りぼんの縁結び
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りぼんの縁結び

明生チナミ

頻繁に笑わされたが、どこか不憫さを誘う

2024年8月17日
裏目裏目に出て、それで当人の思いもよらぬ方向にどんどん話が膨らんでいく。口下手な女の子の巻き込まれ事件のスケールは遂にメディアにまで!
でも、皆に悪意はないので読んでいて面白さが勝手に出来上がっている感じ。
という、止めたいのに止まらぬ流れに、彼女は最後の最後は乗ってしまうが、その最後まで見事に付き添う加原クンにも不憫さがある。
思惑の擦れ違いばかりを見せつけられながら、結局は幸せを周囲にもたらしていくのだから、凄いことは凄い、そんな連鎖的な現象の目(中心地)に小結りぼんは居る。
目つきがギャグ漫画なのに、おかしみをもたらしながら当人は真面目、加原クンの空回りがストーリーの笑いに加担しているのに、もはや悲哀まで読み手の私は感じてしまう。
二人のやりとりは外形としては進展している体ながら、実態は加原クンの「やっとそこ?」の認知で始まったばかり(笑)。でも此処からスタートだ!
これは加原クンの努力が今後報われることを応援したくなる。1巻完結。
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