セックス・アンド・ワールズエンド【単行本版（電子限定描き下ろし付）】
成瀬一草
ふう
さん
(女性/60代～)
総レビュー数：155件
このレビューはネタバレを含みます▼
表紙の顔に惹かれたものの、この泉君。連帯保証人になる時点で、うつけかお人好しとわかります。やはり、顔が良いだけでは〜と思ったものの、逃げる根性だけはご立派。片や、闇金回収のまさおという男はプロだけあって、どこまでも追いかけます。で。追いつく度、二人はホテルヘ。何だかんだと口喧嘩しながらも、北の果てに着く頃には30年連れ添った夫婦のような空気感を醸して。うーん、二人共にストックホルム症候群に近いかな？それとも、不幸な生い立ちの共通からか？ある日、まさおが留守の時、泉は以前寝泊まりしていた女性の元から持ってきてしまった薬を捌く事を思い付きます。そんな事を思い付くこと自体、やはり大うつけ。ド素人がそんな事をしたら、案の定、その代償は大きくて。が。ここで闇金のお兄さん、ヒーローの如く登場。もう、愛ですねー。そっか、お金回収する側が、心を回収されてしまいましたか。更には泉の借金を清算した上、まさお君たら闇金業をきちんと辞めてきたと話します。おいおい、あの最悪の初対面からの、この濃いぃ〜流れは何ぞや？それでもラスト、二人が普通に生活している姿を見られて良かった。互いに負の部分を根こそぎひけらかし、後は良い部分を見つけるのみ。散々な出会いは、いつしか本物の愛に飛躍。これだから、人生って面白い。
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