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今月(10月1日~10月31日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 魔法少女ダンデライオン

    水帆かえる

    大人向け正統魔法少女
    2025年10月5日
    純粋な一人の少女が残酷で凄惨な現実に夢と希望と優しさで奇跡を起こすファンタジー。大人向けにアレンジされた、正統熱血魔法少女もの。
    魔法少女ものとして非常に映える作画に、光と影で画面が引き締まる主人公バディの二人の活躍は、高クオリティのアニメーションを見ているような錯覚を受ける。ストーリーも正統派魔法少女ものの王道にして、主人公の年齢を上げてダークなテイストを盛り込むことで大人が読んでも十二分に楽しめる内容になっている。
    ここまで純粋に正統に王道を楽しめる作品はなかなか久しぶりな感じ。おススメ。
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  • 月輪に斬り咲く

    丸山朝ヲ

    設定と展開の骨組みは良
    2025年10月4日
    エログロやるならもっと振り切って描かないと、非常に中途半端なものになる好例。
    序盤の展開で顕著で、エロっぽく台詞や行動を見せているが、実際は全くそういった行為は描写されない。ただスプラッタなだけ。
    エログロ系和風伝奇もの成人向けゲームからそれを構成する魅力的な要素の大半を削り落とした感じ。中途半端故にエロを推している、あるいは必然さを感じさせないエログロ、といった印象になってしまっているように思う。
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  • 稀代の悪女、三度目の人生で【無才無能】を楽しむ

    嵐華子(カドカワBOOKS/KADOKAWA刊)/昴カズサ/八美☆わん

    ガチで無能
    2025年10月3日
    本当に有能ならそこそこの成績でそこそこの振る舞いをして波も風も立たせることなく無難で平穏な日常を過ごすよ。
    無才無能を演じて得していることが一切ないのにドヤ顔で「私は今の状態に不満はなくってよ」と言ったところで不便な生活と落ち着かない食事と無数のトラブルが舞い込んできてるわけなので、ガチで無能としか評価しようがない。自己保身と無責任の極致。トラブルマッチポンプ。某揺るがない悪役令嬢のベルなんとかさんを見習ってほしい。
    コメディにしたいのか真面目に話を展開したいのかよくわからない構成なのも個人的には辛い。笑えない。笑ってるのはヒロインだけ。シリアスな話で再構成したら面白そうではあるのだが……。
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  • 超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!

    海空りく(GA文庫/SBクリエイティブ刊)/山田こたろ/さくらねこ

    青年漫画としての評価
    2025年10月2日
    主人公たちの設定が完全に小学校低学年の『ぼくがかんがえたさいきょうのちょうこうこうせいななにん』なため、現実味が全く存在しない。
    この7人の能力が総じて異能な上、整合性や各能力ジャンルへの深い造詣も考察もない状態であるため、青年漫画としての体を成していない。コ○コ○とかボ○ボ○とかに載ってる作品だというのなら理解できるのだが……。
    高校生で、人脈も資金力も社会的地位も皆無に近いであろう年齢で、なぜ劇中のような縦横無尽の活躍と社会的地位を獲得しているのかも意味不明。まぁ銃器が常備されそこそこの頻度で使用されているような世界観なので、被選挙権とか医師免許とか旅券とか入国管理とかない無法世界なんだろう。平和に見えるがやべー世界なのであろう。知らんけど。
    せめてきちんと商才をもって商売したり、きちんとまともな奇術でなんとかしたり、まともに政治・交渉・人心掌握したりしてくれれば良かったが、全てなんとなくのイメージでごり押しされる感じなので、作画良好で異世界の女の子が可愛いのが救いとしか感想はない。
    対象年齢低、あるいは頭空っぽにして主人公たちスゲーして読む作品。
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  • 16年目の復讐~奴らを地獄に送るまで【電子単行本版】

    桜宇宙/FTops

    無駄要素を省いた良質復讐もの
    2025年10月1日
    変に長引かせたり尺稼ぎで引っ張ったりすることなく順調に復讐劇を展開してくれる、比較的稀有な作品。
    復讐対象者たちも、いい感じにギリギリ現実味のある最低のゲスクズを上手いこと描いているため、復讐シーンに対して爽快感すらある。
    第三者・他関係者の介入や相手の社会的立場等からくる復讐の異常な難度等の間延びするような要素が無い点も良。
    勢いのある復讐ものとして良作。
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  • セイ少女黙示録 ですぺあ

    中村汚濁

    圧倒的少女感
    2025年9月30日
    この年代特有の、自身を含めた世界に対する嫌悪感・拒否感・虚無感・無力感に、中二病的妄想の中で浸る全能感・無敵感・支配感。
    現実で相対している絶望から目を逸らす感覚。中二病的言動を繰り返したり、世界に対してひどく冷めて達観している風な態度をとったり……、と、非常に解像度の高い思春期の姿の一端が描かれる。
    果たして残酷な現実が夢叶う妄想に浸食されたのか? それとも逃避先の妄想が絶望的現実に浸食されたのか?
    今は廃れた中二病的セカイ系物語の雰囲気が強く想起される、懐かしくも新しい怪作。
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  • 帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline

    平野稜二/経験値/TYPE-MOON

    非常に良質のFate異聞
    2025年9月26日
    Fateシリーズはその規模が強大になりすぎた弊害として、元のFateのみならずその周辺作品に至るまでの予備知識の有無、あるいは事前履修の必要性等から十全に作品を楽しむための敷居は思いの外高い。
    しかしながらこの作品はこの作品単体でFateとしての面白さを十全に楽しむことができる稀有な作品である。完全に完璧にこの作品『のみ』で万事完結しているため、予備知識や履修を全く必要としないといっても過言ではない。それでいてFateらしさを全く損なうことなく、Fateシリーズとして素晴らしく面白いエンターテインメントとして成立しているというある意味奇跡の傑作異聞。
    Fateシリーズが好きな人も、Fateシリーズに初めて触れる人も双方が楽しめるおススメ作品。
  • ウスズミの果て

    岩宗治生

    圧倒的な世界観描写力
    2025年9月24日
    背景・機械・小道具類の圧倒的な描写力と描き込みにより、人類が滅亡した後の荒廃していく廃墟群の退廃が鮮やかに描かれる。漫画で背景描写に圧倒される体験は結構貴重で稀少。
    その偏執的といってもいい描写力により描き出される世界観も圧倒的で、説明が不要になるレベルで『絵』の醸し出す『雰囲気』による情報量がものすごい。
    ストーリーや登場人物達の描写ももちろん良いのだが、やはり特筆すべきは背景の廃墟群や朽ち行く機械群、緩やかに劣化していくロボットたちの姿だろう。
    過行くものの大きさ故の虚しさと滅びの中で明日へと進み繋いでいくささやかな希望が圧倒的背景描写によって描かれる傑作。
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  • 10年越しの復讐

    miyamon/テラーノベル

    暴力描写が凄惨な凡作復讐もの
    ネタバレ
    2025年9月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 容赦なく生々しい凄惨な暴力描写があるため、嫌悪感や気分が悪くなる人は要注意な作品。
    内容は比較的無難な復讐もの。良作の毛はあると思うが、いかんせんとりあえずの復讐対象者3名男が皆小者臭がすごく、ゲスを絵にかいたような三下であるため、微妙に物足りない。その三下ゲス級の始末にそこそこ時間をかけてしっかり描写しているため、テンポも悪い。それぞれの復讐の結末も誘導されてはいるものの自業自得の自滅であるため、やや満足感に欠ける。
    2巻現在今後の展開に期待状態だが、現状はそこそこ面白げな復讐ものの凡作レベル。
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  • 死にたくないので、全力で媚びたら溺愛されました!(コミック)

    ムネヤマヨシミ/夕立悠理

    ラブコメとしてバランスがとても良い
    ネタバレ
    2025年9月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ コメディとシリアスのバランスとか進行のテンポとかのバランスがいい。
    作画もかわいらしく安定しており、きつね形態がちょっと残念な点が残念ではあるが、総合的には高クオリティで面白い。ガバい所はコメディとして流せる構成になっているため、かなり読みやすい。
    ゲーム世界転移系悲劇回避ものとしては、なかなか珍しい回避の方向性をしており、そこから両片思いのすれ違いみたいな感じに展開していくのもラブコメとして成功している印象。
    また、これは狙ってるのか不明だが、クライマックスの展開が某鬼嫁の設定の皮肉パロをやっている気がしてならない。狐と鬼、みつけた――俺の花嫁発言等々、そのように意識して読むとかなり皮肉が効いているのだが……?
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  • あやかしの葬儀屋

    あおたゆきこ

    合わないととことん合わないと思う
    2025年9月20日
    『葬儀』という『死』に向き合う必要がある暗いテーマを取り扱う上、あやかしを憎みあるいは搾取して迫害する数の弱者たる人間と、人間をあるいは異端を蔑み意識無意識双方で差別する選民意識が刷り込まれたあやかし達、という世界観。
    そんな環境である故に基本的にどのエピソードも嫌な雰囲気と後味の悪さが舌の奥に苦みとして常に残る作風。
    欲望・恐怖・軽蔑・差別・搾取・迫害等の大多数の嫌な空気の中に一つまみの奇麗な感情が見えるが、なんか悉く奇麗な者たちが浮かばれないことがはっきり描かれる渋い展開。
    良い物語ではあると思うが、上記のように物語の底に流れる嫌な暗さと、派手さや盛り上がりに乏しい淡々とした進行で、合わない人はとことん合わないと思う作品。
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  • 異形頭さんとニンゲンちゃん

    三毛たま

    深い世界観の設定とかを勘ぐる人には不向き
    2025年9月19日
    物語の根本に関する設定について、自分には『異形頭』と『人間』の区別がつかなかった。
    『異形頭』は様々な外見・構造の頭部を有する、極めて個体差の激しい種族なのだと思われるが、それと『人間』の頭部を持つ存在の違いはどこなのか? どう考えても、両者に違いなんてない。『人間』は『人間の頭部』を持った『異形頭』でしかないはずである。
    この根本部分で釈然としない世界観であることに加え、そこを強引に飲み込んで話を読もうとしても、今度は相手の異形頭の男が人権も認められない様な異種に対して即落ちレベルで恋愛感情を抱き欲情する異常性愛者という事実が突き刺さる。
    とにかく異種族間恋愛ものとしてのクオリティが低い。設定が甘い。異形頭である必然性が、ない。見えない二人の話とかリストなルージュとかに比べると、ただの傷心女性を魅力的な男性が拾いあげて溺愛していく話の一種でしかない。そういった系統の話として読めば、平凡ではあるがまだ面白味はある。
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  • どうか君に暴かれたい

    星樹スズカ

    注)せいへきをゆがめるたぐいのものゆえ
    2025年9月18日
    男の娘(女装男子)とBLとのあわいを際どい絶妙な塩梅で行き来する。
    耽美な作画で女装男子の煌びやかで艶やかな魅力が描かれる合間にBLの極めて生々しい性描写が差し込まれる。物語も非常に凝っており、女装男子との禁断の関係だけで終わらない総合的な魅力を放っている作品。
    捻れ歪んだ泥濘のような愛情とも執着ともつかない何か。
    『男×男』という理由だけで切ってしまうのは早計。恐らく、読んで損はない。
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  • デリヲの推しごと

