人間の純粋さと汚さが表現されている





2024年9月13日
(上巻) 陽キャのリオと、根暗で貧乏なヒルマ。2人の歪な関係を目撃したタツヤは、ヒルマの表情が気になって忘れられない。ヒルマに近づいたものの、タツヤは衝撃の事実を知ることになる。(下巻) 「陽キャでいい人」で通っていたタツヤだが、ヒルマに溺れるにつれ、自分でも気が付かなかった汚い感情を知ることになる。一方、最悪キャラだと思われていたヒルマのリオに抱く感情が明らかになり、次第にタツヤへの気持ちにも変化が現れる。人の顔って一面ではなく、些細なきっかけで変われるかもって思わせてくれる。ヒルマの変化に喪失感を覚えるリオだったが、彼も決して弱い人間ではなく、ヒルマやタツヤへの複雑な思いを抱きながら、前へ歩いていく。三人三様の前進がすがすがしく、上巻でのダークさが下巻で裏切られた(嬉しい)。出てくる人(クラスメートや兄、母)、みんな完ぺきではなく、少しづつ純粋で汚く、良い作品だった。上巻が無料の間、是非読んで欲しい。

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