愛さないって言ったの公爵様じゃないですか ~変転オメガの予期せぬ契約結婚~
」のレビュー

愛さないって言ったの公爵様じゃないですか ~変転オメガの予期せぬ契約結婚~

村崎 樹/カワイチハル

様々なご都合主義が気になる

ネタバレ
2024年8月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ オメガに辟易としている公爵アルファ×薬学に長けた後にオメガ化するベータのカップリングです。
前半は星5、後半は星2という感想でした。設定の突拍子の無さはさておき、前半はベータとして育った受けの葛藤と攻めとの交流、その中で次第に育っていく愛や何気ないやりとり、みたいな部分は好きでした。しかし後半に関しては、ハッピーエンド大円満に持っていきたいがための事件発生感が否めなかったです。
後半は明らかに悪役な貴族の息子が受けに接触してきますが、いい子だから信じたいだとか友人となったとか駆け足で説明され、結局その子が加担した事で次元が起きます。そうしたかったのなら、その子は前半から伏線として友人になっておかないと後付け感があって気になります。
また、その事件も正直攻めも受けも怪しんでたんだから避けられるよね?という内容でしかなかったです。そしてもう少し調べたらわかることでは?という。しかもちょうどオメガ化が終わりかける頃は気をつけるべきでしかないのに。
そもそも事件を起こした貴族も軽率すぎでは?そんな事件を息子を使って起こしたら、たとえ成功しても確実に疑われて立場が悪くなるだけなのに。つめが甘すぎて…。

そしてそもそも受けが攻めに好かれそうな清廉潔白で優しくて、それでいて攻めを優しく守るようないい子ちゃんなので、気付けば攻めが途中から受けを大溺愛していくのもなんだか勿体ないです。もう少し二人の関係が拗れたままの方が面白いのでは。
最後は案の定攻めが助けに来て番になり…てなんだか諸々あまりにもななご都合主義感というか、5万回くらい読んだ話のようなお決まり感が、つまらなかったです。

前半はそれなりに好きでしたし、そもそもオメガ化を率先してする受けも新鮮でしたが、後半のド定番すぎる展開と後付け感が、前半の印象をも悪くしました。

文章は破綻なく読みやすいと思いますが、心に残らない話でしたので読み返すことはないと思います。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!