蛍火艶夜 単話版
」のレビュー

蛍火艶夜 単話版

amase

単なるBLモノではない

ネタバレ
2024年8月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 人によっては、特攻隊が変な方へ解釈されていると不快感があるかもしれない。でも私はそうは思わなかった。
何せ色々な欲求のある年頃の少年たちだから。女性もいない、いつ出撃命令が出るのかわからない究極のストレス環境下。遠かれ早かれ死ぬのは確実。
実際どのような雰囲気だったのかわからないけど、楽しみが皆無に等しく、時には自分で「何やってんだか」って思いつつもやってしまうこともあっただろうと思う。一緒に生活するうちに相手が男性でも好きになってしまったり、「どうせ死ぬなら」で一晩だけハメを外したり。思春期の少年たちのリアルな部分が描かれている。
戦争が終わってもそれぞれ色々な思いがあって、素直に喜べない。それも戦争の惨いところ。生き残ったという自責の念に苛まれ、お父上お役に立てず申し訳ありませんと泣きながら叫んで自死する隊士の様子には胸が締め付けられる。

これは単なるBLモノではない。読んだ日は終戦記念日で、本当に色々考えさせられた。
いいねしたユーザ16人
レビューをシェアしよう!