    青島小虎

    良いハートフルだとは思う
    2025年9月17日
    内容も、境遇は違うが初めてオタ趣味を存分に語り合って分かち合える同類を得た二人が少しずつ前に進んでいく話で、普通に面白いは面白い。クオリティの高いTVドラマみたいな印象。物語だけを読む場合は、良作の部類。
    問題点、二人の推し活のメインとなるエロゲの設定のクオリティが極めて低い。作り込みが甘いというか、劇中のようなゲームは存在し得ないといっていいレベルの代物。画面付けたら自動で進行? 解放条件が厳しいレアHイベント? 何かを全部カンストしないと解放されないルート? このゲームってブラウザゲームというわけではないんよな? 10年前に発売したゲームってことなので売り切りタイプのエロゲよな? ということはパソコンのソフトよな? ということは画面が消えてた裏でずっとゲームを自動送りしてたってこと? どんな状況? 発売が10年前ならルート攻略・フラグの立て方等はもう確立されてるはずだし、下手すれば公式から難易度修正パッチが出てる可能性すら……? ちょっとリアリティなさすぎと言うか、エロゲというものに関する解像度が著しく低いんだろうな、という感じ。たぶんやったことある人が製作サイドに存在していないんだろう。
    正直、二人のハートフルな人間ドラマはかなり面白いのだが、上記のように二人がこの関係を築くにあたっての重要な要素の作り込みがこれだと、かなり萎える。まぁ、エロゲというものを知らない人からすれば何を言ってんだ的な感じだろうが……。
    重ねて言うが、二人のドラマとしてのみで読むならば良作。作中エロゲの設定作り込みが恐ろしく甘々なだけ。その点で考えると、某着せ替え人形は上手く作り込んでたんだなぁと思う。
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  • イトミミズ

    ふじもとこっち

    人間の嫌な面特化
    2025年9月16日
    クソな環境、クソな住人、クソな学友、クソな主人公。自分本位享楽刹那主義、閉鎖的な地獄。
    最悪な環境にいると隣の芝は限りなく碧く光り輝いて見えるが、実際そこへ脱出してみれば別の最低な場所でしかなかった、という話。
    とにかく人間という生き物の、個人集団問わず最低で最悪でクソな側面しか描かれないみたいなマンガ。
    ただし、引き込まれたら最後まで一気に読み進めてしまうような作品で、物語としての吸引力はなかなか強い。
    嫌な感じに読み始め、最悪な気分で読み進み、読んだ後の後味は非情なまでに苦い。
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  • ギャル嫁の秘密

    クドゥー

    ご都合はあるもののかねがね良好
    2025年9月15日
    地味オタ系と派手ギャルカップルの不愉快な部分を切除した感じの夫婦ラブコメで、なかなか良い。
    二人がすでにくっついており、不快なライバル枠がただの出歯亀横恋慕雑魚枠でしかなく、撃退イベントか嫉妬シーンにしかならないため、無駄なストレスなく気持ちよく読み進められる。
    妻は大好きな夫以外は塩、夫も外見からの印象に反して有能で分相応な自信も有り普通にかっこいいため、安心感と安定感が高い。なろうの無双系にも似た爽快感も有り、読んでいて不快感が無いのが特徴の良作。
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  • 人間一生図巻

    いがらしみきお

    すごい作品
    2025年9月14日
    平凡な、あるいは劇的な人物の人生を、各話一人ずつ語っていく内容。
    一人ずつ、とりたてて凝った演出もなく、生まれ、淡々とその人生で起こった事実のみが描かれ、没していく。
    中には人と隔絶した体験や価値観、信仰等を持った人物もいるが、結局最後は一人の人間として平凡に終わっていく。
    多種多様な人生の始まりから終わりまで事実のみ淡々と語られる『だけ』の作品だが、なぜかひどく心に響いてくる。重く沈むような、あるいはどこか救われたような独特の読後感がある。
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  • 高校時代に傲慢だった女王様との同棲生活は意外と居心地が悪くない

    ミソネタ・ドザえもん/兎川律/ユーキあきら/ゆがー

    意外と悪くない
    2025年9月13日
    本作のような『困っている女の子を助けたら同棲まがいのお近づきになれた』系の作品は、その多くがファンタジーに適度なリアリティを纏わせることに失敗しているが、本作は何ときちんと成功しているレアケースである。
    年齢を大学生まで引き上げたことで独り暮らししていることの無理さを無くし、ヒロインがガチにDVされているという状況によってガチで命を助けるという状況を作り出し、そんな状況のヒロインに対し割と真面目に救助の回答である『現環境から無理やりにでも引き剝がす』ということを実行するために主人公の家にかくまう、という、かなりしっかりとした現実味という名の外殻を着せることに成功している。
    DV被害者という設定によってヒロインは疑似的に天涯孤独状態になっているし、家事もDV男に仕込まれた、従順に尽くす系になっているのもDVのせい、等、かなり上手いこと納得を成立させている。
    今後に期待を込めて☆4。
  • ソウナンですか?

    岡本健太郎/さがら梨々

    遭難サバイバル系暫定トップ
    2025年9月12日
    無人島っぽい環境での美少女いっぱいサバイバル作品群の中では、最もまともで面白い作品。
    他作品に多い現実に近い異世界遭難ではなく現実でのリアル遭難ということもあるが、劇中の状況やサバイバル技術等々がかなりリアルで生々しいため、普通に遭難時の参考にできると思われる。その過剰ともいえるリアルな生々しさを可愛い女の子が、ともすればコメディチックにこなしていく姿で描くことにより上手いこと緩和している。他作品ではサバイバルの内容がほぼほぼ参考にならんかったり、女の子たちが主人公スゲー係やお色気ハーレム要員にしかなっていないことが多いが、本作は少女たちが自らサバイバルすることで内容のリアリティを損なわずにフィクション感を出すことに成功している点が秀逸。
    普通に危機的状況に陥ったりするし、反面コメディチックな日常パートがほほえまし気に描かれたりと、緩急のバランスもいい。ポップでキュートにガチ目のリアルサバイバルが描かれる良作。
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  • デスゲーム漫画の黒幕殺人鬼の妹に転生して失敗した

    ぺぷ/稲井田そう

    秀逸
    2025年9月11日
    『サイコパスの心情の変化及び恋愛心理描写』という点において、他作品とは隔絶したクオリティの作品。
    他者に対する暴力的欲求を有する明らかな反社会的人格障碍者が、ヒロイン(主人公)の行動によっていかにその内面・興味と欲求の方向が変化していったか、が緻密に描かれる。この点においては傑作の域。
    とにかくサイコパスである兄の描写がすごい。他者の心を一切理解・共感できない感じが凄まじくリアルに描写されている。巷に溢れるただ単にセンセーショナルな疑似サイコパスとは違うガチな感じを味わえる。おススメ。
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  • 嫌われ魔女と体が入れ替わったけれど、私は今日も元気に暮らしています!【電子単行本】

    十悠/江本マシメサ

    序盤の展開は面白い
    2025年9月10日
    ただ、その序盤を過ぎると、ありきたりなスローライフお仕事チートもの。入れ替わった後に主人公側の視点でしか物語が描かれないため、入れ替わりものとしての面白さはかなり低い。悪役令嬢の中身に善良な人格者が転生した話と状況が変わらないのが残念な点。
    作画が奇麗で設定が少し変わったただののんびりスローライフもの。悪くはないが、特筆して面白くもない内容の平凡な良作寄り作品。
  • 198∞ ーイチ・キュウ・ハチ・ハチー

    筒井康介/こっぽり生ビール

    内容は確実に面白い
    2025年9月9日
    いわゆる、登場人物たちは完全にまじめで命懸けなのだが、絵面や各単語を切り取ってみるとギャグになる、というシュールなシリアスギャグをガチでやっている作品。ストーリー自体はいたってシリアスで、展開もかなりグロい。
    謎や伏線が面白い感じにばら撒かれ、巻末次巻予告も大いに煽っている状態の上で、2025年9月時点で続きの情報はない。何のアナウンスもないので、体調不良なのかプライベート上の都合なのかただやる気がないのか判断できない。一読者からすれば、2巻が出るのか未完にするのかはっきりして欲しい。
    とにかく2年以上にわたって2巻が出ていないため、これから読み始めることはとてもお勧めできない状況にあるが、1巻の内容自体は面白く、☆4相当はある。
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  • 透明男と人間女~そのうち夫婦になるふたり~

    岩飛猫

    癖満載王道恋愛もの。約束された大団円
    2025年9月8日
    自立した大人の男女の、初々しい浮ついた恋愛、という稀有な状況を描く傑作であり、異種間恋愛、獣人や同性愛・体格差等の所によりニッチな癖をふんだんにばら撒いた世界観の稀少な傑作でもある。
    また、優しい世界でありながら言葉の端々に暗い現実が垣間見える点(透明人間に向けられる偏見や疑念・恐怖、盲目者に向けられるたわいない悪意、長命種が過去に戦争参加していた云々)が設定・世界観の奥深さに寄与している。
    思わずにやけてしまうような激甘いやり取りに、特殊な種族・境遇ゆえの感覚の違いやトラウマを二人で少しずつ乗り越え進んでいく感じがとても良い。
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  • 獣上司に実は認められていた話

    しろいぬ

    試し読みのみ
    2025年9月7日
    申し訳ないのだが、試し読みしてこの作品を購入するか、となると、自分は否だった。
    とにかく導入が悪い。人間がどう立場が弱く迫害されており、主人公が見出されるに値する優秀さをどんな形で有しているのかということを、物語の始まりにおいて重要な部分、ストーリーが動き出す原因となる世界観を、たった1コマか2コマで終わらせるのである。
    結局描きたいのは獣上司が主人公を事実上溺愛するというスパダリものか、という感じで、そのためかエピソードがとにかく芝居臭く、はっきり言ってしまえば幼稚。成熟した大人の男女とは思えないともすれば気持ちの悪い言動・やり取り。人形劇めいて、各キャラクターに深みがない。
    個人的にはこの作品内の世界観をもっときちんと説明して欲しい感じなのである。試し読み部分からは、『獣人』を『貴族』とかに変えても全く問題ない程度の無意味設定でしかないように感じた。
    あと、第1話序盤で主人公視点で内面描写してたのに唐突に獣人上司の内面描写に切り替わったりするのが非常に読んでいて違和感がすごく気持ち悪かった。
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  • チェンソーマン

    藤本タツキ

    1巻途中までのみ評価
    2025年9月6日
    漫画に映画的演出、というのはストーリー漫画の原点的発想だが、この作品は個人的には悪い方向に映画的だなと感じた。
    絵に勢いはあるが、漫画的な流れとしての動的迫力に著しく欠けている。一つ一つのコマ(シーン)を切り取れば迫力や見栄えの良さがあるが、一連の物語の流れとして見るとダメ。コマとコマが分断されており、動きが遮断されている。低予算映画の、特にあまり編集が上手いとは言えない映画の悪いところを切り出したような印象。
    しかも線が雑。頭で思い描いている理想に明らかに実際の画が追い付いていないことが素人目にも分かる。
    話は面白くなくはない。なんかB級グロ映画のシリーズものみたいな感じ、といえば判りやすい。
    総じてシリーズものB級グロ映画のマンガバージョンという評価が妥当だと思う。好きな人は好き。コアなファンはいる。そんな感じ。自分は、1巻途中で面白さがよくわからず離脱。
  • いとなみ いとなめず

    水瀬マユ

    いとなみ関連以外は面白い
    2025年9月5日
    個人的には新婚夫婦の穏やかな日常、だけの作品だったらありきたりだが良かったと思う。実際二人の暮らし描いたシーンはほのぼのとしていてなかなか良い雰囲気である。
    いとなみ関連の展開になる度に、前とやってることや思考が真逆だったりする。イライラする段階にまでやばいくらいにもどかしい。序盤ヒロインは結婚という行為に対する生々しい方面の覚悟がないし性知識だけが都合よく抜け落ちている。主人公は男子中学生並みの思考回路でがっつくわりに度胸はない。なんだかんだ理由を付けてお互いに交代で逃げ回っているようにか見えん。夫婦そろって性方面だけ都合よく無知で幼稚で不器用なのが、ピュアとか純情とか言われるものなのか甚だ疑問。
    お互い初体験で一大イベントになるのは理解できるが、単行本10冊かけるほどではないと思う。ちなみに、完結後の追加エピソードが連載中だが、内容が完全に成人向けいちゃらぶ新婚ものに変貌している。穏やかで微笑ましい感じの日常から地続きでいちゃいちゃいとなむ感じは意外と悪くないので、さっさとこの路線にしてた方がいかったのではないか?
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  • サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと

