太陽が見ている(かもしれないから)
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太陽が見ている(かもしれないから)

いくえみ綾

余韻

ネタバレ
2024年8月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初めていくえみ綾さんの漫画を読んだのは10代の頃でしたが、それから相当な年月が経ち、かなり久し振りにいくえみ作品を読み漁っていたところ、特に心に残った作品。(まだ全部読めてませんが)
日頃、ライトに読める漫画もたくさん読みますが、それらとは一線を画す、感情を揺さぶられながら読む手が止まらず、読み終わった後しばらく余韻が残り続けるような作品でした。でも決して重すぎる訳ではなく。
台詞、コマ割り、モノローグ全部が秀逸でいくえみワールドで、やっぱりレジェンド級の少女漫画家さんだなあとしみじみ思いました。
家庭環境に恵まれない楡、日帆、岬の3人がそれぞれを必要とし大切に思いながらも、同時にマイナスの感情も知っていく。複雑な関係性と感情が変化しながら、ラストは行き着くべき場所に辿り着けたのかな。
最終話の楡の穏やかで満ち足りた表情が印象的で、そこに至るまでの過程があったからこその、初めて見せる表情にグッときました。あと、飯島兄弟がいい奴すぎた。
何回も読みたい素晴らしい作品。
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