悪魔とラブソング
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悪魔とラブソング

桃森ミヨシ

主人公が個性的

2014年5月30日
自分に正直で他人の心の内まで言い当ててしまう洞察力が異常に優れた主人公マリア。周囲に合わせて上手に付き合う優介。そして他人とあまり関わろうとしない目黒。この3人の成長と恋愛を軸にストーリーは進みます。他人に媚びず、嘘をつかないマリアは読者から見ても羨ましくあるけれど、こんな生き方は大変だろうなと思い、感情移入はなかなか出来ません。その代わり殆どの人は優介に自分を重ねることが出来るのでは?一番普通だけど、普通に見える優介もまた自分探しの途中で、マリアに刺激を受けます。もちろん目黒も。だからマリアの物語ではあるけれど、これは登場人物それぞれの成長物語でもあると思うのです。最初はマリアのラブリー変換が多く面白いですが、巻が進むにつれて少なくなるのは少し寂しいですね(笑)それも仲間に恵まれ、恋をして成長していっているからでしょうから仕方がないのかな。優介で始まり優介で終わる本作のラスト、私は好きです!
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