    桟とび/依空まつり/藤実なんな

    各要素を上手く調理した良作
    2025年9月4日
    実力を隠しての潜入もの、学園チート無双風の、無自覚無双風、一つまみの悪役令嬢要素やお仕事もの要素をブレンドしたファンタジーもの謎解きもあるよ作品。
    他でよく見る実力を隠す(隠してない)とか、自身の能力や立場を全く自覚してない(なんかやっちゃいました? 系)とかのうんざりする要素がまるっと削り落とされ、各要素の美味しいところが上手いこと調理・配合されており、非常に面白い。各登場人物にそれぞれの人生と背景があり、各シーンでの言動や各キャラクターの性格に納得できる原因・理由が存在し、そのためちゃんと生きて独立した人間として描かれていることも大きい。
    王道的な物語ながらもしっかりと独自性が感じられるおススメ作品。
  • 未熟なふたりでございますが

    カワハラ恋

    同棲から始まってるなら評価は違うと思う
    2025年9月3日
    夫婦だろ? 意味わからん、としか思えない序盤である。
    どちらかの致命的トラウマとか物理的に不可能とかの明確に無理な理由なんかは当然の如く存在せず、恥ずいから、とか、ただの幼稚な意地、とかでここまでいたさないとか、お花畑絵本の世界か? としか……。しかもこの二人、幼稚園からの幼馴染なんだぜ? 信じられるか? 思春期真っ盛りの時をこの状態で乗り越えてるんだぜ? ラプンツェルみたいな御伽噺でも子供が生まれるって言うのにな……。
    同棲して、結婚が決まった、高校あたりは距離が離れてた幼馴染、あたりの設定・状態から物語が始まってれば、まだよかった感はあるか? 幼馴染でずっと一緒でお互い好き合ってて結婚したような間柄で未だに経験無し、とか、ちょっと現実からかけ離れすぎている。なんか身体と知識だけ大人の小学低学年程度の精神の様相。クーデレな嫁がそれなりに可愛いのが救い。
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  • 復讐教室

    山崎烏/要龍

    展開自体は復讐もののテンプレお手本
    ネタバレ
    2025年9月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 序盤から中盤、終盤へ至るまで、とにかくテンポよく面白い感じのテンプレ復讐劇が展開してくれるため、この類の話が好きなら言い方は悪いが小気味よく読み進めていける感じの良作ではある。
    ただし、登場人物の一人でラスボス候補にもなったような不良の頭的な男の性格や設定がぶれすぎ問題がでかい。あと黒幕の動機が見当違いの狂った復讐というのも、個人的にはなんだかなぁ状態ではあった。
    あと、『復讐してすっきりしよ☆』な話ではなく『人を呪わば穴二つ』的な因果応報復讐は次の復讐を有む感じの陰鬱悲劇系作品なので、注意。あと、登場人物が皆(いい人描写されている人物も全員)自分本位で自己完結して一人で結論を出し、好き勝手に単独行動する奴ばかりなので、その点も注意。
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  • ハガネとわかば

    キザキ/渡辺こよ

    素晴らし良すぎ
    2025年9月1日
    夫婦いちゃこら日常系でもかなり屈指の出来な傑作。まぁこの系統の作品は個々の読者の好みに刺さるかどうが大きいため、かなり主観の入った評価ではあるが…。
    まずちゃんと体格差カップルしてる。ヒロインがきちんと年齢相応な小柄で細身の女性をしている。
    そしてきちんと夫婦している。らぶらぶな幸せ新婚一年目をしている。どういうことかと言うと、きちんと夫婦の営みを前提とした会話や行動をしている。この手の類の新婚ものではなぜか結婚したはいいもののそういった行為が未だない、みたいな意味不明な設定のものが存在するが(きちんと重大な理由がある場合は良いが、大抵そんなものはない)、本作はきちんといちゃらぶした健全な夫婦関係を構築している。
    とにかく内容全部が貴重で尊い。個人的嗜好を抜きにしても、夫婦いちゃこらものとしてクオリティが高い作品だと思う。
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  • 降り積もれ孤独な死よ

    井龍一/伊藤翔太

    風呂敷を広げすぎというか……
    2025年8月31日
    風呂敷を広げて畳みかけたら違う風呂敷が糸でつながっててそっちを畳みかけたらまた……、を繰り返している感じ。
    一応各エピソードは繋がってはいるものの、読み進めていくほどに「当初・以前はどんな事件で誰が登場人物だったっけ?」という症状が進行していく。
    結局物語の序盤で提示されている謎は次から次へと芋づる式に別の事件・別の舞台・別の時間軸へと引きずり込まれ、回答は先延ばし。というか、第二部以降の過去編って日誌読んでる体で始まったはずだよなぁ…、その後ちらとも出てない気がするが…。途中でさすがに必要だと思ってか載るようになった人物相関図でも、9巻で現代編登場人物が除外されてしまっている。これはもはや最初の話とは別作品なのである。
    1巻ずつ間を開けてちまちま読んでいても以前の話や設定が複雑難解冗長なため覚えておらずわけわかめなため、完結してからまとめて一気に読むのが正しいような気がする作品。ただ、この選択をすると中途半端な作品は打ち切られるのが心配だが…。
  • 無口な公爵令嬢と冷徹な皇帝 ~前世拾った子供が皇帝になっていました~

    押川いい/ベキオ/藤未都也

    上手く纏まった良作
    2025年8月30日
    読みやすく無難に纏めてアレンジされたシンデレラ、あるいは美女と野獣、もしくは醜いアヒルの子。
    典型的な『心の清らかな醜い、あるいは汚い存在がその高潔さや血統によって美しく姿を変えて報われる変身譚』で、そこに異世界・悪役令嬢的展開や転生といった要素を上手く融合した良作。
    ただ、前述の作品例からもわかる通り最終的にルッキズム至上主義・血統第一主義的側面が存在するため、そういった要素に敏感な方は程度の差はあるが不快感を抱く可能性があるため、注意。
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  • 動物人間

    岡田卓也

    1巻は☆4
    ネタバレ
    2025年8月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 巻を重ねるごとに1巻の時の衝撃や特異な後味はなくなってしまうのが残念。
    2巻でショッキング展開だのみに寄ったホラーになり、3巻は平凡な怪物アクションホラーになった感じで、1巻の何とも言えない独特の不快感、理屈では理解しても感覚が拒否するような読後感は希釈されてしまっている。
    現状ショッキングなグロ作品へと順調に舵を切っている感があり、1巻の路線が復活しなければ総合評価はショッキングでグロいだけの凡作になりそうな雰囲気の作品。
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  • ボーイッシュ彼女が可愛すぎる

    牛乳麦ご飯

    個人的には……
    2025年8月25日
    こういった単ヒロインラブコメ系はヒロイン(と恋人との関係性)の魅力が刺さるか刺さらないかが個人的評価に大きく影響するものと思うが、この作品は自分にはいまいち刺さらなかった。
    本作のヒロインはどちらかというと腕白・ガサツ寄りのボーイッシュであり、中世的な魅力とか外見と内面・仕草とのギャップといった要素が控えめ。男友達→恋人への関係性・心情の初々しい変化が好きならば刺さりやすいと思うが、悪く言えば幼稚な照れ合いに終始しがち。ボーイッシュな振る舞いの隙間に垣間見える少女の奥ゆかしさとかを感じられる場面はほぼほぼない。
    本当に、単純に、ヒロインが個人的に刺さらなかった作品。
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  • 追放上等! 天才聖女のわたくしは、どこでだろうと輝けますので。

    包実らっぷ/佐倉紫/soy太郎

    展開が性急
    2025年8月23日
    冒頭の主人公が事実上の追放されるシーンはテンポよくいい感じの展開であったが……。
    その後のストーリーが性急に過ぎる。各キャラクターの人となりとか、出会いとか、信頼関係や絆なんかを深めていく過程とか、心情の変化とか、ほぼほぼ存在しない。一切合切かっ飛ばして進行する。一足飛びどころか八艘飛びである。
    これはテンポがいいとか展開が速いとかでは決してない。描写不足、である。
    丁寧にがっつり詳しく描こうとすれば、1巻の内容は2~3冊分になるかくらいの印象である。圧縮しすぎ。
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  • 「あのとき助けていただいたモンスター娘です。」異世界おっさん教師 突然のモテ期に困惑する

    沖ノ輔

    モン娘はかわいい
    2025年8月18日
    しかし、主人公含めて男性陣がことごとく不快。
    主人公、なんか理由はあるんだろうが教師として長年やってるとは思えない無気力さと責任感のなさ。1巻はだいぶましだったが、2巻は見るに堪えないレベル。実は生徒思いで強くて尊敬に値する人格者、ではなく、ガチで生徒のことだいぶどうでもいい無気力無責任事なかれ主義としか読めないのは大問題。主人公としての魅力を切り落とすような描写しかない。
    周囲のわき役も悉くイライラ不愉快キャラのテンプレのような描写で、本気でモン娘かわいい以外のシーンが苦痛。モン娘の魅力のみで成立している作品。2巻の現状ギリ☆3。
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  • 君と綴るうたかた

    ゆあま

    傑作
    ネタバレ
    2025年8月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 喜びと切なさと苦しさと辛さと悲しさと幸せと、恋というもの全てが詰まったような物語。
    6巻。読者にさえその心情を垣間見せることのなかった夏織が、雫に内面を吐露するシーンに、その感情の全てが凝縮されている。
    恋は永遠に心に留まり纏わりつく呪いであり、愛は明日へと踏み出す力をくれる祝福である。
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  • ハッピーシュガーライフ

    鍵空とみやき

    純粋な愛の行く末
    2025年8月17日
    愛を知らない少女たちが、愛に出会って、愛に生き、愛を貫くために愛以外のあらゆる障害を排除し、そして愛に殉じるおはなし。
    愛というルールは既存の理屈・倫理・社会のルールを容易く踏み砕く強度を持つが故に、純愛というテーマは制限を無くせばどこまでもおどろおどろしく描けるものである。正に沙耶の唄のように。
    愛の一つの完成形を描いた傑作ではあるが、それは万人にとってのものではないので、合わない人にはとことん合わない。その点は要注意。
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  • 唯一無二の最強テイマー~国の全てのギルドで門前払いされたから、他国に行ってスローライフします~

    赤金武蔵/田村紘一/LLLthika

    薄くて軽い。
    2025年8月15日
    各キャラクター造形が薄く、軽い。
    与えられた役割をそのまんま、作者の思考・都合のままにただお話の流れのままに演じ、動いている感覚。なんかそれっぽい展開やいい感じの台詞・シーンは各所で到来するのだが、そこに至るまでの流れが軽く薄く一切の重みが感じられないため、全く心が動かない。
    そもそも主人公は仕事をすればきちんとどころか期待値以上に成果を上げられるのだから、冒頭の扱いになるのがおかしい。事実として、異常に強い炎系統の術を扱えるし、異常に高レベルの採取採掘技術があるし、主人公周りでいきなり物が出たり消えたりするし、壊すのが困難なものを触れずに破壊したりするし、短時間での長距離移動も可能だし、……と、門前払いされる方がおかしいのである。どんだけ自己アピールが下手なのよこの主人公。
    とにかく、登場人物全員が物語の都合で動かされている感がものすごい作品。あと、個人的には年齢不相応に幼稚な言動の幻獣種たちも非常に気になった、というかちょっとイライラするレベルだった。
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  • 35歳の選択~異世界転生を選んだ場合~

