桜花の記憶 春を待つ兄弟
」のレビュー

桜花の記憶 春を待つ兄弟

なるみ鳴子/上原た壱

切ないお話なのだが

ネタバレ
2024年9月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 江戸時代の名残を残す明治の話。華族の愛のない夫婦の間に生まれた双子の兄弟。しかも華族にとって双子は禁忌だった。冷え切った夫婦関係は双子が15歳になった途端に亀裂が生じ、母は出奔しかつての婚約者の元へ走った。母そっくりな良馨は父に疎まれ、娼館へ売られてしまう。双子は互いに愛し合っていたのに。そして7年の時を経て再会を果たすが…。良馨(源氏名:夕霧)は廓では超売れっ子。身請けも簡単ではない。7年も何してたんだ弟!と言いたくもなるけど、まぁ時代が時代ですからね…。帝大生でも世間は一人前とは見なさない。家長=傲慢父には逆らえない。華族のしがらみもあるし。男色は大目に見てもらえても、兄弟は…。色んな意味での【禁断】にがんじがらめの2人。うーん。切ないお話なのになぜかのめり込めないんですよねー。時代だから仕方ないのかなぁーー。弟にあまり魅力を感じられなくて。もっと死に物狂いで探し出して欲しかったなぁ。そこが惜しいです。なるみ先生の他のお話はめっちゃ好きです。
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