いとしいぼくら【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】
夕倉アキ
このレビューはネタバレを含みます▼
最初は、よくあるカースト上位×カースト下位、幼なじみね、と思って読んでいたのですが、それだけではありません。この内容は、この漫画をBL漫画とだけ分類してしまうには惜しすぎるくらい、現代社会のルッキズム問題、自己肯定について向き合っています。問題への取り組み方、そしてストーリーラインへの組み込み方へのあまりの上手さに感動しすぎて、漫画の画面に投げキッスしました。この星五はBL漫画としての星です。自己啓発本としての星も付け足したい。ここまでの完成度でまとめあげた著者様の手腕に感服。
萌え語りをします。りりあ!!!!!!!!!!!最高…ッッッッア〜りりあ…竜って呼び捨てにしてた…気安いの最高…恵麻さん周りの方々が竜さんに落ちていくの、本当に可愛いくてたまらん。特にりりあん落ちパート(勝手に愛称で呼ぶキモ)脳に薬ぶち込まれたみたいに気持ちよくて、この先のBL展開に一瞬興味失っちゃった。りりあん、しかも姉なの良すぎる、良き姉やってんの良すぎる。
思春期的な悩みや迷いに足を取られて、他人を傷つける選択をしてしまったり、思い詰めて暴走してしまったり、逆に考えが及ばなくて間違えてしまったり、というのはあっても、完全に悪いだけの人というのは出てきません。そしてこのお話のいいところは、そういう人に対して安易な救いや許しの描写がないところです。当たり前なんですけどね、現実でだって、こうしたら正解とか、謝ったら全部帳消しなんてありえない。そういうシビアでリアルなところがありつつも、ロマンスものとしてロマンチックでドラマチックな部分も内包しているのがこのお話のスゴイところ。その体現が恵麻さんなんだな〜と読んでいて思いました。そしてそれを自分の感性で考えて言葉にして噛み砕いて読ませてくださるのが竜さん。お二方とも素晴らしい方です。尊敬。自分も見習わせていただきます。
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