    大前田助/磯カズナリ/ぐすたふ

    かろうじて☆2
    2025年8月14日
    綿密な設定や各キャラクターの魅力をごっそりとそげ落とした異世界迷宮ハーレム。
    Hシーンのクオリティはかなり良く、もっときっちりと描写すれば成人向け良作レベルになる感じには良好。
    ……。良いところはそれだけである。
    主人公は性格・人格・行動に一貫性が欠如しており、同一人物かを疑うレベルの人物に仕上がっている。世界観・設定に関してもガタガタで、思い付きでその場で設定を考えているのではと疑う状況。女性陣が皆露出の高い服を着て各職で活躍しているとしか思えない描写であるにもかかわらずかなりの男尊女卑世界なんだそうである。意味不明である。危険日的なセリフも飛び出す、中世的世界観とは何なのだろうか……。
    また、原作と構成を変えてしまったがために主人公が即座に妻子を捨てて異世界転生を選択するサイコパスという印象になってしまっている。かなり話が進んだ後に平行存在的なもので元の自分は消えてないことが明かされるが、すでにサイコパスという印象は読者に刻まれており、手遅れである。
    とにかくありとあらゆる設定や展開がまとまっておらず、とっちらかった状態にある。唯一エロシーンだけはエロく纏まっているが、ガチ目に加点要素がそれくらいしかない。それなら某迷宮ハーレムか某ぶらり旅とかの方が面白い。
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  • 太陽と月の鋼

    松浦だるま

    圧倒的にマンガとして、巧い
    2025年8月12日
    設定の基本的なものは「はずれスキルもの」のテンプレと言っていいほどシンプルながら、そこを肉付けして完成されたものは明らかに格が違うレベル。
    各登場人物全てに綿密に設定された人生という背景があり、それが複雑に絡み合う物語、各所にばら撒かれた謎や伏線、一見時代劇にそぐわない各話副題、漫画として卓越した作画、劇的な展開を演出する素晴らしいコマ割り等、漫画としての完成度が驚異的なまでに高い。
    注意点は、全体を通して鬱的要素がかなり強い点。弱者・異端への迫害や人死にといったテーマ・展開が多い。
    個人的には最高レベルの傑作。
  • お嬢様、復讐のお時間です【電子単行本版】

    有咲めいか

    うーん……
    2025年8月5日
    被害者の悲壮な被害状況とか心情は事細かに描写するわりに復讐描写があっさり目。その内容も個人的には溜飲が下がらない感じに終わるため、消化不良。つり合いが取れてない印象。
    これでは被害者が可愛そうな様子を描きたいのか加害者への徹底的な復讐を描きたいのかわからない。なんか被害女性たちがかわいそうなシーンにばかり力が入っているような印象。
    復讐ものではなく、加害者に制裁があるタイプの無理やり系成人向け作品といった趣。復讐ものとしてはかなり微妙。
  • 後宮の花詠み仙女

    松藤かるり/風都ノリ/秋鹿ユギリ

    1巻は☆3.5くらいはある感じではある
    2025年8月4日
    2巻に入ると急激に演出面が弱体化し、盛り上がるべきシーンや登場人物の心の機微・心情の変化を効果的に魅せることを放棄したような構成に。
    設定やシナリオの流れ自体は面白そうになるようなもので、実際興味深くいい感じだと思うのだが、この演出・構成面が2巻完結が決定したからなのかどんどん平坦化していくのが感じられ、非常に残念な感じで終わった作品。
    もったいない。良作になったかもしれない非常に残念な駄作。
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  • 英雄様、ワケあり幼妻はいかがですか?

    小豆こま/久川航璃/katsutake

    読者が蚊帳の外
    2025年8月3日
    作画は奇麗。ヒロインと皇帝のシーンは、そこを切り取ればいい感じのシチュエーションではある。
    問題点は、『ヒロインサイドは理解しているけど読者には一切開示されていない設定』を重要な前提としてストーリーが進行すること。特に2巻で顕著になるが、「いや当たり前に会話されてもどういうことかさっぱりわからんし…」としか感じない。目の前で初見の専門用語をふんだんに交えての会話劇を見せられている感じ。この構造のせいで、ヒロインに感情移入できず、かといって皇帝の方もとても感情移入して読み進めていくような人物ではない。
    よって、読者は完全に蚊帳の外から物語を観察するような構図になってしまう。物語として面白いか面白くないかで言えば、面白くはない。前述の通り、シチュエーションは良いため、『なんだか良くわからんけど二人は尊い』みたいな感じで読むのが正解か?
  • 異世界トリップしたTL小説愛好家、閨の記録係になる。 ~ついでに生真面目宰相と契約結婚~

    すいようび/吾炭ルスハス

    各要素が高レベルで纏まった良作
    2025年7月25日
    異世界転移・恋愛・コメディ・エロといった各要素が全て高水準で纏まった良作。
    閨の記録係という設定も面白く、これを一発ネタに留めることなく上手くストーリーを展開しているのも良。作画も抜群に上手い。
    かなり面白い作品でおススメではあるが、注意点はエロも高水準で描かれているということ。作中では結構がっつり致しており、ぶっちゃけ有象無象の成人向け作品よりもクオリティが高いと言っても過言ではない程度の内容となっている。絶対少年漫画の範疇ではないので注意。
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  • 異世界帰りの最強テイマー、使い魔は幼馴染~【単行本版】

    すかいふぁーむ/冥土院ヘブん/booklistaSTUDIO

    話の構成が劣悪
    2025年7月22日
    1巻のみ読了。
    普通は主人公たちの置かれている状況を必要な分読者に把握させてから、或いはリアルタイムに把握させつつ物語を進行させるものだが……。この作品は異世界から帰った世界がどうなってるのかよくわからないまま15P読まされることになる。明らかに設定・状況説明の構成をミスっている。
    そして、低い知能と判断力のおバカな敵役である。こういった系統の作品にはおなじみの存在ではあるが、今作はトップクラスの逸材である。直前に聞いた・見たことを忘却してるとしか思えない記憶力と、幼児としか思えない言動。作者都合で知能が下げられるご都合主義の極致である。
    作画はそこそこ。主人公とヒロインサイドの設定は異世界帰りの無双系作品として無難で決して悪くない感じにまとまっていると思うのだが、それを引き立てるべき悪役がダメすぎてダメ。世界観も現代ダンジョンもののテンプレコピーで、そこに流行りの配信ネタを強引に突っ込んだ感じ。こんな死者がボコボコ出そうな状況で、魔物とは言え生物をリアルに殺傷する血なまぐさいコンテンツが許可されてその上流行るとは思えんが……。
    メインの食材は良さげなのに味付けやソース・付け合わせがことごとく悪いという作品。
  • フェルマーの料理

    小林有吾

    全方面に解像度が低い
    ネタバレ
    2025年7月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ まず、大前提として、数学者として歴史的に大成するには天賦の才が必要で、主人公の『数式の正誤が見える』はほぼほぼその才に片足突っ込んでる部類。実際、高校三年の時点で学費免除の特待生かつ特別奨学金支給で成績は学年トップである。この経歴でここまで自己肯定感最底辺になる道理が、まず理解不能。
    そして料理だが、主人公が作中で最初にナポリタンを作っている時点で、自分は食べたくなくなった。ケチャップの口を開けた状態で伸びた髪に接近させ、持った手の指で頭皮をかく、というシーンが描かれたためだ。そしてその後に、都内一つ星レストランオーナーシェフが長髪を纏めることなく客に挨拶・調理場に立った時点で、調理・料理に関しての解像度が底辺だと確信。
    で、数学的思考と料理だが、料理する側からすると今更である。劇中でも主人公が「当たり前」として行っている描写があるが、料理が上手いとされる人間は本当に無意識でこれをしてる。トップレベルの料理人であれば基礎だろう。料理は数学的思考のもとに化学的手法で作られるものだ。何をいまさら、である。演出過多にしてごまかしてるが、他の料理マンガと内容は全く同じ。数式が出るか、服が脱げるか程度の違いである。
    奇をてらっただけの平平凡凡な料理マンガ(解像度低)、というのが正直な感想。
  • 人魚観察日記

    ISHIDAUMI

    異種交流譚の傑作
    ネタバレ
    2025年7月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 少年二人と、巷で語られる人魚と酷似した謎の生物との交流譚。
    少年の目を通しての印象しか描かれず、結局最後まで人魚らしき生物の考えや感情等の内面の詳細が不明のままなのが良い。
    真の異種・怪異とは、一切の悪意無いままに人を侵食していく存在だと思うが、この作品の人魚はまさにそれ。
    美しくどこかノスタルジックな印象を受ける、秘密で僅かに不穏な夏の日。異種交流譚の傑作。
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  • 今夜もシリアルキラーと待ち合わせ

    伊口紺/中村優児

    ☆4に近い☆3
    2025年7月7日
    設定もストーリーも十分に面白いが、「シリアルキラー大量発生しすぎ問題」が頭のはじに常に引っかかる印象が残念。ここを上手いこと解決してくれてたら文句なしだったのだが……。
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  • 奈落の花園

    さかさな

    それは未熟で幼い、愛
    2025年7月1日
    痛くて辛く悲しい現実から外れたキラキラと輝く陽炎のような幸福の時間、と表裏一体の罪悪感と未熟ゆえに自身では解決できないという絶望感。どうしようもない孤独感から逃れようともがく少女たちの描写が、秀逸、精緻で直接内側を殴られているかのようにも錯覚する見事さ。
    異なる孤独に囚われた少女達が運命的に惹かれ合い衝突した先で迎える結末に、その未来に幸あれと願わずにはいられない、傑作。
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  • 神血の救世主~0.00000001%を引き当て最強へ~【電子書籍特典付】

    江藤俊司/疾狼/3rd Ie/Studio No.9

    漫画へ再構築されて読みやすくはなった
    ネタバレ
    2025年6月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ が、読みやすくなったが故に、物語の空虚さが鮮明になった気がする。
    表現が難しいが、この展開・この場面を描きたいがために組んだ仮初の骨組みの上に見栄えだけ良く建てられた御殿、みたいな感じの作品。
    主人公の境遇も、そこに至るまでに関わってきた悪役も、世界の破滅が迫っているのに弱者迫害・現在利益を求める異常な刹那主義の登場人物たちも、すべからく薄っぺらい。
    フルカラーで作画は奇麗だが、各登場人物たちに内面的な魅力が欠落している。
  • 今宵、ロレンツィ家で甘美なる忠誠を

    八橋はち/深見アキ/冬臣

    上手く纏まった良作
    2025年6月30日
    不幸な境遇からマフィアによって救い上げられた少女が、マフィアのボスの男と出会い、交流の中で想いを交わし深めていく恋愛模様が上手く纏まった良作。
    最終的にタイトルが回収されて物語が閉じられるという構成が奇麗。やや物足りない感じはあるが、このくらいの余計なことは語りすぎない感じでちょうどいいとも思う。
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  • 勇者に全部奪われた俺は勇者の母親とパーティを組みました!

