イノセントを穢すキス【単行本版】
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イノセントを穢すキス【単行本版】

五月女えむ

憎しみは猛毒、赦しは…

ネタバレ
2024年9月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 自分の人生のテーマのような憎しみからの解放が描かれていて号泣☆彡
シリウスに責任がないとはいえオンブラの抱え込んだ悲しみが重く苦しくて、年月を経て憎しみに変わることはとても自然なこと。あの時に体感した絶望も身体の中に沈殿していった毒も否定したくはないが、やっぱりヒトを赦すことが自分をも赦すことになるっていう結論に救われると思える自分の感情にもホッとする。
子供の頃のリゲルが現れるシーンは切なくて、復讐心に最初から染まりきれなかったオンブラの心情がとても繊細に描かれています。
2人がそれぞれに背負う罪悪感も哀しみも無くなることはないだろうが、それを無いものとしないだけの強さを身につけている今の姿がバリバリにカッコいいし最高のカップルで大満足だし相思相愛っぷりに悶絶。
リゲルの名を両親のために一緒に埋葬してあげたってのは初めての感覚で美しいなぁと感動。王の罪をしっかり公にさせたこともスッキリで、たっぷり泣いたけどなんとも晴れやかな気持ちになれる物語だった。
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