このレビューはネタバレを含みます▼
比賀勇司は妹の死の真相を知るために警察を辞め、名前を偽り若き企業家•志堂晟のボディガード志望として乗り込みます。複数の会社を経営する志堂は、実はヤクザの幹部で組長にも一目置かれる切れ者です。目つきが気に入らないと比賀はあっさりと一蹴されるのですが、車に乗り込もうとした志堂を狙う銃弾から身を挺して庇ったことから比賀は志堂の家で手当を受けることになります。自分に雇われたければベッドに来いと言われた比賀は困惑し逡巡するのですが、洗面台の小さな扉の奥に妹の写真を見つけて覚悟をきめるのでした。左の脚から尻にかけて巻き付く蛇と彼岸花の刺青を施した、線の細い志堂のエロシーンの艶めかしさが半端ないです。やがて比賀が忘れていた過去の二人の繋がりがわかってきます。妹想いのお兄ちゃんキャラで温かい明るさを持つ比賀に、都会の闇に浮かぶ月のような志堂、真逆な二人に多彩なキャラが絡みます。1巻で220頁越え(描き下ろしはSS)の物語はまだ序盤で、骨太なストーリーに様々な伏線やモチーフが散りばめられていてワクワクしました。