優しすぎる世界

内容は、『奴隷少女を引き取って幸せにする話』の現代バージョン。
まず最初に、現実感を求める人には不向き。世界の悪意がオブラートに包むどころか本来は悪意なんてどこにもないよと言わんばかりの善性で作品が埋め尽くされていて、まさにハートフルとラブしかないストーリー。それが売りで魅力に感じている人も多いのは理解しているが、自分としてはヒロインの実母が本当は的な展開で冷めてしまった感が否めなかった。いやお前は栄養失調気味の少女を山に捨てとるんだが？ 殺人未遂なんだが？ その事情にしてもお前の責任感の無い行動が招いた結果でしかないんだが？ 実の娘をネグレクトしてポイ捨てする理由には到底ならんと思うのだが？ なんで実はいい人的展開になるのか理解できないんだが？
とにかくハートフルでラブしかない内容。残酷な現実的展開とか心の傷を乗り越えるとかの展開は皆無で、大人なシーンも寸止めレベルなのでそういった濃密な描写を求める人には不向き。
まぁ、この系統の話は不幸な状況下の少女が幸せになっていく過程を愛でるのが主題なので、そういう意味合いにおいては十分に需要を満たせる作品。