    久遠まこと/石のやっさん

    ここまで振り切れば許せる好例
    2025年6月24日
    はっきり言ってしまえば、性癖のままやりたいことを好きなように書き散らす作品。
    まともに考えればそうはならんだろなご都合展開・設定しかない内容であり、突っ込みどころ満載のガバガバ作品であるが、このレベルまで「俺は性癖の赴くままにやりたいことを突き進むんだ」を極められると「こんな作品もあっていいか…」といった感じになる。
    年上熟女の元人妻とご都合設定ハーレムエロゲ的シチュエーションのみの内容で、ストーリーとか整合性とか皆無の開き直り作品なので、そういう作品が嫌な人は回避推奨。
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  • きみに恋する殺人鬼

    あきやまえんま

    ありふれた恋から始まる救いようのない破滅
    ネタバレ
    2025年6月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 傾国のメンヘラ無自覚毒婦に絡めとられた自己肯定感皆無の気弱な青年が、共に破滅への階段を順調すぎるほどに降っていく話。
    愛情を感じることなく育ち、周囲と比して自身の才能を感じることができず、外見だけを飾り取り繕って生きる鏡写しのような男女が当然の様に惹かれ合い破綻していく過程を描いており、進めば進むほどに後戻りできなくなるどうしようもなさ、もがけばもがくほどに深みにはまっていく無力感、絶望的な選択を強いられる感覚を存分に味わえる作品。
    所謂陰キャで、自己肯定感が低い人には致命的なまでに刺さってくるので注意。
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  • DYS CASCADE

    中川海二

    ミステリ・サスペンスに擬態した別物
    2025年6月22日
    この作品は、一応ミステリでありサスペンスではあるが、本質ではない。
    人間に擬態した、極めて人間味のある矛盾を内に孕んだ、常人には理解しがたい人外鬼.畜、サイコパスのシリアルキラーという存在を描いた話、というのが本質。
    ここまで解像度の高い他者を支配・操作する傾向の強いサイコパスの快楽主義的シリアルキラーを描いた作品は、他に類を見ない。犯人の正体や動機、犯行手順やその心情や葛藤が明らかになった段階においてさえ常人の理解を拒絶するような行動原理・人格構造は、強い嫌悪感や吐き気さえをも催すレベルである。一般に想像する狂気の連続殺人者像とは一線を画するおぞましさと迫力がある。
    社会の制御機構を悉く置き去りにするが故に、何とも歯切れの悪い未解決感が蟠る読後感だが、本質的に理解・共感できない異物に対してはそうならざるを得ないのかもしれない、といった内容の作品。
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  • 織田家の長男に生まれました~戦国時代に転生したけど、死にたくないので改革を起こします~

    逸見兎歌/大沼田伊勢彦/平沢下戸

    歴史知識素人評価
    2025年6月20日
    戦記もの、IF大河風歴史ものとしてはかなり高品質な作品。
    しかしながら、歴史的な前提知識のあるなし、その量によって評価が雲泥の差になる感じの作品でもありそう。
    必要な状況や歴史背景等の説明はもちろんされるのだが、各登場人物(特に敵方の参謀や関係者)数が非常に膨大かつ似たような外見・名前の人物多数で、人物同士の相関関係や出自・所属の把握がかなり困難。それに加えて、幼名や通称・字名も飛び交う状況。実際の歴史上の出来事の流れも前提知識として把握していた方が遥かに面白いが、教科書レベルより数段上の知識が必要。と、万全に楽しむにはかなり敷居は高い。
    歴史知識のない状態で読んだ場合、例えるなら「ガンダムの知識がない状態でジークアクスを視聴」くらいの面白さしかない感じだろう。完全に楽しめた場合は★5クラスの作品ではあると思う。ただし敷居は高い。
    あと、個人的には嫁たちとのいちゃいちゃはほほえましいが、彼女らの性格が作品世界からかなり浮いているのが気にはなった(特に正妻)。
  • 少女支配

    筒井いつき

    最低最悪クラスの鬱作品
    2025年6月15日
    タイトル通り。誉め言葉である。
    少女を対象とする胸クソ系鬱展開全部盛りみたいな展開。その系統が無理な方は絶対回避推奨作品。
    主人公の四人の少女たちの、年齢相応な未熟さと浅はかさと、おぞましさ。
    憧れと現実と搾取と蹂躙と獣欲と愛と依存と独占とが描かれる傑作。
  • 私たちの一線【タテヨミ】

    EPUM

    ドラマっぽい
    2025年6月13日
    明らかに高年齢の女優が高校生役を演じる超低予算で作られた昼ドラ、といった感じの作品。
    3話途中まで既読。冒頭の流れと絵の雰囲気で騙されるが、これは百合恋愛ものというよりは単なる青春ギャグマンガであると思う。しかもシュール寄り。
    百合作品としては他の名作・傑作に太刀打ちできる内容ではなく、ギャグマンガとしては青春百合ものに擬態していることが足かせとなっている。
    タテヨミじゃなく、四コマ漫画にしたら面白そうな作品。
    いいね
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  • 元戦闘用奴隷ですが、助けてくれた竜人は番だそうです。

    早瀬黒絵/城キイコ

    大まかな展開とか設定は良作の雰囲気
    2025年5月30日
    『番』に代表されるこの類の設定は、本当にきちんと丁寧に扱わないと一般向け作品はただのエロ要素をとっぱらっただけの成人向け作品っぽくなる。あるいは『番に対してそんな状態になるような世界じゃまともな社会は維持不可能』という感想になるか。この作品はどっちも。
    儚い感じの奇麗な画風で、好みもあるがかなり良好かつ、マンガとしての演出・迫力も出している。それでも、『番』じゃなかったら主人公たちは恐らく助けられることはなかったんだろうなとか、どう読んでも竜人様は主人公が好きなんじゃなく『番』が好きだとしか取れないよなとか、ガキみたいな嫉妬が見苦しいとか、要所要所で決定的になりそうなレベルの不快感がある。あと主人公がまともにしゃべれない設定もかなり読み辛く、感情移入ができない要因になっている。
    救出後主人公の周りが理性的な人物ばっかだから平和だが、そうじゃなかったら18 禁展開まっしぐらっぽい設定だよなとかも。
    とにかく、読んでいて腑に落ちない。ふわふわしているというか、偽善っぽいというか。幻想的にして奇麗になった18 禁描写を抜いた成人向け版鬼の嫁、といった感じ。
    特筆して悪くはないが、個人的にこの『番』設定は『本能』『性欲』を言い換えただけにしか感じられず、苦手かも、と改めて感じた作品。
  • ベル・プペーのスパダリ婚約~「好みじゃない」と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!~(コミック)

    朝霧あさき/セレン

    作画力は圧倒的
    2025年5月27日
    美麗な作画、男性読者受けもしそうな主人公の性格・設定、主人公及び皇子の無双描写等、傑作になり得る要素はそこここにあるのだが……。
    ただ一点、皇子の性格と描写がただただ気持ち悪い。クーデレな性格で通してくれればよかったのだが、赤面デレ100%甘えたがりに変貌されると男性読者のほとんどはキモいとしか感じないと思われる上、一つまみのBL要素まで加えられるとちょっとかなり男性評価は厳しめ、だと思う。某めしなぬま的作品と似たような印象・感覚なので、無理な人は回避推奨。
    個人的には前述の加点要素が素晴らしい(☆4.5くらい)と思っているので、たぶん次巻以降も読み続けるとは思うが、皇子の状態に耐えられなくなったら離脱する可能性もあるかも、といった感じ。メス顔が全部悪いとは思わないが、こうも乱発されると摂取許容量を簡単に超えてしまうのが難点、な作品。
  • 婚約破棄された公爵令嬢は令嬢の仮面を脱ぎ捨てる

    鈴森ねこ/宮間諒

    人物描写は奇麗
    2025年5月25日
    内容は薄い。
    主人公婚約者相手令嬢全てに決定的な非がないため、ヘイトの向き先が無くそのためざまぁ要素はほぼほぼ無い。悪役令嬢ものの始まり方でこの展開は稀有で、上手く展開すれば面白かったかもしれないが……。
    主人公と婚約者は共に王族・貴族として、次期国王・王妃として、その覚悟も責任も誇りも全く足りていない。騎士になりたいとか身分を超えた関係性を育む国にしたいとか、王侯貴族としては完全にアカン方向に動く。お前たちの仕事は国を護って民を導くことだよ。それを捨てて騎士として生きる覚悟があるなら髪を切れ、せめてがっちり結え。確実に戦闘の邪魔だろ。自分の役割に対する覚悟ができてるのは、2巻以降の相手令嬢だけだよ、情けない。
    そうして本来の覚悟と責任と誇りを捨てて手に入れた先で何するのかと言えば、薄っぺらいラブロマンスである。しかも本来の目的とか同僚の安否とかガン無視で浮ついたりときめいたりいちゃついたりする。団長は完全に主人公贔屓。お前達は何をしているんだ、を地でいく行動しかしない。何なのこいつら……。
    本来の覚悟も責任も誇りもなく、騎士となった後の覚悟も責任も誇りも薄っぺらい。やってることは結局他の恋愛ものと大差ない。細かな設定や展開もきちんと読むと突っ込みどころが多い。
    人物描写は美麗なので、ありきたりな内容の変わった設定のラブロマンス、として読むならまだ面白いか? ただ、絵で評価する場合も戦闘描写が稚拙で、魔物の描写はギャグマンガレベルなのが非常に残念であるのだが……。
    人物作画が奇麗なただの恋愛もの。各所でシリアスっぽく深刻ぶるが、結局恋愛描写に落ち着くので、その点は安心して読める。逆にストイックな騎士道とか見た目上の男装の令嬢要素、所謂悪役令嬢もの的展開や主人公の成り上がり的展開は『皆無』なので、注意されたし。
  • 帰ってきた天才剣聖~魔力ゼロの落ちこぼれなのに実は最強~【タテヨミ】

    クオンタム/前田竜幸/momi/3rd Ie/ししゃも/Studio No.9

    いつもの
    2025年5月22日
    完全にいつものやつ。
    同一の基本設定に同一のシナリオ骨子に同一の大まかな展開に違うガワを被せる、いつものやつ。これどっかで見たわ、感の塊。
    この系統の話と設定と展開が好きな人は楽しめる作品。
    ただし、この系統では毎度の如く展開される登場人物の意味不明行動や超絶ご都合展開もきっちり完備しているので、その類の話が嫌いな人には不向き。最終戦なら最初から全力必殺技ぶち込んでいけよ……。
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  • 前世は冷酷皇帝、今世は幼女(分冊版)

    遊喜じろう/まさキチ

    無料1話のみ読了
    ネタバレ
    2025年5月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 描きたくない展開を全てすっ飛ばし、性急・強引にやりたいことができる状況に持っていくという典型的作品。
    それでも矛盾なく展開してくれるなら問題ないのだが…。
    主人公は最初記憶が戻って覚醒的描写がなされたのに、元の人格と別の存在(魂)であることがすぐさま発覚。そのうえ内面で元人格と会話。はたから見たらひとりで虚空に向かって会話するヤバイ幼女に変貌。元人格が気弱であることこれ幸いに体の操作権を完全に奪った上に勝手に改名、今後の方針も独断即決。さらに通りすがりのまだなんもしてない飛竜を問答無用で殺戮。ただの幼女が無双する為の理由付けが、最も短絡的な『身体強化』の魔法。原作もどうやら描写不足ぎみっぽいが、それ以上に状況描写が欠落しており、絵やコマ割りで状況把握できない構成・表現な上、その補助となるはずのト書きが皆無。ご都合主義かつ強引な進行。
    一話時点で頭を抱えたくなる展開・設定もりもりで、ちょっと読み進められないかな、というのが感想。転生して幼女になった英雄が無双する的作品は、既にきちんと面白いものが存在するのも難点。
  • きみが死ぬまで恋をしたい

    あおのなち

    これは至高
    2025年4月14日
    最高クラスの作画・表現・演出。
    物語として純粋にレベルが高い。年相応の少女たちの何気ない学園生活と一歩踏み出したところに転がる戦争と死の対比が尊くて儚く残酷で醜悪で美しい。
    主人公とヒロインの仲が実際に進展するのが7巻終盤と、二人の関係・感情の変化と育まれる絆、否応なく変化していく周囲の環境が非常に丁寧にかつ精緻に描かれ、読み手の感情を揺さぶってくる。おすすめの傑作。
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  • キミの前でキミ以外を抱く

    なかお

    暫定の☆3
    ネタバレ
    2025年4月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 設定は非常に興味深く、嫌悪感さえ抱かなければ先が気になる展開が続く。
    ヒロインの異常性が際立っていて、その他の主要人物も問題点有りが揃っているが、最大の異常者は主人公だと思う。
    この主人公を見ていて感じる不快感にどこか既視感を感じたが、恐らくは某運命主人公のシロウだと思う。彼の行動原理を矮小化・俗物化して自己肯定感を極限まで低くした感じ。自己が何をしたいかでなく他者のために行動し、その行為に対してとりたてて快感を感じるわけではない、という所が非常に似通っている。
    ヒロインや他の登場人物たちはまだ特殊性癖とか何らかの心的外傷とか経験不足と恋煩いとかで説明可能な感じだが、主人公の歪さはなかなかに純粋な気色悪さがある。
    今後の展開次第で評価は変動しそうな作品。題名通りに2巻時点では暫定☆3。
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  • 剣術名家の末息子

