美しいこと 【講談社版】
」のレビュー

美しいこと 【講談社版】

木原音瀬

ラスト一行まで切ない…

ネタバレ
2024年8月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 辛い苦しい切ないというレビューが多すぎて読むのを長いことためらっていた一冊です。『美しいこと』を読んだ限りでは確かに辛いという言葉しかありません。なんて苦しい恋なんだろうという感想しかないです。これまで数多のBLを読んできましたが、そのどれとも違いました。絆されてとか流されてとかのご都合主義的な甘さは一切なくストレートの男のあまりにも容赦ない拒絶だった。「こんな気持ちから早く助けて」と泣く松岡の心の叫びにも全く気づかない鈍感な寛末をズルいと思いました。ふんわりと余韻の残る美しいラストでしたが、でも現実はこんな美しいままで終われるはずはない。寛末はこの先自分の気持ちに一体どうやって折り合いをつけるつもりなのだろう。二人の心の真実を情け容赦なく暴いてほしいです。ここで終わってしまってはファンタジーです。シーモアさん、どうか続編の配信をよろしくお願いします。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!