だんドーン
」のレビュー

だんドーン

泰三子

幕末動乱から薩摩藩視点で

2024年8月16日
現状最新巻第4巻まで読了。「だんドーン」の語も本編中に出てきた。
ハコヅメが面白かった為に、また、本作の始まりにかけての泰三子先生ご自身の出来事とその後の編集の方との日々のことを読んでから、本作への期待は最高潮だった。
堅苦しさを外すことが主眼だったのか、生臭みや敵味方の出し抜き合いなどの激しさを緩和した感のあった助走状態の初期に比べて、次第に時代故の情勢の揺れが容赦なく登場人物達の強烈な短く太い人生描写になっていて、4巻に至っては私には読んでいてキツかった。更に混迷を深める維新前夜の日本を、いくらコメディと謳っていても実は流血不可避のエピソードを乗り越えて読み続けるか自信が無くなっている。読者層が青年向けであるからして内容に下ネタがこれ程あって受け入れられているのだろうが、実にその方面の題材がストーリーに結構大きく振られていること、そのことで、レビュー書くのに私は躊躇いも小さくなかった。
タカの存在も泰三子先生の創作力のお力と思うものの、多賀者、犬丸と家族エピなど考えるとウーム…複雑な印象。
川路の出番が相対的に薄まり、説明色強めになっているところも、単純に川路とその極周辺の川路から見た景色をもっと見たい私には何かが燻る。
まだこれからだと思いたい。が、同時に、横道に逸れた印象が強ければ次巻は柱はなんなのか、という意味では早くも正念場なのではないのかとの思いも強くしている。
星の数は故に暫定です。
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