じゃあ、あんたが作ってみろよ
」のレビュー

じゃあ、あんたが作ってみろよ

谷口菜津子

心当たり、あるあるで。

2024年8月29日
男だからだとか、女なんだからこれくらいはとか。
言われてカチンとくることや、逆に無意識に言ってしまってたことは割りとあったかも、なんて。
穏やかに、でも、確実に心当たりにクリティカルヒットする作品ですね。

主人公が少しずつ周りや自分自身に当てはめていた枠から脱して、自分が本当に求めるものを手探りで探していく姿が、何だか他人事でない気持ちになって。1巻の序盤で腹立ちつつ読み進めていたのが嘘みたいに、感情移入して読破してしまいます。

ふんわりした優しげな絵柄に惑わされそうですが、内容はとても深く。枠から抜け出せない男女が他国と比べてまだまだ多い日本ならではの、刺さり方をする作品だと思います。
恋愛系とか婚活難民系とか、そんな小さなくくりに収めるのがもったいないし、カテゴリーなんてどうでも良い

そう思わせてくれる、稀有なお話ではないかと。
2巻目が出たばかりですが、続巻が待ち遠しいです。
いいねしたユーザ5人
レビューをシェアしよう!