    AZI/COBY/Mr. BIG/HWANGZE PENGUIN

    幾分面白い方向のいつもの奴
    2025年3月29日
    内容は無難オブ無難。
    剣(暴力)至上主義の家で落ちこぼれの主人公が迫害から追放されて力になんか覚醒した後によくわからんままなんか非業の死を遂げた感じになって(詳細完全に不明)なんか死に戻りして今世は無双してくぞ的な、完全にいつものやつフルコース的な流れ。
    問題点も、同一人物じゃないかと思えるほどに特徴が画一化された主人公(闇系統属性)、ギャグマンガと見紛うほどに適当ないがぐり頭の兄達(テンプレコピペの憎まれ役)、クソダサフォントの効果音(本当にこれを何とかするだけでだいぶマシになるのだが…)、余分なコマが多数存在するわりに状況の詳細説明を省く・後回しにする構成と、これまたこの系統の作品に見られるいつものやつフルコース。
    それ以外に特筆する特徴はあんまない。設定とかはテンプレながらも細部に工夫が見られるため、そこのところは評価できる感じ。
  • ハズレ職〈召喚士〉がS級万能職に化けました~無能と蔑まれた俺、伝説の召喚獣達に懐かれ力が覚醒したので世界最強です~

    野呂まこと/ヒツキノドカ

    ダメ寄りな意味で少年漫画的
    2025年3月25日
    良くある平凡なエセハズレスキル成り上がりもの。
    細かで練り込まれた設定も伏線も鮮やかな感情表現も複雑な心理描写もない。はっきり言えば、薄っぺらい。低年齢層向けの少年誌に載っているレベルで内容がとても単純明快で、異常に分かりやすい。
    スキル関連のガバも完備しており、見つけるのが困難なはずの召喚スポットが探せば実は周辺にゴロゴロ転がっているという、思わず首をひねりたくなるような流れが展開される。ヒロインが当初謎のロールプレイをしてるのもとあるきっかけで唐突に説明も無くそのロールプレイをやめるのも、同様に首を傾けることになる。
    頭を空っぽにして、細かなことは何も考えず、上辺の展開だけを読んでスゲーしたりざまぁしたりして楽しむタイプの作品。
  • 女神の加護を受けしママのサーガ

    塩野干支郎次

    特殊性癖特化エロコメディなので注意
    2025年3月19日
    この手の特化気味な性癖の作品は正当に評価しにくいんだが…、この作品はとにかく非常に特殊な方向に振り切っているため、読み手を相当に選ぶ類のもの。
    具体的に書くと、実母の親友(ショタ)寝取られ情事語り聞かせ風。それに加えて世界観が『異種族間での戦争中だけど内容やノリが完全に小学生のじゃれあいふざけ合い』というコメディ。で、主人公の少年がマザコン拗らせ中二病風ムッツリ。個人的には完全に無理だった。全く面白くなく、ノリについていけず、エロ描写にはドン引きで、一巻最後まで読み進められなかった。合う人には面白いんだと思う、多分。
  • 小国の侯爵令嬢は敵国にて覚醒する(コミック)

    西野まほろ/守雨/藤ヶ咲

    面白いは面白いんだが…
    2025年2月26日
    嫁ぎ先の閣下様が、無自覚なのかなんなのか知らないが論点を完璧なまでにずらして元令嬢に詐欺を仕掛けるという、なんというか新しいことをしてらっしゃるのが、1巻時点ではどう評価すべきか、悩む。賠償金代わりに送られた人質にその賠償金払えな感じに持っていくのは、無自覚っぽいとはいえ悪辣すぎる。まぁ、単純に政治的駆け引きができない性質なんだろうとは思うが、そんな調子でよく連合国を纏めて戦争に勝てたなぁ、という感じではある。あくまで1巻時点では。
    ヒロインサイドはモブ含めて魅力的なキャラクターで纏まっている故に、閣下サイドの人間の程度の低さと育ちの悪さが目立つ。今後閣下が読者の好感度を上げることができなさそうなのが懸念点。ヒロインの成功譚としては期待できる感じ。暫定の☆3。
  • 僕は七度目の人生で、怪物姫を手に入れた

    宮崎順/サンボン/生煮え

    めちゃいい内容なんだが…
    2025年2月20日
    俺たちの復讐はこれからだ、エンド。
    主人公の過去の人生から怪物姫との出会い、短期間で心を通わせるに至るまでの流れから実家での今後の復讐へ期待を高めていく展開まで非常にいい。面白い。
    そして上記の通りのエンド。本当にこういった良作をきちんとまともに最後までまとめてあげて欲しい。それに尽きる。
  • 俺だけ2周目ガチ勢~強すぎてゲームバランスを破壊した~【タテヨミ】

    ロリバス/こうや豆腐/さと/干しなすび/しんいし智歩/Studio No.9

    確かに破壊されている
    2025年2月10日
    ゲームバランスではなく、根本的な設定が、だが。
    導入は、まぁいいと思う。主人公の性格・人格が終わってる点が大問題だが。非常にやっつけな感じで過去に転生・タイムリープするのもまぁこの系統の物語でグダグダ導入続くのもストレスなので、仕方ないかなという印象。
    最大の難点は、まず主人公が自身で確立したわけでもないだろう未来の攻略情報・PSに関する技術知識をさも自身の手柄であるかのように配信の視聴者たちにドヤ顔でひけらかすこと。これがとにかく不快。そしてフルダイブゲームにも関わらず各種モーションを自作とかいう意味不明な設定がある点。このゲーム、スキルは別にして普段の動作を思った通りに実現できんの? それフルダイブの意味ある? コントローラー操作と変わらんくね? その程度の技術水準で劇中の動作が可能なもんなの? もうゲームとして根本的に設定が崩壊している。そして躯体もでかすぎる。家に置けないだろあんな物体…。
    ゲームものとしてはゲームとしての設定完成度がお粗末すぎ、疑似異世界ものとしてはゲームとしての仮想空間の味が配信者設定もあって濃厚にすぎる。この作品をこそ読みたくなるような要素に乏しい感じ。
  • ネトゲの嫁が人気アイドルだった

    もっつぉ/あボーン/館田ダン

    予想外に良い
    2025年1月31日
    ネトゲの嫁がクラスメイトで人気アイドル、というぶっ飛んだファンタジー設定のおかげなのか、逆に日常シーンが違和感なく学生の恋愛して青春しているような感じがする。
    そして重要なのは、ヒロインが貴重な素クール属性持ちであること。現実では上手く表現できてないだけで、常時好意を向けてくれているのが読んでいるとよくわかり、とても可愛く魅力的である。ヒロインが魅力的だと感じられれば、かなり面白く読めると思う。
    不必要にイライラするサブキャラや現実味の無い日常が描かれないため、ストレスなく楽しめるのも良。
    問題点は、ヒロインが超人過ぎること。きちんと通学して、アイドルとしてレッスンやライブイベント等をこなしつつ、ネトゲに精を出す廃プレイヤー、というどんなタイムスケジュール組んでるのかとそこだけが突っ込みどころか。
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  • ブレイドスキル・オンライン

    アイサコ/馬路まんじ/霜降(Laplacian)

    一貫性が無い
    2025年1月23日
    主人公って現実世界での不幸逆境っぷりから逃避したくてゲームしたんよな? ゲーム世界でも不幸逆境になってるわけだけど、なんでそこで「だからこそ、燃えるじゃねえか」になるんだろうか…? じゃあ現実世界の不幸体質も「だからこそ、燃えるじゃねえか」にならんとおかしいんだが……。
    話の展開はTS要素をぶち込んだ防振りっぽいシャンフロ的な黄金経験値。雰囲気は防振り寄り。サービス開始直後という設定と未開拓ゆえに不遇と認定されている要素での無双等、シャンフロの『この時期になってその状況はない』感はないので、コメディ寄りな点もあって無難には面白い。仲間を集めきった後のサモナーの強さと幸運のステ補正が完全に調整ミスってる点や、都合のいいスキルや称号を獲得していく点等、この系統のオンラインゲー作品では定番のガバ仕様。コメディ寄りで上手いこと中和してはいるが、この作品のノリは個人的に好みでないのが残念なところ。
    ちなみに原作のあらすじを見る限り、基本線は完全に防振り。味付けが全く異なるものの展開されるイベントは基本的に同じ、といった印象だが、あっちより面白く展開できるんだろうか?
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  • 一万倍の聖女が教える聖教育

    MIGCHIP

    これはひどい
    2025年1月17日
    これはひどい(誉め言葉)を文字通り絵に描いたような作品。
    ネタとしてスナック感覚で楽しめる。エロコメディというよりは性癖解説コメディ。
    ニッチでマニアックなネタも微妙に入り混じっており、他作品ではなかなかない感じにやたらめったら下品になることなくきちんとライトコメディしてる良作。
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  • 平民出身の帝国将官、無能な貴族上官を蹂躙して成り上がる

    花音小坂/オブチシュン/くろぎり

    ざまぁ特化
    2025年1月13日
    面白いは面白い、と思う。
    若干絵が雑で洗練されていない感じがあり見づらいところがあるが、許容範囲内。
    設定やキャラクターもそこそこ個性的で、興味深い。
    問題は、ざまぁする為だけに設定したような悪役たち。登場して何かしゃべったりした瞬間に「あ、この人ざまぁ対象だな」と認識できるレベルの、わかりやすくわざとらしい絵にかいたような悪役。1巻時点では敵になるやつらが全員魅力皆無の子悪党なので、正直今後の展開が面白くなっていくかが未知数。魅力的な適役が出てこれば面白くなるだろうが、このままの状態だと『ざまぁ特化』作品としての評価しかない感じ。暫定の☆3。
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  • シャングリラ・フロンティア

    硬梨菜/不二涼介

    シリアスにした防振り
    2024年12月30日
    防振りはコメディだったから面白かったんだな、と思える作品。
    トンデモ行動でレアイベントにぶつかりまくるという、そしてPSで無双するという、完全に防振りの主人公とその相棒枠の二人を足したようなのが主人公。
    とにかく都合が良すぎる。都合のいい展開のために設定した設定。ゲームとして破綻している神ゲー。序盤に絶対勝てない敵と超低確率でランダムエンカウントしてしかも解除しない限り永続のデバフ・バステ付与とか、クソゲー以外の何物でもないと思うが…。単純に考えて確率0.1%でも1000人に一人はこの理不尽に当たるわけだ。サービス開始から1年経過登録者三千万人いる状態でメインシナリオ進行率0%というのも現実味がない。主人公と同様のプレイングを試したプレイヤーは無数にいるはずじゃね? というのが正直な感想。ご都合主義と主人公補正をコメディで包まないと防振りはこうなるのか、という印象。せめてサービスから数か月くらいで大好評評価鰻登り中みたいな設定ならまだよかったかもしれないが…。
  • 塔の医学録 ~悪魔に仕えたメイドの記~【電子単行本】

    尺鳥いんこ/澁澤まこと

    面白い寄りではある
    2024年12月21日
    医学系、の皮を被った俺様系ヒーローもの+政争巻き込まれ系ヒロインもの。
    医術系の話は物語の重要な要素ではあるものの、微妙に踏み込んでこないというか話の核ではない印象。真の軸は我が道を行く周囲の理解がなかなか得られない孤独なツンデレ系ヒーローとそれに強引ながらも寄り添うことになり理解者となっていく系のヒロインの類型だと思う。その系統が好きなら結構面白いかも。
    物語の各所で触れられる医学解剖当時の風俗等のネタはなかなか興味深く面白いが、ぶっちゃけ話の本筋になかなか食い込んでこないのが難。個人的にはもっと医学解剖系のネタを話の中心に持ってきてほしかったかな、という感想。本格的な医学系マンガの足元にも及ばない感じなのが最大の難点。
    とはいえ、内容は確かでエセ医学系ではないことははっきり断言する。雰囲気や内容が好みに合えばもっと面白く読めると思うが、個人的には普通な感じ、という感想。
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  • 経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。

