后宮のオメガ
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后宮のオメガ

露久ふみ

救いの物語

2024年9月23日
オメガとして生まれてきた后を救う、疲れ果てた民を救う、不遇な后に使えた者を救う。
王になるべくして生まれたひとりの少年によって、さまざま形で人が救われていく物語だと感じます。自分はお飾りの后だと揶揄していたイリヤが民を導こうとする場面や、スゥヤに感謝の言葉を伝える場面は、この物語のなかで特に胸を打つシーンだと感じます。
自分を卑下し生きてきたイリヤがひとりの大切な人間として愛されることを知る、そして救われる側から救う側へ。何度でも読み返したくなる素敵な作品でした。
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