思わせぶりな意味深導入部で一気に引き込む





2024年8月20日
本編を持っていてこっちは必要ないのにわざわざ読みに来てしまった。
高校生、夢や希望がこの先いっぱいあると外からは誰もが思いがち。
しかしその実内側に抱えているものが決して小さくない人も居る、ということを、そんな眩しいばかりの日を送っている訳ではない人も世の中には居ることを、もしもあの時知っていれば、との想いが物語を動かす。
半分ミステリアスな始まりから、やはり普通に終わったりしない超常現象的な要素を持つ話なのだが、改めてスターターブックとして本書を読んでみると、日常で何度もあるささやかだけれどその先の事を変えてしまう分岐点、もしも違う選択をしていたら?との思い返しが、忘れられない運命を形作ってしまう、未来からの苦い思い。過ぎてきた日々へ、やり直したい後悔や仲間の救済願望を映して、強い推進力のあるストーリーになった。
高野苺先生のはっきりした絵が、個々の高校生達の毎日をごく自然な日々として描く中に、誰しもとても身近な同級生にあったら抱くであろう想いの強さを重ねて印象を強くしていく。そして、彼はなぜ?と、その過去を受け止めた現在の仲間たちの姿が平行してあり、ある一時期のことが皆の心に影を残しながら今を生きているという前提で紡がれる。
その平行の状態は、それだけではなかったが。
若くから瑞々しい漫画で沢山の読者を牽引したお力が端々から見える作品。これ程上手いのに、クリエイターにとって良好な環境のキープというのは、大変なことだとつくづく痛感する。
高校生、夢や希望がこの先いっぱいあると外からは誰もが思いがち。
しかしその実内側に抱えているものが決して小さくない人も居る、ということを、そんな眩しいばかりの日を送っている訳ではない人も世の中には居ることを、もしもあの時知っていれば、との想いが物語を動かす。
半分ミステリアスな始まりから、やはり普通に終わったりしない超常現象的な要素を持つ話なのだが、改めてスターターブックとして本書を読んでみると、日常で何度もあるささやかだけれどその先の事を変えてしまう分岐点、もしも違う選択をしていたら?との思い返しが、忘れられない運命を形作ってしまう、未来からの苦い思い。過ぎてきた日々へ、やり直したい後悔や仲間の救済願望を映して、強い推進力のあるストーリーになった。
高野苺先生のはっきりした絵が、個々の高校生達の毎日をごく自然な日々として描く中に、誰しもとても身近な同級生にあったら抱くであろう想いの強さを重ねて印象を強くしていく。そして、彼はなぜ?と、その過去を受け止めた現在の仲間たちの姿が平行してあり、ある一時期のことが皆の心に影を残しながら今を生きているという前提で紡がれる。
その平行の状態は、それだけではなかったが。
若くから瑞々しい漫画で沢山の読者を牽引したお力が端々から見える作品。これ程上手いのに、クリエイターにとって良好な環境のキープというのは、大変なことだとつくづく痛感する。

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romance2 さん
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