浪漫のお国で逢いましょう
」のレビュー

浪漫のお国で逢いましょう

木下けい子

恋愛に夢を見たくなる時代背景が素敵

ネタバレ
2024年9月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 丸っと一冊表題作で、古き良き…という言葉がピッタリなお話でした。I love you.を月が綺麗ですねと訳して、それで通じる時代背景。和洋折衷のいいとこ取りの華やかな文化を垣間見ているようでウキウキしました。
この時代、伝達手段と言えば手紙で、それ以外は直接会うしかなくて。夜中に眠れなくて好きな人に会いに行ったからって「今から出ておいでよ」と伝える手段もなく一人月を見ていたら、相手も月を見ようとして気付く…現代と全然違う不便さの中にあるロマンが素敵でした。
こういうシチュが続けば、運命だって信じたくもなるよねと思いました。少尉の見た目の爽やかさに反して毒舌な所も、冷淡に思えて優しげな所も、軍服効果が相まって凄くかっこよかったです。あのなんとも言えない流し目に何度クラッときたことが。年上の割に真っ直ぐで純粋、擦れない可愛さのある糸井とのバランスも良かったと思います。夫婦漫才を見ているような楽しさがありました。
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