おにいさまへ…【新装版】
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おにいさまへ…【新装版】

池田理代子

華麗なる

ネタバレ
2024年9月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 池田理代子先生のお絵柄の華やかな時代を追って。まずなにが魅力的かってはじめから最後まで、あの輝かしさであることです。この画風で完結している作品は一冊で終わる超短編くらいしかないものですから。ベルばらの初期の幼げな感じやオル窓終盤の渋みだって味のある素敵なものだけど、こちらにはやはりときめいてしまう。ありえないと思うほど登場人物である高校の女子生徒たちは成熟し深い思考、過酷な影を背負って生きています。女子校に行けば皆、宮さまやサンジュストさま、薫の君のように気高く病的な魅力とかぎりない品をもつことができるであろうか、あるいはそんな方に出会えるであろうかと安直にも考えた少女時代の私はそうして名門女子校へ飛び入っていったのだけど、そんなはずもなく。本当に存在していたら逆に困りましょう。つまり、いつもの如く人間の人生や価値観を左右する理代子先生らしい作風であります。
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