タヌキ×キツネの令和のぽんぽこロミジュリ

ネタバレ

2024年8月31日

このレビューはネタバレを含みます▼ タヌキの芝瞳は､自分達の暮らす狸山の開発を阻止するために､人に変化して開発元に潜り込んでいます｡そんなシバにこっそり会いに来るのが､狐山のキツネ•銀弥です｡ここではタヌキとキツネは敵対しており交流は御法度なのですが､二人は小さい頃から秘密の仲良しなのでした｡ある日シバは､人として訪れた街の風俗店でギンが男に乱暴されているのを見ます｡驚きと怒りとでタヌキに戻ってしまったシバを､ギンはなんとか庇ってアパートに連れ帰ります｡ギンは山ではなくずっとここで人として暮らしており､必要なお金を稼ぐためには乱暴なことをされても､元々オスの好きな自分だから納得の上なのだと笑うのでした｡お人好しのタヌキ､計算高いキツネというテンプレは外さず､さらに魅力を増したキャラ達が､200頁近いストーリーで生き生きと活躍します｡｢晴れの日の雨｣になればキツネが結婚するという設定が素敵で､幻想的な嫁入り行列からのクライマックスは迫力に満ちていました｡獣体のタヌキとキツネも限りなくリアルなのに表情豊かです｡二人を応援してくれる九重さんの物語も読みたく思いました｡

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あいかさん

(女性/30代) 総レビュー数：705件

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