このレビューはネタバレを含みます▼
明るく振舞っているけど、死にたくなるほど泥沼の中にいたんだね。実の兄に、捌け口にされ家にいたくないから、自分の身体を使ってでも宿を与えてくれる存在に縋る。それしか方法がなかった受けの、地獄のような日々を救ってくれてありがとうと、言いたくなりました。兄のプレッシャーの話も、兄なりに辛かったことは分かるけれど、オメガというだけで傷付く事もある弟の事を、ちゃんとみてあげてほしかったです。襲われても感じていると捉えられてしまうのは、現代の世の中でも聞く話だと思います。抵抗しなかったのは、抵抗したらもっと酷くなると分かっているからなだけなのに。
私は、自分よりも力のある人間に力では絶対に敵わない。もし危険な目に合いそうなら、その危険を回避出来るならどんな事もやらなればいけないと常々思っています。自分を守る為に。ただ、救いを求められるなら求めたいと思うのも事実です。攻めは、自分の気持ちでしっかりと受けを守り、救った誠実さはどんなものにも変え難い素晴らしい事だと思います。 受けもこれからは、開けられたピアスの穴の痛みよりも、多くの楽しい事や幸せな事で得られる感情で、満たされてほしいです。
泣いてしまうほど感情移入しましたが、読み終わりは幸せな気持ちでいっぱいになります。
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