溺れるナイフ
」のレビュー

溺れるナイフ

ジョージ朝倉

多感な頃の衝撃。失ったものへの渇望。

2014年5月23日
多感な頃に受ける、激しい衝動にのまれた力ある2人の物語。力がある故に、失ったものも大きく、光も闇も取り込んで、もがきながら浮き上がって行く。女性的に、嫌悪感満載のエピソードが中心にありますが、今作はそれを上回る二人の惹かれ合い方、内面の情操から目が離せなくて、完結まで一気読みでした。古典の名作からの引用なども、作品の精神世界を浮き上がらせる物になっていました。なんだか堅苦しく持ち上げる感想ですが、これが読んだ後の読後感でした。
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