紙の舟で眠る【単行本版】
」のレビュー

紙の舟で眠る【単行本版】

八田てき

🎥📷📚

ネタバレ
2024年8月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 感嘆。言葉が出てきません。鮮やかで艶やかな筆致、緻密でいて奔放な構成、熱量の籠った文章。一頁捲る毎に情報の濁流に押し流されそうになるんですが、物語の芯がしっかりしていて骨太なので、見失わず読み切ることができました。すごいですね、圧巻でした。
何を言っても自分の中にある言葉だけだと陳腐になってしまう、けれど言葉にする努力を放棄するのは不誠実なのではないかと思ってしまって、書かなきゃと思って書いてるんですけどな〜〜〜〜〜んも書けることないわ。ウワーッスゲーッオモシレーッ!くらいですね。感想文なんですが自分にちょっと引いたシーンがあって、序盤の方に三上さんの写真を見て”生きている”と感じて北原さんが涙するシーンがあるのですが、自分もまだ最初の方なのにここまでで既にこの物語の生命性に圧倒されていて、感受性が爆発して同じように泣いてしまったんです。どんな物語にも生命の息吹が吹き込まれていますが、ここまで共鳴させられるものに出会えると、一瞬恐怖するんですね、驚きました。
あと読んでいて、小説みたいで写真みたいで映画みたいな漫画だな〜と思いながら読めるくらい、色んな媒体のエンタメ性が詰まっていると思います。だから読んでいてすごい楽しいんですけど、読み終えると疲れます笑 遊園地かもしれん。大はしゃぎでした。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!