中絶したことなど。
薫には人格者の上条と上手く結ばれて欲しいな、と心から願わずにはいられない。
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