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今月(5月1日~5月31日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • オルフェウスの窓【新装版】

    池田理代子

    おもうひとあらずんばこそ
    ネタバレ
    2024年9月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 理代子先生のお書きになるものってどうしたってこんなに悲劇ばかりなのでしょう。それが魅力で、私も大好きなのは間違いありませんがやはり毎度毎度嘆いてしまう。質の高い嘆きなのでしょうね。ベルばらで、おにいさまへ…で、クロディーヌで、ありとあらゆる先生のご著作で報われなさ苦しさ噛みしめて、これ以上の悲劇があるというの、と思っていた私でした。だけれど、名高き鬱漫画は流石です、思いもよらぬほどの大打撃。今度こそこの上ない絶望と、それに負けぬ幸福を味わいました。塩キャラメルみたいなものですよ。悲劇のどこに幸福があるのよ、とおっしゃるかた、もう早く人生も恋愛も終わったほうが幸せだと思うくらいにみなさん脇役という脇役まで余すことなく怒涛の不運なのです。だから結末も、悲痛にくれると同時に生きながらえるだけ痛々しい主人公でしたから、よかったね、やっと終わってこれでよかったね、と涙ながら呟くことになるしその分みなさんの束の間の幸せがとても輝くのでしょう。哲学的で愛があって、いちどでいっぺんに大人にしてくれる、そんなオルフェウスの窓ではありました。大好きです。
  • おにいさまへ…【新装版】

    池田理代子

    華麗なる
    ネタバレ
    2024年9月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 池田理代子先生のお絵柄の華やかな時代を追って。まずなにが魅力的かってはじめから最後まで、あの輝かしさであることです。この画風で完結している作品は一冊で終わる超短編くらいしかないものですから。ベルばらの初期の幼げな感じやオル窓終盤の渋みだって味のある素敵なものだけど、こちらにはやはりときめいてしまう。ありえないと思うほど登場人物である高校の女子生徒たちは成熟し深い思考、過酷な影を背負って生きています。女子校に行けば皆、宮さまやサンジュストさま、薫の君のように気高く病的な魅力とかぎりない品をもつことができるであろうか、あるいはそんな方に出会えるであろうかと安直にも考えた少女時代の私はそうして名門女子校へ飛び入っていったのだけど、そんなはずもなく。本当に存在していたら逆に困りましょう。つまり、いつもの如く人間の人生や価値観を左右する理代子先生らしい作風であります。
  • ベルサイユのばら外伝~黒衣の伯爵夫人

    池田理代子

    お絵柄の最盛期
    ネタバレ
    2024年9月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ もっともおうつくしい時期のオスカルさまで、大変眼福。ベルばら本編では初期はまだ幼なげ、途中から華々しく花開いていくのですが、こちらは短編なこともあって最盛期のみ。それにほかのエピソード編が渋いお絵柄なのとは違って、本編のいちばん華やかなときのままのお絵柄でありますから麗しのオスカルさま補給にはもってこいです。理代子先生のお絵柄はいつだってお綺麗なのには違いませんが、あのときのあのままの懐かしいみなさんで、それに後日談ではなく時間軸がいちばん幸せそうなときなので感傷なしに読めます。王宮や革命中心の本編とはひと味違う、神秘的な芸術猟奇犯罪のお話。