灯台守とかもめの子
」のレビュー

灯台守とかもめの子

吾妻香夜

BLの枠を超えた名作の予感

ネタバレ
2024年8月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「親愛なるジーンへ」シリーズで有名な、稀代のストーリーテラー・吾妻先生が描くファンタジーという事で、試し読み→即購入しました。
よく練られたストーリーと圧巻の描画力で、1巻にしてすでにBLの枠を超えているな!と思いました。

ある嵐の夜、灯台に辿り着いた小舟にいた死にかけのカモメの雛。
灯台守のエヴァンは雛を保護するが、一夜明けると雛は人型の子どもになっていた・・・という所から物語は始まります。
45日で成鳥になるカモメの雛のごとく、毎日凄まじいスピードで成長していく雛に、エヴァンは「ルネ」と名付け、親のように世話を焼いていくのですが、幼少期のルネの純粋さ・仕草や見た目の可愛さが想像以上で、読んでいてどんどん引き込まれました。
ワタワタしながらもルネを大事に育てるエヴァンも素敵。

紆余曲折を経て、翼を持つ鳥人間・ルネは島民にも受け入れられ、じょじょに世界を広げていくのですが、ルネの身体的な成長とともにエヴァンの見た目はどんどん若返っていき、物語のラストでは、老人だったエヴァンの見た目はついに青年のように・・・というところで1巻はおしまい。

1巻ではエヴァンとルネの間にBL要素は皆無ですが、おそらくエヴァンは過去に良い仲だったor密かに好きだった男性がいたのかな?と思わせる描写はあります。
あと、エヴァンの見た目が若返っていっているのは、ルネの成長にエヴァンの命が使われているからなのか?とも思ったり。。
カップルとして結ばれるエンドを必ずしも描かない吾妻先生なので、ひょっとしたら結ばれないラストもあり得るな〜と思いつつ、ハッピーエンドに期待して2巻以降を待ちます。

迷っている方は、是非とも買ってみてほしい!
きっと後悔はしません。
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