    長岡マキ子/カルパッチョ野山/magako

    全く隠されないご都合設定
    ネタバレ
    2024年12月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 不自然な展開、不自然な状況、不自然な会話。現代舞台のラブコメは基本的にファンタジーなので、不自然なお話になることは前提なのだが、通常はそれを現実味というオブラートにくるんで体裁を整えるもの。この作品にはそれが無い。高校生の日常としてのリアリティが皆無。
    読んでいて、この設定を、この展開を、この場面を、この会話(説明)を描きたいんだなという意図が何の緩衝材もなく直で伝わってくる感じ。辿り着きたい先の展開に持っていくためにあり得ない展開であろうと問答無用でぶっ込んでくる。特に3巻中盤は酷く、女子高校生居酒屋バイト昼から夜まで仕事中・私用で店のテーブルを使用・ジョッキ1杯で昏倒し一口で酔いが回るほどのアルコールを全く気付かず飲み干す・序盤から登場しさんざん会話しているキャラの声がヒロインと酷似していることがこの時点で判明、など、おいおい勘弁してくれ的なご都合展開が酷い。
    経験が無いだけで天才的な恋愛勘を持つ主人公に経験だけはある壊滅的な恋愛音痴のヒロインという設定は面白い感じなのだが、いかんせんそうはならんやろ的な矛盾や不自然が作品全体から漂っているため、3巻で離脱。残念ながら自分には合わなかった。
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  • 魔王と勇者の戦いの裏で

    葦尾乱平/涼樹悠樹/山椒魚

    内容は非常に面白い
    2024年12月9日
    表紙や題名からは分かりにくいが、内政もの。
    勇者という突出した英雄の裏で、ほぼ前世知識チートと世界(ゲーム)の先の展開を知っているという情報チートのみを使って生き残るために根回し・準備・戦術提案等々奮闘する話で、勇者はじめゲームの主要登場人物達や仕える王族等の味方側がめちゃ有能・ゲームでは容量の関係で割愛された要素への言及など、他にはあまりない感じの環境が描かれていてかなり面白い。
    内容はとても面白いのだが、作画面でやや見ずらい部分が目立つ印象。下手ではなくむしろ耽美系っぽい感じで『絵』としては非常にいい感じなのだが、複数人のからみや乱戦等になると状況が読み取りづらく、美形の似た印象の人物の見分けがしづらい。
    上記のような作画面での読み辛さはあるが、世界観や展開等は個性的で面白く、よほど絵柄が受け付けない場合でない限りはかなりの良作。
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  • 恋文と13歳の女優

    じゃが

    圧倒的
    2024年12月2日
    圧倒的、それに尽きる。
    主人公のヒロインに惹かれていっていることを薄々自覚しつつあくまでも仕事の相方として責任と自覚をもって接しようと努める複雑な心理描写。ヒロインの大人の中にいて自身に求められる姿を演じる女優としての一面と13歳という年相応の幼い少女としての内面とのギャップと、年齢相応に大人の異性に対する憧憬と男親兄弟が無いことからくる主人公への渇望、それがどうしようもなく恋心へと育っていく過程。垣間見える主人公の過去のトラウマ、ヒロインの孤独な家庭事情。
    奇麗で尊く、面映ゆくほほえましく、辛くて生々しい。圧倒的傑作。
  • 英雄と賢者の転生婚~かつての好敵手と婚約して最強夫婦になりました~

    藤木わしろ(HJ文庫/ホビージャパン刊)/西梨玖/へいろー

    無自覚上からマウント無双
    2024年11月26日
    まず、国同士がまじめに戦争してるのに茶番戦闘するな。2巻まで読んだ時点では、お前たち二人が決着もつけずに戦争終結への行動も起こさずに意識的に膠着状態を保ったせいで戦争が長期化しとるようにしか見えない。
    主人公ヒロイン共に精神年齢が高く、老成してるアピールは逐一されてるのだが、主人公は老成具合がちぐはぐ(周りの同年齢がガキにしか見えないと言ってるわりにヒロインはがっつり意識している)、ヒロインはただの可愛い初恋少女である。両者共に力を隠すこと全くなく、自身の気分の乗るままに力比べしたりいいとこ見せようとしたり、いちいち行動の幼稚さも目立つ。
    全編通していちゃいちゃかイきりしかない。とってつけたような前世での暗い過去や、前世で相応の地位にいたにもかかわらずのヒロインの対人音痴っぷり、前世でも色恋沙汰はなかったみたく言ってるわりに魅力的な肢体を持つヒロインに対して抱くべき感覚を一切と言っていいほど有さない主人公。無双系ラブコメとして読めばそこそこの出来ではあると思うが、根底に漂う違和感、設定と感情・行動の乖離が気になる場合は微妙な評価になるだろう作品。
    ヒロインの小動物っぷりは無難に可愛い。とても200年ぐらいの人生を送っているとは思えない精神年齢をしている点が気にならなければ。
    あと、いくら婚約済が多いからって男女一部屋ベッドも一つの寮は風紀的に大問題だろ。学び舎として完全にアウトだと思うんだが…。
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  • 反逆の勇者~スキルを使って腹黒王女のココロとカラダを掌握せよ~

    そらモチ/川崎悠/橘由宇

    ぐだぐだ
    ネタバレ
    2024年11月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 最初こそなかなか面白そうな導入。だが、話が進むにしたがってクオリティが目に見えで下降していく。話の展開がおざなりで、作画のやる気もなくなっていくのが見て分かるレベル。
    ヒロイン(?)の王女は思想が最悪なだけで性格も能力も容姿もいい優良物件だが、主人公は性根が敵の下っ端幹部の三下レベルのクズでどうしようもなく、エロゲ的なダークヒーローとして見ても全く魅力が無い。
    主人公のスキルは何でもありの反則チートで、物語に登場させたらダメなレベルで破綻した万能っぷりを発揮する=作者の妄想をただ単に垂れ流すだけの能力になっている。しかもスキルの細かな仕様の説明が一切無いため、わけわからんまま進む。特にメッセージを送る項目は、どんな状態で相手に届いてるのか結局よくわからないままである。2巻で出てきたメッセージウィンドウ的なのがそうだとは推測されるのだが…、そうならメッセージ送った初回から明示してくれ…。そもそもこのスキル、異世界転送術と銘打っているが実際は対象を時間距離異世界間関係なく監視盗聴し、異能の超常物品を自由自在に無から造り出すスキルである。
    やりたい放題妄想垂れ流しでストーリーもクソもない作品。この内容でやるならもっと作画クオリティを上げて成人向けでやってくれた方が良かったと思う。
  • 欠けた月のメルセデス~吸血鬼の貴族に転生したけど捨てられそうなのでダンジョンを制覇する~@COMIC

    江戸屋ぽち/炎頭/KeG

    上澄みの上澄み
    2024年11月23日
    異世界転生成り上がり無双系でダンジョン要素有り巻が進むと学園要素有り。
    非常に作画・マンガとしての見せ方が上手く、序盤が丁寧過ぎてややスロースタート気味なことと設定・展開で細かな引っ掛かりがあることを除けば非常に面白い。
    このような中世風異世界転生作品にありがちな『整備されたような文化と迷宮システム』を上手いこと設定に取り込んでおり、後に主人公が獲得するチート級能力と同類の存在が示唆される等、先の展開を期待させる要素も完備。
    主人公の性格や劇中世界の雰囲気が好みの分かれるところかもだが、圧倒的作画演出にストーリー良し設定良しで、非常に良作。
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  • ペンと手錠と事実婚

    ガス山タンク/椹木伸一

    面白いことは面白い
    ネタバレ
    2024年11月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ コメディ寄りラブコメミステリとして、無難に面白い作品。
    問題は、設定が普通に気持ち悪いこと。40歳男と18歳学生のラブコメ、という時点で相当アレなのだが、周囲の反応がその事実をぶっちぎって気持ち悪い。別に年の差恋愛がダメとかありえないとかいう話ではなく、事情を知った近しい人物や親類が一切反対することなくむしろ行け行けと婚姻を後押しするような状況は、正直気色悪かった。仮にも現代日本的な舞台でそれは、無い。劇中でまともな反応をしてるのは、最初の方に出てきた隣人(偽)だけと言っても過言ではない。異常だ。
    主人公も嫌でダメだと思ってるならはっきりするのが大人である。なぁなぁで同棲してて責任を取る気もないような対応は、正直大人としてどうかと思うし魅力的とは到底言い難い。
    そして3巻に出てきた少女が個人的に最悪。自身の正義(妄想)を振りかざして他者の平穏・幸福を否定して破壊しそれを善意であり正しいことだと妄信しているという個人的に一番嫌いな類のキャラで、見ていて不快だった。まぁここは個人的な好みの問題なので、仕方ないと言えば仕方ないのだが…。
    押しかけ女房的なヒロインはそこそこ可愛らしいので、そこは魅力。ヒロインの謎的なところもいい感じに引き延ばしてきているので、今後の展開にも期待できる。とりあえずの☆3。
  • 最果てに惑う

    モモヤマハト

    辛くて可哀そうな物語
    2024年11月17日
    他者の悪意と害意を原因として犯した自身の罪を許すことのできない登場人物達の数奇な運命の断片。
    徹頭徹尾悲しくて辛くて可哀そうな設定・展開が続き、一瞬訪れる穏やかな時間も薄氷の上。主要キャラクターが例外なく自分なんて消えた方が良いと思うまでに精神がすり減っている状態。主人公たち以外の他者の悪意・害意の描写が凄まじく、その上全ての不幸の元凶となった人物はすでに故人であるためヘイトの向け先がいない。そんな不幸の底にいるキャラクター達が前に進もうと思えるようになるまでを描いていく良作だが、前述の通り非常に悲しく辛く可哀そうな状況が続くため、そういった系統が苦手な人は注意。特に登場人物に感情移入して物語を読む方は、心が落ち込んだ時に読まないように。
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  • 宮廷魔導師見習いを辞めて、魔法アイテム職人になります

    神泉せい/EDO/匈歌ハトリ

    ライトで軽くて読みやすい
    2024年11月15日
    お仕事系+無双系+若干の俺様・溺愛成分の、広範囲にまんべんなくそこそこ刺さりやすい印象の作品。
    作画や漫画の構成・演出も上手く、物語も上記の属性のものとして無難に面白い。
    懸念点は、とにかく軽い。とんとん拍子に物語が展開され、あれよあれよという間にイベントが進行し次に進んでいく。ストレスほぼ無く快適に読み進められる一方、物語に重厚な要素が廃されているため、深みはない。ただし、一概に欠点というわけではなく、気軽に読み進められて無難に面白く、非常に奇麗な作画で、キャラクター造形・世界観・世界設定等の土台がしっかりしていることもあり、ライトで読みやすくもクオリティ高く纏められた良作。☆4寄りの☆3。
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  • 壁役など不要と追放されたS級冒険者、≪奴隷解放≫スキルを駆使して史上最強の国造り

    向原行人(カドカワBOOKS)/日野行望/珈琲猫

    高品質なテンプレなろう
    2024年11月10日
    なろう系に造詣が深い方に解るように評するなら、『開拓系スローライフ版の追放ビーストテイマー』。
    作画がかなり良く、特に女性陣が総じてかわいく描かれており、マンガとしての構成・演出も上手い。
    問題は最初に開放した奴隷のエルフ少女が相当にレベルの高いチョロインであること、物語の展開各所において色々と詰めが甘くガバいこと。簡潔に言えば非常になろう系っぽい。
    そのエルフ奴隷ヒロインが積極的にスキンシップしまくるせいで主人公にその気があれば1巻時点ですでに3回くらいいたしてるんじゃないかという展開。このエルフちゃんはかわいいはかわいいんだが、直前まで奴隷してたっぽくない言動と主人公に対してぐいぐいラインを踏み越えようとしてくる積極性が、好みが分かれるかもしれない。
    それでも各登場キャラはきちんと思考して意思を持って動いている感じはするし、それは先に言っとけよとかご都合主義な展開は有れど今の所矛盾とか意味不明な行動とかはないように思う。
    1巻時点ではかなり高水準に仕上がった追放+ハーレム+開拓スローライフのなろう系テンプレ。☆3.5くらいの良作。
  • 「おかえり、パパ」【電子単行本】

