このレビューはネタバレを含みます▼
いつも律夫を助けていた友人の六郎。
高2から始まった物語の中で唯一自分の事を「わたし」と言い、たまにオネエ言葉も出たりして。その時にはもう二丁目の様なバーで夜のバイトをし、恋多き少年の様に描かれていた六郎。そんな彼の中学2年生の時のお話+短編。
ネタバレですが…。
経験豊かな、ゲイである事も隠そうとしないで堂々としている六郎は、社会人男性の扱い方や、ゲイビに無理やり出されそうになった律夫を助けたり。
読みながら…彼は壊れてるんじゃ?と何度も思って。
振り返ると恋多きな未成年の学生はいて。大人の世界をもう知っていて、慣れている様な話し方。怖くなかった?と律夫の様に聞いても、相手は大人の男性だったからと。六郎も好きな人だったから、リードもしてくれて良かったと。…本当に?
彼の初めては中2の時。この作品の「カラスとうさぎちゃん」に出てきます。
相手は大学生でスタントマンの章。睡眠薬からの彼との行為で六郎は目覚めたと言っているけれど、逆にこの時の経験がトラウマで、心が壊れてしまったのでは?と。何故なら中2の六郎は自身の事を「僕」と言っていて。
時系列的にその後の六郎に会えるのは「トリップ」。その時にはもう「わたし」。
無断外泊を中2でしても大丈夫そうな六郎の家庭。タバコのにおいがする章の部屋から帰宅しても、何も言われないのか変わらず六郎は章の家に通って。あの後…何があったの?と。
章のその後をまとめると。
大学卒業後スタントマンに。友人のなっちゃん宅に越す(短編Micky House) スタントマンで地方に行っては少年にちょっかい。
六郎を捨てた?と思ったものの、なっちゃん宅で使っていたルームシューズが六郎から貰ったもので…あれ?と。
松浪さんの下半身の緩さにショックの律夫に、自分だけを見て、と代弁した六郎はもう既にそう思った事があったのだろうなと(それは章になんだろ)
それにきちんと向き合えなかった章は、六郎から距離を置かれた方なのかな?と(章…小さい男)
中学生に男というもを理解するのは難しい。愛されたいとしか思わない。六郎の家庭も何かあったのだろうなと。「わたし」じゃなかったかもしれない六郎の責任をとれるのか章?と。
最終話 鴉のキーホルダーに希望を託して。松浪含め大人達に良い様に(ゲイビも章だから律夫の代わりに…)なのに匂わせもせず良い子な六郎…幸せになって😩