拝啓、百年先の世界のあなたへ
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拝啓、百年先の世界のあなたへ

中原一也/笠井あゆみ

ロボットやAIに心は宿るのか

ネタバレ
2024年9月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 私好みの題材とタイトルに引かれて購入。誰宛の手紙?気になる!と。
十代の頃にド嵌まりしていたカレル.チャペックやアイザック.アシモフ好きとしては…物語に流れる静かな哀しさ切なさに心をぎゅぎゅっと掴まれました。ずっと傍にいることの難しさ。何気ない日常を迎える喜び。今この瞬間手をふれあえる幸福感。
話の展開がご都合主義でもいい。だって愛と勇気と希望に満たされるのがBLだもん。夢が詰まってなきゃ。みたいな…。
作中にあります、生きることは忘却でもあります…という文章。樹なつみ先生のOZを思い出しました。忘れることのないアンドロイド。忘れられる人間。アンドロイド&人間の組み合わせの醍醐味ですよ…。
はぁ…キースの過ごした長い年月を思うと(涙)ですが、愛し愛された年月の記憶は褪せることなくキースの中にあり、愛を知ったキースは紛れもなく不幸ではなかったでしょう。はぁ。甘くて苦くて優しいお話でした。エピローグ、賛否両論というならば、私は好きです~の1人です。
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