    蝉丸

    垣間見える断片から来る一つまみの恐怖
    2024年11月8日
    普段がごく普通(やや過剰)な仲睦まじい家族の光景が描かれるだけに、時折垣間見える異常な執着・愛情の違和感が決定的に恐怖を呼び起こす。
    娘と妻側の意図・謀略がその根源なのだが、彼女らは3巻までの現状家族の輪を乱す要素の排除と主人公との絆の強固化に終始しているため、ガチ目のその真意が読めないところがまたゾクゾクとした読感を生み出している。
    他ではなかなか味わえない違和感とも嫌悪感ともつかないそこはかとない悍ましさというか総毛立つような感覚が魅力の作品。
  • 双亡亭壊すべし

    藤田和日郎

    「脳」を揺らす体験を
    2024年11月4日
    和製大正モダンホラーの皮を被ったコズミックホラーに上手いこと少年漫画的な外装が施された絵描きの生きざまを描いた物語。
    ド迫力のバトルシーン・厨二的な異能力者・子供に礼を尽くして頼みごとをする偉い大人、という極めて子供好きする要素でごまかしつつ、少年誌とは思えないようなドロドロ陰鬱・凄惨な設定、トラウマ級の異形絵、感情をそのまま直接表現したかのような人物・表情描写がぶち込まれる、正に藤田節。
    双亡亭という存在、個々の登場人物のバックボーン等、これでもかと風呂敷を広げまくって個々の細かいところから全体に至るまで完璧に畳みきる手腕はさすが。
  • 美醜逆転世界のクレリック ~美醜と貞操観念が逆転した異世界で僧侶になりました。淫欲の呪いを解くためにハーレムパーティで『儀式』します~

    妹尾尻尾/音乃夏/ますだぷらす/ちるまくろ

    無料部分のみ
    2024年11月3日
    残念ながら繋がりのある物語としての体を成していない。
    マンガとして絵の流れで状況を把握させるということができていない上、ト書き等で状況説明を付けるという補助もない。にもかかわらず物語は大量のト書きで進行する。半年後の大猪のあたりのくだり、普通に読んだだけだと状況もまともに把握できない上に、読み直して状況を理解した上でも内容が意味不明すぎる。主人公が果物に欲情するシーンなんて初めて見た。
    状況もおかしい。高級風俗店って宮殿みたいな正面玄関で階段の上から嬢が登場して顔合わせするのか? 転生後にあの草変と言ってるが取り立てて変じゃないぞ? お前が見たことない物体はみんな変判定なのか?
    少なくとも序盤の無料部分は、描写不足・説明不足に現実感皆無な状況・意味不明な内容が重なり物語として成立していない。ダイジェスト版にする必要のない内容の空想を無理やりぶつ切りにして形にしたもの、というのが近い。
  • 陰キャだった俺の青春リベンジ

    伊勢海老ボイル/慶野由志/たん旦

    かなり良作
    2024年10月27日
    タイムリープして高校生から人生やり直し、という名目だが、実際は異世界転生チート無双物の舞台設定とシチュエーションを冒頭の状況に変換したもの、と言った方が近い。
    年相応の高校生っぽい感じが上手く描かれていて、完全ファンタジーの設定・展開にリアル感が程よく纏わされている感じ。作画も無難に上手く、物語のテンポも良い。唯一3巻の敵役の男が読者のヘイトを集める為だけに造り上げられたような(所謂追放ものの頭の悪い追放者みたいな)人格とオチだったのが残念。
    全体的に小気味よく爽快な青春ラブコメものとして上手く纏まっている印象の良作。
    追記)残念ながら、ラブコメとしては驚異の「主人公とヒロインが付き合う前に打ち切り終了」してしまった。原作完走して欲しかった感はあるがそれでも完成度は高く、こんな良作をなぜ打ち切るのかという疑問の方が強い感じ。
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  • 転生ゴブリンだけど質問ある?

    三木なずな/荒木宰

    物語自体は面白い
    2024年10月25日
    設定の基本的な方向も、独創的で面白い。
    ただし、実装されている設定が根本から破綻しているということと、冒頭の展開と物語の基本構造が某スライム転生のギリギリオマージュと言い張れなくはない程度のパクリな点を無視すれば、だが。
    とにかく深く考えずに、きちんと調べずに描いているとしか思えない稚拙さが最大の難点。蝉の寿命は8年やろと思いっきり突っ込んだことから始まり、いや一週間しか生きれんのに知的種族、胎生・多産、そして弔いの宴とか開く余裕があるというのは、論理的にどう考えても無理だろとしか言えない。ここのところもっとしっかりしてたらもやもやなしに面白く読める作品だったのだが…。
    設定のアイデアと物語自体はかなり面白いため、上記欠点が気にならなければ☆4相当の良作。
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  • エルフ奴隷と築くダンジョンハーレム―異世界で寝取って仲間を増やします―

    火野あかり/ツキシタカグヤ/ねいび

    決して面白くないわけではない作品
    2024年10月24日
    恐らく原作から全体的に1ランクくらい劣化させた感じの作品だと思われる。
    全体の話の流れは良いし、盛り上がるところではいい感じに盛り上がるし、そこそこ適当なタイミングでアレなシーンが差し込まれる。
    ただし、漫画へと変換するにあたってテンポを重視しすぎな感があり、絵としての分かりやすさを重視しすぎちょっと展開がおかしいかなと感じる部分があり、独特のヘタウマ絵が非常に好みの分かれるところであり、と微妙な点も目立つ。
    恐らく原作はもっと心理描写とか状況描写とか文章で書かれてるんではなかろうか? 要所要所で展開・状況が微妙に変更されているのではなかろうか? そして原作小説の表紙・挿絵が広く好まれやすい奇麗可愛い系の絵柄なのもコミカライズ版の印象を悪くする要因だと思われる。
    それでも物語自体は面白い(まぁ原作がよくできているせいだと思われるが…)ので、深く考えずに手っ取り早くハーレム系転生ものを消費したい場合はけっこう良作。
    ただ、この系統の話はどうあがいても某異世界迷宮ハーレム作品コミカライズと比較される定めにあり、きちんと独自路線を確立しないと驚異的に分が悪いということは明記しておく。
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  • 『人斬り』少女、公爵令嬢の護衛になる THE COMIC

    スメラギ/笹塔五郎/ミユキルリア

    薄いキャラ造形が残念
    2024年10月20日
    序盤の展開から行きずりでの出会いから縁を結んでいく感じはとてもいい。王族を直接護衛する展開でなく、世継ぎの選定に重要な影響を与える令嬢を護衛するというちょっと外した展開等、物語の設定はかなり面白くて魅力的。
    ただし問題は、キャラクターの個性の出し方が薄い。護衛することになるヒロインポジションの令嬢は美人設定と思われるが表現しきれておらず、思慮深いようで直情的になりやすい性格にしたいと思われるが、現状ただの短絡的・感情的な小娘。主人公は強者との闘いを望む戦闘狂という設定だが、戦闘時の高揚や歓喜の感情がいまいち伝わってこず、血みどろの闘争を望む者としての『狂気』が足りない。
    物語自体は今後に期待できるネタが散りばめられてはいるが、この微妙なキャラクター造形が今後どうなっていくかが面白さを左右するポイントになりそう。
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  • 異世界帰りのアラフォーリーマン、17歳の頃に戻って無双する【電子単行本】

    ミミダ/遊野優矢/藍葉悠気/へいろー

    無難に出来は良い
    2024年10月14日
    異世界転生した末に魔神討伐を成し遂げた後に元の世界の17歳時に帰還、という異世界帰り系としてはテンプレの作品。
    その後の展開や世界観設定もどちらかと言えばありきたりで陳腐。ではあるが、展開の仕方や演出、世界観・設定の明かし方や謎の提示の仕方等、面白く読ませるような構造をしていてマンガとしてかなり面白い。この点において失敗している某異世界帰りの英雄とは比べるべくもない。
    とはいえ、絵柄や比較的軽い感じに展開される内容、思いの外グロい描写等けっこう好き嫌いは分かれそう。個人的にはめちゃくちゃ面白いかと言われるとそこまでではないけど面白いよ、くらいの印象の作品。
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  • サイコの世界

    井龍一/大羽隆廣

    残念な作品
    2024年10月9日
    コメディテイストをふんだんに盛り込んだ復讐ものミステリサスペンスの良作。
    3巻まではかなり丁寧で面白く物語が展開するが、4巻で打ち切り決定した様子がモロ解りの駆け足謎回収モードになり、私たちの冒険はこれからだエンドで駆け抜けていくラスト。一応の収拾はつけているものの、かなり心残りな感じで終了してしまっているため、完全に名作になり損ねた感がものすごい。
    設定や展開、独特のシリアスコメディなノリ等、個性的でなかなかに面白い作品だっただけに残念な感じになってしまった。
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  • 宮廷をクビになった植物魔導師はスローライフを謳歌する~のんびり世界樹を育てたら、最強領地ができました~

    十三木考/蛙田アメコ/又市マタロー

    丁寧なテンプレ
    2024年10月7日
    『追放された英雄が辺境でスローライフして人生やり直ししようとする話』のテンプレを非常に丁寧に描き出した良作。
    描かれていることはとりわけ珍しいわけでもないお約束的内容ではあるが、作画や演出等作品全体としてクオリティが高い。各エピソードを非常に丁寧に描いていて、各キャラクターの感情や心情の変遷がきちんと窺い知れる描写になっている。
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  • VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた

    藤崎ろと/七斗七/塩かずのこ

    悪くはない
    2024年10月4日
    序盤のぶっ飛び展開はコメディとしてよくできていて、つかみは面白い。
    ただし、その序盤からそうなのだがその後の展開で特に読み手を選ぶ。VTuberのことが好きで、かつ詳しく、それでいて普段の配信を好んで追っているような読み手でないと面白さを感じにくい、というか恐らく面白くない。配信をBGMにしている層でも結構厳しい感じの内容であるため、かなり敷居が高い。
    そういった点から見ると専門性の高いスポーツや競技を描いた作品に似ているかもしれない。その分野が好きで専門知識が有れば存分に楽しめるけど、興味が無いと別に普通の、どちらかと言えば退屈、という評価になるであろう作品。
  • 身に覚えのない理由で婚約破棄されましたけれど、仮面の下が醜いだなんて、一体誰が言ったのかしら?

    小鳩ねねこ/猫側縁

    登場人物全員に…
    2024年9月29日
    品が無い。
    もしくは浅ましい、あるいははしたない。
    相手の非礼を非難するのであれば自身も礼を尽くしていないといけない。許されざる相手を打ち負かすときも、自身の品位を失ってはいけない。そこに王侯貴族の気品が無ければ見苦しさと卑しさばかりが目立つただの喧嘩である。
    あと最低限の設定や世界観の説明位して欲しい。仮面を付けている理由なんか最序盤に語るべき情報だし、魔法が存在する世界観であることをさらりとどうでもいい台詞一言だけで説明するべきではない。
  • 魔道具師リゼ、開業します

    たかのかな/くまだ乙夜

    展開設定自体はよくある系統だが…
    2024年9月27日
    序盤にヒロインが置かれている、超絶ブラックな環境で膨大な仕事量と精神的・物理的な暴力によって思考力を奪われて従順な奴隷として搾取されている、という状況の描写が他の中途半端な作品と比してやたらリアル。そのためその後の『一目見て身体的にやばいことが分かったヒーローが隔離保護する』という流れが非常にまっとうで、ヒロインが見初められるきっかけを上手いこと納得させられる形で描いているのが〇。
    絵柄はやや安定しないところがあるが奇麗。
    シンデレラストーリーとお仕事系を上手く組み合わせた良作。
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