キス&ネバークライ
」のレビュー

キス&ネバークライ

小川彌生

スケートと、トラウマ克服と、再生の物語

ネタバレ
2024年8月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「きみはペット」のような明るいノリでスポ根ものかと思って読み始めたら、みちるの過去の黒々とした闇が少しずつ見えてきて、正直なところ読むのが苦しかった(泣)。ダンドワコーチの絶妙な日本語間違いや、真顔のみちるが時々ボソッとかましてくるギャグに救いを感じながらなんとか最後まで読めました。自身の過去について堂々と公表したみちるは最高にカッコよかったし、最後にあのクズ継父にふさわしい引導を渡せたのは最高に気分良かった!数年前に、シンママ専用の某マッチングアプリが炎上して運用停止になったのは、まさにこのクズ継父みたいなのに連れ子を狙われる可能性があったからなんですよね(プロフィール登録欄で子供の年齢・性別も要登録だったから)。この作品は、華やかで厳しいアイスダンスの世界と同時に、踏みにじられたみちるの魂の再生の物語でもある。その過程はどちらも厳しく苦しいけど、どちらも報われて良かったと思います。
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