王室護衛官に欠かせない接待
」のレビュー

王室護衛官に欠かせない接待

水壬楓子/みずかねりょう

面白かったです

ネタバレ
2024年9月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 隣国からの使者接待役となった受。顔合わせすると、その中には少し前に実家近くのトラブルで助けてくれた攻がいて…。昔から読んでいた作家さんで、小さな出来事も伏線として話に織り込んでいて流石だなと思いました。受は仕事一筋で誰かと付き合ったことはないものの、過去の戦争時に自国を助ける為上司に体を差し出したことがあります。けれどそれは受の心のキズとなっており、使者として来ていた攻に惹かれ上書きの意も込めて抱いて欲しいと頼みます。攻も受を想っているものの、恋人にできない存在であることに苦しみ…。最後は受の出自に驚かされると共に、攻の決断にいい意味で持っていかれました。愛は国境を越えて…ですね(笑)受は騎士としての自分の功績にモヤッたり上司との過去に苦しんだりと、仕事や国事も織り込んだ面白い作品でした。では何故☆5ではないかと言うと、モテまくっている攻を好きになった受のジレジレが少なかったから。上司に体を要求されたことを知り妬心に燃えた攻に対し、受は攻が本国姫の相手になるかもと知っても自分は遊ばれたのだと諦念なんですよね。その後抱かれて攻から「忘れて欲しい」と言われショックを受けるわけですが、それもどこか冷静で。攻との熱量の差を感じまして、もう少し攻への恋心に苦しむ受が欲しかったなと思いました。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!