リアリストによるロマンチシズム
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リアリストによるロマンチシズム

木下けい子

タイトルから連想する矛盾通りに面白い

2024年9月17日
漫画では最多作品数&(おそらく)冊数を誇り、小説のイラスト担当に先生の名前を見たら迷っていても購入してしまう、要するに大ファンです。今回のようにノンケ状態から始まる場合は、BL展開に持っていくのが難しい…というか、どうしても多少の強引さが出てしまうのは否めない気がします。私もそれは分かってるんですけど、それを引いて余りある面白さ・楽しさがあるんですよね。二人が出会うきっかけにしろ、お近づきになる経緯にしろ、会話でも展開でも飽きさせないし、起承転結がしっかりあって、しかもどれも面白い。キャラも読者も二人三脚のように足並み揃えてゴールを目指す楽しさがあります。
リアリストとロマンチスト(ロマンチシズム)は対義語なので,タイトルからして既に矛盾たっぷりで不穏な空気を醸し出していますが、ポリシーみたいなものがたった一回の、もしかしたら初めての本気の恋によってグラつく…そんな恋愛の波に呑まれて変わっていく姿が良かったです。
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