気難しい王子に捧げる寓話
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気難しい王子に捧げる寓話

小中大豆/笠井あゆみ

皆様のレビューのお陰で・・・

ネタバレ
2024年9月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 不思議な老人からこれまで見てこなかった現実とこれから起こる凄惨な未来を突き付けられ、改心して賢王への道を進んでいく王太子エセルと(受)とエセルを馬鹿にしまくり自身の出世の為に利用していたのに、改心した王子が自分から離れたことで初めて王子への恋情に気づいた腹黒な近習オズワルド(攻)の世直し物語。現実を突き付けられ、一瞬でオズワルドを信用できなくなり、業務上の付き合いだけという塩対応を貫きつつも本当はまだオズワルドを想う気持ちを捨てきれないエセルの心のうちがとても切なかったです。慕っていたオズワルドに心の底から憎まれていたと知ってボロボロに傷付ついているのにグッと耐え、クソ野郎ことオズワルドに協力を仰いで自国を権力者の腐敗した政治から救おうと頑張る姿は自然と応援してしまいます。一方で覚醒したエセルに本性を知られ、どうにかして信用(というか愛情)を取り戻そう躍起になるオズワルドは「超ざまぁあああ!」でしたね。刺される以外にももっと痛い目を見ればよかったのに(笑)。何度も読み返したくなるくらい楽しめる作品でした。めちゃくちゃ高評価なのにタイトルとあらすじだけでは話の内容がピンと来なくて購入をずっと迷っていたので、購入にあたって皆様のレビューを参考にさせていただいただきましたが、なるほど。これはレビューを読まないとわからないですね。というか、レビュー欄であらすじの内容に皆様が苦言を呈するのも納得。こんな素晴らしい物語が妙なあらすじのせいでスルーされるかもしれないと思うととても残念です。
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