コッコとのこと
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コッコとのこと

三田六十

幸せな気持ちでいっぱいになりました

ネタバレ
2024年8月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ はじめて読む作家さん。新刊案内で見かけたかわいらしい表紙イラストが目について、あらすじを読んだらなんと雄鶏が卵を産みたいとあって、試し読みのコートに長靴、ポシェット姿のぴよちゃん(後のコッコちゃん)がかわいらしくて購入しました。
絵柄だけじゃありませんでした。ストーリーもとてもかわいらしく、心からほんわりふんわりしました。
コッコちゃんが純粋です。疑うことを知らなくて心配になります。そして遊び人(鶏)のオットさんが、コッコちゃんと出会い、共にする内に変わっていくのがよかったです。
第一子たまちゃん(無精卵)を亡くした悲しみに暮れたコッコちゃん──オットさんの涙に涙しました。自分の大事なものと引き換えに第二子を譲り受け、そしてこれまでとは違い大切なコッコちゃんと生きる決意をしたオットさん‥カッコいい。アリちゃん(実質第二子)を抱いて泣いた姿にもアリちゃんに初めて「ぱ」と呼ばれた喜びにも涙が出ました。アリちゃんのために空を飛んだコッコちゃん、川を泳いで助けにきたオットさん──雄鶏と雄鶏とワニでは本当の夫婦と親子にはなれないかもしれないけれど、家族にはなれます。心を寄せ合い、相手を思い合えばそれで家族です。そんな家族のお話でした。
きっとアリちゃんがもう少し大きくなったら三度目の卵が生まれることでしょう。そんな姿も見たいです。続きますように。
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